TCGアニメの世界で硬派なドラゴン使いになりたいのに、美少女カードにしか縁がない 作:織葉 黎旺
「………………」
「龍一っ!」
──闇の瘴気が晴れた。目の前には、地に伏せた綾吊。
声に振り向けば、周りにはもうみんな集まっていた。帰ってこない俺を探しに来てくれたのだろう。
「大丈夫。いま、終わらせたところだ……」
「ク、フフ……
闇の炎に包まれていく中、目の前の綾吊が少し身体を起こす。コイツに関しては、俺の大事な相棒たちを弄んだ恨みから、倒したことに何の罪悪感も湧かなかった。
「おい綾吊。最後に、
「嫌です……と言いたいところですが、残念ながら、負けた場合はそうするようにと仰せつかっておりまして。伝言をお伝えします」
小さく息を吸ってから、綾吊は言った。
「『やほ。残念ながら元気みたいだね。コイツに勝つってことはまあ、軟弱なメスドラゴンたちも多少は強くなったのかな?』」
「ッ!」
それは、あの女の言葉そのものだった。イラつきとトラウマで、強く歯噛みする。
「『まあそんなのに負けたワタシも弱かった訳だけど……次はそうはいかないね。ワタシは、
それは即ち──闇のスピリットの
「『
綾吊の身体が、闇の炎に包まれ、灰も残さないまま燃え尽きた。それが《アナザー》の闇のスピリットの元に運ばれたと分かってはいても、俺は、何やら不吉な予感を捨てきれないままでいた。
「……終わったの、ですか?」
「ああ。奴は倒した。分かったことは二つ。やはり闇札会の首領は生きて──
「いまのって……おれのことだよな」
「気にする必要はないよ。大昌はある種の洗脳状態だったわけだし、気にするだけ向こうの思うツボだ」
草汰の言葉に頷く。
「アイツは、人の心を掻き乱すことを得意としていたからな……心が弱ったヤツを唆すくらいは朝メシ前だろ」
それは悪人には無類のカリスマ性を発揮し、弱者には釈迦からの蜘蛛の糸のように映る。だからこそ、闇札会などという大きな組織は生まれ、いまも残党が暴れているのだ。
「あ、あの、聞いてもいいかな」
おずおずと手を挙げた翔に、みんなの視線が向かった。
「そのボスと、龍一クンたちに……一体、どんな因縁があるの?」
「それは、私も思っていました。貴方の話に出てくるボスの話は、単純な敵としては距離が近すぎる」
解像度が高すぎる、とアヤカは言った。
鋭い指摘だし、当然の疑問だろう。耀や草汰はずっと一緒にいたが、翔もアヤカも大昌も、俺たちの因縁について、具体的なところはほとんど何も知らない。
「因縁、なんてカッコイイ言い方できるほどの関係でもないけどな」
腐れ縁の方が正しい。グズグズに溶け切りながらも、それでも微かな線で繋がり続けている。微かな共通点と、それによる嫌悪によって。
「一度、話しておこうか。長い話にはなるけれど。俺たちがどうして闇札会と関わり出して、アイツと戦ってきたのか」