今日もがんばりうるます!
稚拙な文章ですが、最後まで見てもらえたら嬉しいです。
よろしければ感想・評価お願いいたします!
...身体中のあちこちに砂が当たる感触で意識を取り戻す。
腕は...動かない。足...こちらも動かない。
今はどんな体勢なんだろう...ああ、うつぶせになってるんだ。
目は...あれ、開いたのに。開いてるはずなのに真っ暗だ。
あれ、痛い。
痛い。痛い痛い痛い痛い痛い。
目に何かが入ってくる。何か小さくて粒々したものが。
ああ、砂が目に入ってきたんだ。考えてみれば、私はいまうつぶせだもんね。
目を閉じる。まだ痛い。でも、目を擦れる腕は動かない。
痛い。痛いなぁ。
身体中に当たるすなが、目に入り込むすなが。
痛いなぁ。
...ごめんね、ホシノちゃん。私がわがままを押しとおしたせいで。
ごめんね、ロキさん。いつもしんぱいしてくれてたのに。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
「おい!! ユメ!! どこだ!!」
すなが吹くおとが痛いなぁ。何も、なにもきこえない。
「生きてるなら返事しろ!!」
こんなに風ってつよかったっけ。あ、ああ、そっか。すなあらしが来たんだ。
「クソッ...! 砂嵐が強すぎて視界が...!」
私死んじゃうのかな。このままだれにも見つけてもらえないで。
いやだなぁ。いやだなぁ...
「てかこんな砂嵐の中に本当にいるのか!? もしかしてアイツ嘘吐きやがったんじゃ......ん...? あれは!!」
ひとりはいやだなぁ。わたし、ひとりぼっちはいやだなぁ。
ほしのちゃん...ろきさん...みつけてよ...おねがいだから...
「はぁ...! はぁ...! おい! ユメ!!」
ああ、だめだ。からだが、ふるえて。いたみも。ごめんね。ごめんね。ごめんね。
「起きろ! 起きろって!!」
わからない。かぜでからだがゆれているのかな。
「あぁっ、クソッ!! 早くここから出るしかねぇ!!」
......ああ、みつけて、くれたん、だね...ありが、とう、ろきさん。
そこで私は。暗闇に落ちた。
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次に目を覚ました時には、私はどこかのベッドに横になっていた。
「あれ...ここは......」
今までの記憶を辿る。確か私は砂漠に行って...コンパスを忘れちゃって遭難して...
「...あ、そっか。ロキさんが助けてくれたんだ」
体を起こし、病室を見渡す。まだ夜中のようで、室内には静かさが響き渡るだけだ。
ふと、横に視線をやると、うさぎ形に剥かれたリンゴと、『起きたら食べろ』というメモが添えられていた。
多分ロキさんが用意してくれたんだろうなと思いつつ、リンゴに手を伸ばす。
シャキッという新鮮さを帯びた音がする。美味しい。乾いた口にリンゴのみずみずしさと甘さが染み渡る。
次々にリンゴへと手を伸ばす。伸ばすとともに、私の目からも何かが零れ落ちる。
「よかった......生きてて......」
ベッドのシーツに滴ったものがリンゴのものか、私のものか。それを考えることすらせずに、ただひたすらにリンゴを口に放り込んだ。
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あの後、いつの間にか眠ってしまっていたようで、気付けば朝になっていた。カーテンの付いた窓からは薄っすらと明るい光が漏れ出ている。
体を起こし、体を伸ばす。やはり長いこと眠っていたからか、体が固まってしまっている。
時計を見てみるともう朝の8:00を指していた。
さて、私は一体どうしようかと頭に思考を巡らせる。まずホシノちゃんたちに目が覚めたことを伝えるのは一番だとして、さてどう謝ろうか...
なにせわがままで砂漠に言った挙句に遭難してしまい、みんなに心配をかけてしまっているのは明白である。それにロキさんには砂嵐の中で助けられてしまったし...
「...どう謝ろう...」
なんて呟いたとき、病室の扉が音を立てて開く。
「おはようございます。って、まだ起きてない...か......?」
「「あ...」」
病室の扉を開けたホシノちゃんと目が合う。
き、気まずい...とにかく何か一言話しかけなきゃ...
「えっと、おはよう、ホシノちゃん...?」
ドサッ
「ユメ先輩!!」
「うわぁ!? ホシノちゃん!? そんなに飛びついてきたら危ないよ!?」
扉を開けたホシノちゃんは私が起きているのを見るなり自分のバッグを落としたのも気に留めずに私を抱きしめに飛びついてきた。
「ひぐっ...心配したんですよっ...!! 砂漠で遭難したって聞いて...!!」
「あわわ...そんなに泣かないでよホシノちゃん...」
「もしこのまま目が覚めなかったら...また大切な人を失っちゃうって思って...!!」
「っ...」
「もうどこにも...行かないでください...!!」
「...ごめんね、ホシノちゃん。心配かけちゃったよね...ごめんね...」
私のお腹に顔をこすりつけながら涙を流すホシノちゃんの頭をゆっくりと撫でる。
「もう、あんなことは絶対にしないから...ごめんね...ホシノちゃん...」
啜り泣くホシノちゃんを優しく撫でながら、私も一緒に泣いてしまった。
ひとしきり泣き終えると、次にホシノちゃんは私の身体を心配してくれた。
どこか痛いところはないか、ちゃんと身体は動くのか、気分は優れているのか...
それらに全て『大丈夫』と返すと、ホシノちゃんは再度安堵した様子でホッと胸を撫で下ろしていた。
「本当に良かったです、先輩が無事で...ロキさんが砂嵐の中から先輩をお姫様抱っこして出てきた時は胸が張り裂けそうでした...」
「あはは...え? お姫様抱っこ?」
「ええ、はい。お姫様抱っこしながら猛スピードで走ってましたよ」
「えっ、私重くなかったかな!? 大丈夫かな...!?」
「何心配してるんですか!?」
「うぅ...ロキさんにもいっぱい迷惑かけちゃったよね...そういえばロキさんは?」
「ロキさんなら遅れて来るらしいですよ。多分あともう少しでーーーー」
ホシノちゃんがそう言いかけた時、病室のドアが音を立てて再度開いた。
「見舞いに来たぞー...って、起きてたのか」
「おはようございます...?」
「なんで疑問形なんだよ。まあ、目が覚めて良かったよ。身体の方は大丈夫か?」
「あ、はい! もう全然!! ちょっと鈍ってると思いますけど...」
「そっか。そりゃよかった...ほんと、心配したんだぞ? あと数分見つけるのが遅かったら死んでたかもしれないって、担当医が言ってたし...」
「えっ、そうなんですか...?」
「ああ。あの砂嵐の中から奇跡的に見つけられて良かったよ...これからはもう勝手に突っ走るなよ? これ以上ホシノに心労かけるな」
「うっ...は、はい...」
「よろしい。退院は1週間後だから、ゆっくり身体を休めておけ。以上」
「...なんか、反応がさっぱりしてますね...?」
「結構心配したんだぞ? それこそお前を担いで全速力でここまで送るほどにはな」
「それはホシノちゃんから聞きましたけど...なんかこう、もうちょっと驚くのかなと思ったら意外と動じてなかったので...」
「...俺がもといたところは命の価値なんて低かったしな...」
「そう...なんですか?」
「ああ...まあそこら辺は置いといて、ゆっくり休めよ。じゃあな」
「あ、はい」
そう言うと、ロキさんは病室から出て行ってしまった。おそらくまた依頼なんだろうなぁ...
「それじゃあ、私も学校に行かなきゃなので。また午後に来ますね」
「うん、またね。ホシノちゃん」
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病室を出た後、
子の砂だらけの自治区の中ではとても珍しく、ジメジメとした雰囲気が醸し出されている。そんな路地裏を進むと、とある人影がこちらを覗いた。
「クックックッ...待っていましたよ、ロキさん」
「...黒服」
「梔子ユメさんは無事だったようで何よりですね...クックックッ...」
「黙れ。お前、いったい何が目的だ? 何故わざわざ俺にユメの居場所を教えた」
「そうですね...強いて言うなら、暁のホルス...いえ、小鳥遊ホシノの精神的負担を減らすため...でしょうかね?」
「...なんだと?」
「以前から私が言っている通り、我々は神秘について様々な研究をしています。その中でも小鳥遊ホシノが持つと言われている神秘はキヴォトスでも随一のもの...そして、その神秘が最も強まるのは、彼女が精神的に絶好調の時なのです。しかし、あそこで梔子ユメという存在を失ってしまえば、彼女は簡単に折れてしまっていたでしょう...そうすれば、二度と彼女の神秘の最高潮を観測することはできなくなります。ですから、私は貴方に助言をしたのですよ」
「...結局は自分の為か」
「ええ、まあ。それが大人というものですからね...クックックッ...あと、貴方に『借り』を作るためというのも理由の一つでしたね」
「『借り』だぁ? ふざけんな、子供に手をかけるクソの分際でよく俺に借りを作れると思ったな」
「おや...手痛いことを言うのですね? 貴方のような人ならもう少し感謝されるかと思いましたが...」
「感謝だと? ...まあ、実際お前の助言は正しかったし、そのおかげでユメは助かった。だが、それはそれで、これはこれだ。お前が害を及ぼす存在だということには変わりない」
「ふむ...そうですか」
「これで話は終いだよな? 俺は忙しいんだ、お前と話すのが鬱陶しいと思うくらいにはな」
「ああ、あと一つ。貴方の実験についてなのですが...」
「殴り飛ばすぞクソが」
「...おお、怖いですね...クックックッ...それでは、また会いましょう。ロキさん...」
そう言うと、黒服は路地裏の闇へと消えていった。俺はどことなく不気味さを感じられる裏路地から駆け足で出ていった。
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ユメが目を覚ましてから1週間後...
ユメは無事退院することになり、俺たちは歓喜の意を露わにしていた。そして迎えたユメの久しぶりの登校日...
「おっはよー!! 二人とも、心配かけちゃってごめーーーー」
パンッ!!
教室の中に響き渡るクラッカーの音。
ユメが驚いた顔で静止しているところに、俺とホシノが声を合わせて祝福する。
「「ユメ(先輩)、退院おめでとう(ございます)!!」」
「え、えぇ!? 私のために用意してくれたの!?」
ユメは驚きを隠せないという様子。それもそうだろう。
なんせ、いつもの教室は派手に飾られ、黒板には『祝・退院!!』とデカデカと書かれている。
なんならホシノはいつもの真剣さはどこへ行ったのか、百均で売っていそうなひげメガネを着けている。
「そうですよ! 私だってこんなに気合入れたコスプレしてるんですから!」
「それ気合っていうよりふざけてるだr----痛い痛い、悪かったって、だから脇腹つねるな」
「...ぷっ、あははは!! ありがとう、ホシノちゃん、ロキさん。元気出たよ!」
「それは良かった。ユメ、最近元気がなかったからな」
「ユメ先輩、これからもよろしくお願いしますね!」
「うん! これからも、よろしくね!!」
退院祝いは大成功を収めた。
ちなみに、この後の片づけが大変だったことは語るに値しないだろう...
さて、以上が追加プロローグでした!
これでプロローグは本当の本当に終わりです!
いやあ...ほんとうにすみませんでした...