ルビー家滞在記【オリジナル】完結   作:苺のタルトですが

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03ステーション

エマがある程度地球の情報を取得出来たから、また家族会議を開こうと宣言。

 

「地球には異星人用のステーションがあった」

 

「ナンダッテ」

 

初耳な事にメがうろつく。

 

地球人の私が知らなかったんだけど!?

 

「私は知らないよ」

 

テレビでも公式にも聞いたことはない。

 

眉唾の御伽話。

 

「地球人には開示されてなかったのだろうな」

 

ジュスティヌ、解説。

 

そんなことあるのか。

 

まあ、某映画もそんな感じだったよね。

 

機密ってやつ。

 

「既に向こうのステーションとは連絡を取り合って、滞在許可を取ってる。あとは滞在申請にサインするだけ」

 

びっくりした。

 

「え?地球ってそんなに対応出来たの?申請したら歩き回っていいの?私達の見た目地球人じゃないって、一目瞭然だけど」

 

「書いてある」

 

ホログラムボードを出して、事項を読む4人。

 

「この事項が作られたのは15年前」

 

15年とは、長いのかな?

 

「結構前から」

 

エマが調べたことを教えてくれる。

 

「一つの飛来してきたデブリ、宇宙ゴミを撃墜した異星人により国民に異星人が目撃され、存在は公にされた」

 

「撃墜されないとどうにも出来なかったってことは、街ひとつ吹き飛ばされるくらい宇宙ゴミがデカかったってことか」

 

ナターシャは大災害じゃないか、と目を引く。

 

「それから、地球は異星人に感謝と友好を約束し、その証として自由に地球を歩ける権利を保証した」

 

「エマ、賢い」

 

私は難しく書かれた規定書に読み解けない謎であると諦めていたのに、分かりやすくまとめてくれるなんて。

 

「私達はこのまま出歩けるんだね」

 

「人間に擬態して歩いてもいいと書いてある」

 

「15年か。世代交代で、人間達の感覚が慣れる時間だ」

 

「そう。だから、大丈夫。異星人が地球で仕事をしてもいいって書いてある。母、道場開ける。入会費はこう、参加費はこれ。月々の会費も考えておいた」

 

テーブルに出されたのは、ジュスティヌ道場と母の美貌を全面に出したチラシ。

 

「たっっかっっ」

 

傾国の美女って言われちゃう。

 

「金額は必ず全員居なくなるから、これぐらい払ってもらわないと」

 

母の顔で来た人達は超絶スパルタ指導により、居なくなるので、エマの言うことはもっともだった。

 

「ママは加減が出来なくて客商売、下手」

 

「くっ……言い返せん」

 

「そこはカッコよく、加減なんてしてみせよう!って、言ってみて欲しかった」

 

手加減ってプロでも難しいと小耳に挟んだ事がある。

 

「何度も加減とやらをしてみようとしたが、上手く出来ず、人が来なくなった」

 

「道場に何故した?」

 

地球に到着したときはきっぱり決めるなって思ったけど、なんで道場にしたんだろ。

 

「道場やめなよ。私と自営業しとこ?」

 

これは多大なる好意であり、選択肢。

 

「だが、娘に養ってもらうのは我が家訓に反する」

 

「おもっきし衣食住の食を養わせてるんだから、家訓なんてもう廃業してるでしょっ!」

 

「だが、だが」

 

その時、エマが目を真っ赤にさせていた。

 

彼女の目の色はそもそも赤いというのに。

 

「家訓でお腹は膨れないよ」

 

彼女の目はとても、そう、とても赤くて……全てを吸い込みそうだった。

 

 

 

***

 

 

 

2人で道場をやめさせようとしたけど、やはり道場をしたいと目をウルウルさせ懇願されたので、別の案も提示することとなった。

 

子供教室である。

 

母のそっくり人形を作って操れば加減もしてくれよう。

 

母は自分でやりたいっていうけど、やりすぎて相手の骨とか折ったらどうするのか。

 

「私には治癒スキルがある」

 

スキルで治癒するというが、相手の心は治せんぞ?

 

その瞬間、脱会者が増えるのみ。

 

大人には生身、子供には人形にやらせることにした。

 

これなら、誰もいなくなった状態にはならないだろう。

 

大人の入会者と参加者がひとり残らず居なくなったら、母には習い事教室でもしてもらおうかな。

 

「料理教室か?最近スキルが向上したので、やろうではないか」

 

「ママの視界、私達と違う次元にあるんじゃないの?」

 

この間も、物体Bというただの炭を作り出していたというのに、向上した部分なんてなかったと思うんだが??

 

「マーマはもう手遅れ。孤独に1人で料理屋でも営んでいればいい」

 

「え……」

 

母の涙声を無視して、習い事を羅列していく。

 

やっぱり基本は緩いものがいいよね。

 

「習字とか」

 

母は意外と字が上手い。

 

なんでだと聞いたら昔みっちり妹に躾けられたそう。

 

ん?

 

妹にしつけられたってなに?

 

妹は姉に躾られるのが普通じゃなかったかな。

 

字が上手くなくて、読めずに妹に突き返され、代わりに読めと言われて、母も解読出来ず読めないと言ったら、文字の教育がスタートしたらしい。

 

それは私も怒るやつだ。

 

「母が文字を教えるのか?妹のようにできんぞ?あれは恐ろしい」

 

妹はなにをさせたのだろう。

 

そうならば、無理そうだ。

 

「道場駄目になったらその時考えよっか」

 

なにも浮かばない。

 

天才の妹ですら案が出ない母のスキルは、人に教える向きではないのだろう。

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