本編開始から17話経ってるのにまだ進展ほぼ無いとかマジ?
スピードが...遅すぎるッ...!
稚拙な文章ですが最後まで見てくれると嬉しいです
感想・評価よろしくお願いします!
病院の医者から猛反対されつつも勝手に退院したロキと
ロキが元いた場所だと、車を使うのは余裕がある人たちだけだそう。それに、遠い場所へ移動する時は車よりももっと便利な交通機関があるらしく、ロキの中での車っていうのは、金持ちやらそのボンボンが自身のステータスを誇示するためっていう印象が大きいみたい。
ロキは時々、元いた場所のことを話してくれる。まあ、あまり乗り気ではないようだけれど。ロキ曰く、『あっちの治安の悪さはキヴォトスとどっこいどっこいぐらいだな。でも...あっちの方が、人の命の価値が軽過ぎる。明日生きるために友人も、肉親さえも殺す奴も少なくない』、そういう場所らしい。
ロキは、そんな危険な場所で生まれて、そこで育ってきたことになる。
そこで、私に一つの疑問が生まれた。
『そんな場所で育ってきたのなら、もしかしたら彼は人を殺したことがあるのではないか』と。
...でも、彼にそんな素振りは無かった。
基本的に穏やかで、アビドスのみんなに優しさを見せていることが。
戦闘の時にわざわざ彼の言う『
軽い怪我をした柴大将を心の底から心配する表情が。
そんな疑問を否定していた。
でも、もし。
もし彼が.........
...............
いや、憶測で考えるのはやめよう。私が彼の過去を知っているわけではない。
いずれ、聞くチャンスがあるなら、その時にじっくり聞かせてもらおう。
なんて考えていると、車内アナウンスが流れてくる。
『次は、ゲヘナ自治区、ゲヘナ自治区。お出口は、右側です。お忘れ物のなさいませんよう、ご注意ください』
アナウンスを聞き、そろそろかと降車の準備をする。
隣ではロキが手を組んでうたた寝をかましている......こうして寝顔を見ていると、ロキは美形寄りだなと感じることがある。顔が中性的なこともあるけど、かなり顔がイイ。
女装なんてしたら、多分女の人と見間違われるくらい整った顔立ちをしている。
...と、男性相手にちょっと失礼だったかなと思い、考えていたことを頭の奥底に押し込めた。
うたた寝をしているロキの肩をちょいちょいと叩くと、小さくあくびを垂らしながら目を覚ました。
「もう着いたのか?」
"うん、あともう少しで着くよ"
「そうか...なら、これ着といてくれ」
目を擦りまだ眠たそうなロキが、着ていたコートをおもむろに私に渡してきた。
"ロキ、これは...?"
「着ておいた方がいいぞ。それ、防弾・防刃仕様だからな」
どうやら、私を気遣って渡してくれたようだ。こういう、優しい所がアビドスのみんなに慕われてる理由なのかな。
でも、私には必要無いんだよね。
"私は大丈夫だよ、コレがあるから"
「...その機械、前から思ってたけど何なんだ?」
私は持っていたシッテムの箱を取り出すと、ロキがそれは何かと疑問に思ったようで質問された。
"これはシッテムの箱っていって、中にいる『アロナ』っていう子がアドバイスとかしてくれるんだよね。結構優れものだよ?"
「へぇ...でも、それで自衛が出来るのか?」
"そういう機能も実は備えられてるんだよね。だから大丈夫だよ。というか、そのコートは現在進行形で怪我人のロキが着るべきじゃない?"
「...それもそうか」
現在、ロキはまだ体のあちこちに包帯が巻かれている状態。無傷の私と、必要なのはどっちかは明白だろう。
そんな会話をしていると、目的地へ着いたのか扉がプシューという音ともに開かれた。
「あ、そうだ。駅から出る前に耳塞いでおいたほうがいいぞ」
改札を抜け、駅の出口へ向かって階段を上る私に、ロキがそう促す。
何故そう促したのか分からず、ロキに"なんで?"と返す。
「クソうるさいから」
そう言われ、階段を上り切り駅の出口から出た瞬間────
ドゴォォォォォン!!!
"!?!?"
耳をつんざくような爆発音とともに、私たちへ向けて砂ぼこりやら小さな瓦礫やらが飛んで来る。
その瞬間、ロキが私を屈ませ、コートを盾として私に覆い被さった。
少しすると、飛来物の雨が止んだのかロキが覆い被さるのを止め、怪我がないか確認された。幸い直ぐにロキが庇ってくれたから怪我は無いと伝えると、ロキは少し安堵したような表情をして、私に立つように手を差し伸べた。
"ろ、ロキ...今の────
「ハーッハッハッ!!」
まだ動揺してる思考に鞭を打ち、口を開くと同時に、それをかき消すかのように高らかな笑い声がその場に響き渡る。
その高らかな声の元に視線を向けると、ダボダボの白衣を着た一人の生徒が仁王立ちで立っていた。
その生徒の後ろにはダイナマイトやら掘削機やらを持った沢山の生徒たち。
「ゲヘナの風紀委員の活動が鈍い今がチャンス!! 今回こそ! 掘って掘って温泉を湧き出させろー!!」
「「「「「うおぉぉーーー!!」」」」」
「な、言ったろ? クソうるさいって」
ロキはうんざり気味の顔で、私にそう告げた。
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紆余曲折*1ありつつも、何とかゲヘナ学園校内まで辿り着くことが出来た私たち。
まったく、
"ゲヘナ学園っていつもあんな感じで、混沌とした感じなの...?"
「ああ。なんせゲヘナ学園の校風は『自由と混沌』だからな。俺も最初に来た時はアイツらに爆破されたり吹き飛ばされたりしたな」
"うわぁ...危険地帯じゃん..."
「だからこそ、指名手配犯とか不良が乱獲できるんだけどな」
"乱獲って...というか、今更なんだけどさ..."
私たちの周りの生徒をちらっと見てみると、全員がこちらに視線を向けていた。多分、悪いほうの意味で。
"なんでこんなに視線が...?"
「そりゃ、新しくキヴォトスに来た先生が自分の学園に来たら興味を持つだろ」
"そう...なのかな?"
それにしては明らかにロキの方に視線が向ているような気がするけど...
とりあえず、気にしないことにした。
ゲヘナ学園の廊下は、外と違って意外に綺麗だった。まあ、アビドス以外に比較できる程他の学園に行ってないのもあるけれど、外と比較すると幾分かマシという印象。
そんな廊下を歩いてみれば、やはりというべきか、大半のすれ違う生徒がやはり視線を向けてくる。しかもそのほとんどがロキに。
"...ねぇ、ロキってゲヘナだと有名人だったりする?"
「どうだろうな...仕事柄、不良からの認知度は高いから、多分そこから人伝にどんどん噂が広がってると思ってるんだが...
まあ、風紀委員の仕事もちょくちょく手伝ったりしてるし、それなりの噂ぐらいは立ってるんだろうな」
"へぇ...あ、そうだ。これからゲヘナの風紀委員長の子に会うわけなんだけど、その子ってどういう子なの?"
「空崎のことか? アイツは...強さ故のワーカホリック...って言えばいいのか?」
"えぇ...?"
「先生は知らないと思うが、空崎はキヴォトスでもトップを争えるくらいの実力の持ち主だ。それ故に、風紀委員の仕事の大半を受け持つことになって、必然的に仕事量が常人じゃ考えられないくらいには増えてる。
前に風紀委員との依頼で共同作戦やった時なんて、仕事量が多すぎて見てるこっちがため息つきそうになるくらいだったぞ」
うんざりしたような表情で話すロキ。うんざり度合いが結構高めそうだから、本当にすごい量の仕事量だったんだろうなぁ...
私も日々書類系統の仕事に追われる人間だからその大変さはよく分かる。
「...っと、話してたら着いたな。ここが風紀委員会の部室だ」
辿り着いた場所は綺麗でどこか厳かな雰囲気を醸し出す扉の前。
数回ノックの音が廊下に木霊すると、扉の奥からそれに返答するように『入っていいわ』という声がした。
恐る恐る扉を開けると、目に飛び込んできたのは積みに積まれ、まるで塔のように聳え立たされた書類の数々と、それらにげっそりとした顔で何かを書き込む生徒複数名。
"...な、何この書類の山...!?"
「今日はいつもより格段に多いな...」
「当たり前よ。自治区ではない場所での軍事的行動、および建造物の破壊...ゲヘナの治安を維持する組織にとって以ての外の行為。それ相応の罰は必要よ」
聞き慣れない少女の声が聞こえ、その元を辿ると、そこには一際目立つ場所にデスクを構え、そこで少なくはない書類を捌き続けている小柄な白髪の生徒が座っていた。
「ようこそ、風紀委員会へ。私は風紀委員会、委員長の空崎ヒナよ。貴女のことは噂で知っているわ、先生」
"ど、どうも...えっと、この書類の山は...?"
「始末書と反省文よ。ほとんどが反省文だけれど」
「う...うぅ......終わらない......」
書類の山に埋もれそうになっているツインテールの生徒が嘆きに近い呻き声を上げる。
その光景はまさに社畜みたいである。恐ろしい...
「面白いくらいに積み重なってるな...でも、流石に多過ぎないか? 軽く見積もっても一人100枚くらいあるんじゃないか?」
「当然よ。さっきも言った通り、今回のアコたちの行動は風紀委員としてあってはならないことよ。それに、あの条約も控えているからあまり問題行動は起こしたくないもの。きっちり反省してもらわないといけないわ」
「...なるほど、確かにゲヘナはあの条約が迫ってたな」
「...それに、貴方にも怪我を合わせてしまったもの。本当に、申し訳ないと思っているわ。ごめんなさい」
「いいんだよ、どうせあと数日で治るくらいの傷だ、気にしなくていい」
「ええ、それなら良かっ......今、なんて?」
「だから、あと数日で治る程度だから気にしなくていいって」
「...骨折してたわよね、貴方...本当に人間?」
「ここ数日で何回も言われるな、そのセリフ...って、これだといつまで経っても話が始まらないな」
ロキはコホンと咳払いをし、話の本題に入ろうとする。
「それで、カイザーが怪しい動きをしているっていう話だったよな」
「...ええ。アビドスの関係者である貴方達には直接言った方が良いと思って」
「『カイザーコーポレーション』、貴方達も知っている名前でしょうけど...最近アビドスの捨てられた砂漠で怪しい動きが観測されたの」
"怪しい動き...確かに、カイザーは民間軍事とか金融機関を事業にしてるらしいし、何にしても悪い影響しかなさそうだね"
「...だが、場所が気にかかるな」
"場所?"
ロキの呟きに反応してみると、ロキが疑念を持った顔で話す。
「アビドスの砂漠地帯は鉱山資源がほとんど無い。あったとしても価値と労力を考えたら非効率なのは明らかだ」
"それじゃあ、何か別の目的が...?"
「おそらくな。でも、それにしたって場所が悪すぎる。定期的に起きる砂嵐、運送のしにくさ、過酷な土地の質...あそこで得られるメリットなんてほぼ無い。わざわざそんな場所に拠点を構える必要性が無い」
「残念だけれど、この件に関して私たちが知っているのはカイザーが何かを企んでいる、ということだけよ」
「いや、十分だ。ありがとうな、空崎」
「...それともう一つ、これはアビドスには関係のないことなのだけれど...」
目の前の少女の目つきが少しばかり鋭くなり、雰囲気も先ほどより張り詰めたようになる。
「最近、ゲヘナ学園で数人の
「行方不明者...他所に住処を変えただけなんじゃないのか?」
「...私たちも最初はそう思っていたのだけれどね...その行方不明者が出てから丁度1,2週間後くらいだったかしら。ブラックマーケットでこんなものが見つかったの」
そう言うと、委員長がデスクから3枚の写真を取り出し、私たちに見せる。
"! 何...これ...!?"
「っ......」
そこに写っていたのは、真っ赤な地面に不規則に転がった、奇妙な形の粘土...否、
「......見てもらえばわかる通り、これは...言いたくはないけれど、人間だったものだと推測されるわ。断言はできないけれど...その可能性が高い」
"こ...れが、人...?"
1枚目の写真には、血だまりの地面にいくつかの細切れとなった肉塊。そして、近くには血で染められたせいか真っ赤に染まった鳥のような翼が何枚も落ちている。
2枚目の写真にも、1枚目と同様に血だまりの地面と肉塊。しかし、こちらの方は細切れにはなっておらず、その代わりに人間とは思えないほどやせ細り、その太さを犠牲に引き伸ばしたかのような長さをした腕が蛇腹のように何重にも折られている。
3枚目の写真も、血だまりの地面とやや人の形を保った肉塊。けれど、腹部と思われる場所はパッカリと開かれており、そこから、また新しい肉塊のような何かが出てきている様に見える。
「...どれも生命活動は終了していて、既に処理はしてあるわ。勿論、混乱を招かないように情報は極力抑えているけれど...このまま被害が増えていくようなら、露見してしまうのも時間の問題でしょうね」
"う...うぉぇ......っ"
「先生、大丈夫か? 見たくないなら無理に見なくて良いんだぞ?」
あまりの惨状に、写真越しでも嘔吐感に苛まれる。嗚咽する私の背中をロキがさするが、一向に気持ち悪さは拭えない。
それほどまでに強烈な惨状。
"ロキは...よく平気だね..."
「...もう、慣れてるんだよ。こういうの見るのが」
"...そっ...か"
「...もう、見なくて良いと思ったんだけどな」
一瞬、ロキの顔が酷く歪んだのを私は見逃さなかった。
これについて、何か知ってるのだろうか...?
それとも...
「...とにかく、そっちの件も頭の隅に入れておこう。あながち俺たちに関係無い話ってわけでもなさそうだしな」
"...そうだね。私も、先生として解決しなきゃいけないし"
「...今日はありがとうな、空崎。それと、今後ともよろしくな」
「ええ。貴方の腕は確かだもの、これからもよろしく頼むわ」
感謝の言葉と共に、私たちはゲヘナを後にした。一抹の不安と恐怖を土産に携えて。
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アビドスへ帰るために乗った電車で、俺は一人考え事をしていた。
先生は疲れたのか、それともやつれたのか、隣で眠っている。
今日、ゲヘナを訪問して見せられた写真。あれは明らかに人が媒体となった肉塊だ。
都市で何度も、何度も何度も、あんなものを見てきたから分かる。
だから、それ故に理解はしたくない。
あんな化け物どもが
「...切っても切れない縁...か......クソッたれ...」
俺の小さな呟きは、車輪の走行音に掻き消された。
執筆中にお札シンクルと卯ファウの弱体化来たんですけど...
お 札 が 弱 す ぎ る ッ ピ ! ! ( 絶 望 )