ブルーアーカイブ ―宇宙に輝く黄金の螺旋―   作:まさみゃ〜(柾雅)

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早くアキラを完凸させて身包みを剥ぎたいンナ……


08 1000年に1度の天才

 拠点……と言っても滞在先として宿泊させてくれている豊穣ルリの屋敷にクロウ達と戻る。

 その間に私はクロウのスマホにインストールされているAI、アル・アジフからさらに詳しく彼女の断片について聞かされた。

 

「……なるほど、現状はあらかた把握しました。しかし……」

 

 額に手を当てながらルリがヒカルを見る。

 ヒカルは元と付くが敵対しているブラックロッジのメンバー。

 現状1番敵対しているのはその中でも中核に位置する逆十字(アンチクロス)らしいのだが、それでも彼女はクロウと対峙することが多かった。

 特にアル・アジフの断片の回収では何度も妨害されていたらしい。

 まぁ、接敵するたびに巨大ロボット対戦をされては今までのことは水に流して仲良くしよう、となるのは難しいだろう。

 ……なるほど、今更だがあの時カンナ達が言っていた巨大な影とはこの事だったか。

 

「大導師が居られぬ組織なぞ吾輩には不要。むしろあの(にっく)き逆十字の連中を──」

 

 簀巻きにされながらヒカルがいかに自分が逆十字と相容れぬか熱弁する。

 途中から横道に逸れている気がするが、最終的な彼女の結論を言うとクロウの協力者になると言う事を伝えたいらしい。

 ただ、やはり元がつくとはいえ彼女たちは散々自分達の邪魔をしていた敵。そう易々と受け入れては貰えない。

 このままでは話は平行線のまま時間をかけてしまう為、私が彼女たちに妥協案を提示することにした。

 

「“それなら私が責任を取るよ”」

「先生! ですが……」

「“それに今はこんな所躓いていられないでしょ?”」

 

 私の言葉に彼女たちはヒカルを見る。

 やっと結論が決まったからか、ヒカルの表情は明るい。

 

「……分かりました。先生に免じて受け入れましょう」

「センッセェッ!! 大導師の次に愛してるのであ〜る!!

 ──アバッ!?」

 

 いつの間にか拘束から抜け出したヒカルが、喜ぶ勢いのまま私の靴を舐めようとしてくる。

 私はその抱擁を咄嗟に避けてしまった。

 そして勢いのまま彼女はそのまま柱に顔面をぶつけてしまう。

 

「偉大なる吾輩の抱擁を避けるとは何事であるか!?」

「“ご、ごめん、つい……”」

 

 鼻を強打したのか、そのまま鼻血を垂らしながら目を潤ませながら私の胸ぐらを掴む。

 そして私のシャツで鼻血を脱ごうとしてクロウに襟を掴まれて引き剥がされた。

 

「……コホン。とりあえずは貴女も我が屋敷で面倒を見ます。ですが、くれぐれも不審な動きはしないようお願いいたしますね?」

「それぐらいの事は分かっているのである。なんなら恩義として技術提供をするのも吝かではない!! と言うか? 1000年に1度の☆天☆才☆の技術を提供してやるからむしろ光栄に思うのであーる!!」

 

 何処からともなく取り出したエレキギターを掻き鳴らす少女。

 あ、クロウに気絶させられた。

 

 

 

【Side:???】

 

 闇夜。

 蝋燭に灯された光から一つの影が伸びる。

 その影は揺れる度に形を変えていた。

 これまで繰り返して読んだ物語のページを影はまためくる。

 そして読み終えればまた──。

 

「──1から読み直す。ただし、この物語はただの再放送では無い。

 何故なら読み直す度に結末が変わるのだからね」

 

 異頭の男()何か(オマエタチ)へ語りかけながら読みかけのページを開けたまま、その本を机に伏せて置く。

 本が痛む? そんな事は知ったことでは無い。

 そう言っているように()は読書の休憩にとすっかり冷めてしまった紅茶を飲む。

 

「……うん、着実に彼女は成長している。この調子なら……──」

 

 再び伏せておいた物語を手に取る。

 ふと見慣れない登場人物に()の視線は釘付けになった。

 

「何故お前がここに居る……──シャーレの先生!!」

 

 今までこの物語に登場は名前のみだったはずの、関わりのない人物(キャラクター)

 そんな誰も気にもとめない程度の情報だった存在がいつの間にか、繰り返し読み耽っていた物語の根幹に関わっている。

 何度ページを読み返しても、いつのまにかこの存在は少女達を導く様にその先に現れるのだ。

 

「……いや待てよ。寧ろこちらの方が私の都合的にも良い結果が多い」

 

 大翼クロウが500周してやっと進んだ成長は、シャーレの先生という人物に1回関わっただけで彼女の成長に値する。

 それに、彼女たちの前でかの人物が亡くなった際の絶望は甘美なものだった。

 ならばこれより彼がこの物語への参加を許そう。

 

「私はアナタを歓迎しますよ、忌まわしく憎ら(愛お)しいシャーレの先生?」

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