いつも書き出しでつまづく男、スパイダーマッ!!
稚拙な文章ですが最後まで見てくれると嬉しいです
感想・評価よろしくお願いします!
「ねえ、何あれ...?」
"...さあ?"
目の前には満身創痍のロキと、見慣れない格好をした生徒複数名──しかも全員揃って申し訳なさそうな顔──がいる。
とりあえず状況を確認しなければならないので、私たちはロキのところへ向かった。
"あのー、ロキ?"
「あっ、先生! やっと来てくれたか...一緒にこいつらのこと説得してくれないか? ずっと謝り続けるもんだからそろそろ耳が痛くなってきてんだよ...」
"説得...?"
そう言われ、申し訳なさそうにしている生徒たちに視線を向ける。
一人は、ものすごい申し訳なさそうな顔をして狼狽えている銀髪サイドテールの生徒。
一人は、ホログラム越しにものすごく綺麗な方をした土下座を披露している横乳のはみ出した凄くスゴイ恰好をした生徒。
一人は、その土下座をしている生徒を宥めつつ医療品を準備しようとしているが焦って手元がおぼついていない眼鏡の生徒。
そして、その後ろに控えているこれまた申し訳なさそうな顔の軍服を模したような恰好をしている生徒たち。
"とりあえず...この状況、何...?"
「あー...そこから説明した方が分かりやすいか...こいつらはゲヘナ学園の風紀委員だ」
「えっ!? ゲヘナ学園の...」
『風紀委員...!?』
その場にいるセリカと、通信越しのアヤネが驚愕の声を漏らす。
そんなにすごい組織なのかな...? アビドス以外の学校をあまり知らないから分からないや...
"えっと、それで?"
「一応、俺個人としてこいつらとは持ちつ持たれつの関係になってて...説明すると長くなるんだが、いいか?」
"まあ、うん。大丈夫"
「ありがと、それじゃあまず.........
かくかくしかじかの説明によって判明したものの大半は、これまた驚愕に値するものだった。
"えっと、つまりロキは前風紀委員長と繋がりがあって、定期的にゲヘナ学園の治安維持として不良退治をしてる...ってことでいいのかな?"
「まあ、簡潔にいえばそういうことになるな」
『ロキさんにそんな繋がりがあったなんて...』
「ん、隠し事」
「隠してたわけじゃないって。言うタイミングを伺ってたらたまたま忘れてだけだ」
「そんな大事なこと、おじさんでも忘れないよ〜...」
「ロキさん、この前の依頼で報連相は大事って言ってたのにね」
「...自重する」
"それで、風紀委員会との繋がりはわかったんだけど...この子達は何でこんなに申し訳なさそうにしてるの...? あの子に至っては土下座のまま微動だにしてないけど..."
土下座をしている水色の髪にスゴい格好をした生徒へ視線を向ける。心無しかプルプル震えているのは気のせいじゃないと思う。
「そりゃあ、一般人に砲撃ぶち込んで怪我させたとなれば大なり小なり申し訳なくなるだろ。それがコイツの独断行動ってんだから尚更な」
ロキの言葉にアビドスの皆が土下座をしている子に冷ややかな視線を送る。いや、冷ややかというより敵意かもしれない。
ホシノに至っては少し殺気も交じってる気がしなくもない。いつもはのほほんとした様子なのに、ギャップがすごい。今度からホシノを怒らせるようなことはしないでおこう。
「まあ、俺としては幸い骨折程度で済んでるから何とも思ってないんだけどな」
「ロキさんはもう少し自分の身を案じてくれないかな!?」
「自重するって」
・
・
・
・
・
あの後、紆余曲折がありつつも、後日ロキの治療費を全額負担し、アコ──あの時土下座をしていた生徒──が風紀委員長の子に今回のことを自首する、という形でこの事件は丸く...丸く? 治まった。
その2日後、つまり今現在はと言うと、入院しているロキと大将へお見舞いに来ていた。
コンコン
"失礼します。体調はどう、ロキ?"
「お、先生か。具合なら快調に向かってるぞ。多分1週間後には退院だとよ」
"は? え、は?"
ロキの言葉に私は目を剥いたように驚いてしまった。
え、迫撃砲受けて骨折複数箇所あって血だらけになってた人がなんで1週間で退院できるくらい元気になってんの??
「うわ、すごい驚き様だな...」
「ああ、先生。俺も最初は驚いちまったよ」
ロキの反対側にあるベッドに横になっていた柴大将が体を起こす。柴大将は軽傷だったようで、幸い掠り傷程度で済んだみたい。一応大事を取ってロキとの相部屋で入院してもらってるみたい。
「何せ昨日の診療の時、医者と看護師がさっきの先生みたいに目を剥いて、『え、貴方本当に人間ですよね...!?』って驚いてたからな。実際、俺もそう思ったくらいだ」
「失礼だな大将。俺はれっきとした人間だぞ」
"普通の人間はそんなに身体頑丈じゃないよ!?"
「それは...まあ、そうなんだろうけど」
「そもそも、前に血だらけになったまま俺の店に入ってきたこともあったぐらいだからな。しかも平気そうな顔でラーメン食ってたし」
"...実はヘイロー持ってたりしないよね?"
「んなわけあるか」
なんて他愛のない会話をする私たち。
ある程度会話が一区切り終えたところで、柴大将が話し始める。
「しかし...セリカちゃんには悪いことしたな。アビドスの借金を返そうって意気込んでたのに、バイトする居場所が無くなっちまった」
「こんな時までセリカの心配か...全く、お人好しが過ぎるぞ大将。それに、セリカだってバイトのことより大将の身の無事を願ってるんだ、退院出来たら新しく店を再建して安心させてやれ。俺も手伝うから」
「ああ、そのことなんだがな...」
「"?"」
「実は、元々あの店は畳む予定だったんだ。退去通知が少し前から出てたもんでね」
「なっ...!? もう退去通知まで出されてたのか...」
"退去通知? でも、アビドスの土地の所有者はアビドス高校じゃ...もしかして...!"
「ああ、そのもしかしてだ。何年か前にアビドスの生徒会が借金を返せずに建物と土地の所有権を売っ払っちまったみたいでな」
"...その相手って"
「先生の予想する通り、カイザーだな。俺も事務所を設立するときにあそこと一悶着あったんだ」
"ロキはそのこと、知ってたの?"
「まあな。ただ、俺みたいな一般市民じゃ大企業相手にできることも多くない。だから、手をこまねいてたんだ」
その言葉のすぐ後に『けど、』とロキが零す。
「超法的機関所属の先生、アンタがいればどうにかなるかもしれない。だからまあ、なんだ...」
「...これからもよろしく頼む」
"うん、もちろんだよ"
これからの協力を約束する証か、それともそのきずなを深めるためか、あるいは両方の意味か。
私たちは固く握手をし合った。
「...よし、それじゃあ今後のことについて少し────
Prrrrr
Prrrrrrr
突然、ロキのベッド近くにある机の上から電話の呼び出し音が流れてきた。
ロキが電話に出ると言い、病室を後にする。骨折しているというのに、足取りがけが人に見えないのは、もう不思議には思わなくなっていた。
十数分後、ロキが病室に返ってきた。表情は少し嬉々としている気がしなくもない。
「先生、良い知らせだ」
"?"
「カイザーについて情報を持ってる奴が先生と俺に会いたいんだとよ」
"本当? それって誰?"
「ああ、その相手は...」
「ゲヘナ学園風紀委員長、空崎ヒナだ」
"え...昨日の風紀委員の...委員長...!?"
「てなわけで退院予定日は早めて明日にするぞ。先生、ゲヘナに行く準備しとけよ」
"え、ちょ、ロキ!? まだ怪我治ってないじゃん!"
「こんなもん唾つけときゃ治るって」
"骨に唾はつけられないよロキ!?"
「ははは、最近の若いのは元気でいいな」
私とロキが慌ただしくなる様子を見て、一匹の柴犬がそうつぶやいた。
お久しぶりです。
ドーモ、ミナ=サン。
今回文字数少なめセリフマシマシ投稿スパン長めでお送りいたしました(土下座)