ルビー家滞在記【オリジナル】完結   作:苺のタルトですが

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33ジュブナイルRPG

やはりゲームのあとの感想を言い合う時間は楽しい。

 

「アイドルとか俳優の卵設定だから顔がいいね」

 

ナターシャはほんのり赤い顔をそのままに、エマに言う。

 

エマの考えなのかAIの組み立てなのかは知らないが、芸能とは良いアイデアだ。

 

この感動を私は早くみんなにも知ってもらいたいと動画の反応を見る。

 

反応には凄い反響があり、やりたい、との言葉が埋め尽くされる。

 

二次創作として完璧な出来なので、やって損はない。

 

自信を持って勧められる。

 

次の日も順次投稿していき、最高との声が聞こえる。

 

「制作会社の親会社から依頼が来た」

 

「っえ?」

 

ずっとボケた声音になるのは当然で、制作会社そのものから、オファーが来たと言う。

 

アンソロジーとしてエマの作った作品を出さないか、という話だ。

 

アンソロジーかぁ、漫画のアンソロジーを昔読んだ事がある。

 

好きなゲームのアンソロジーだったり、漫画のアンソロジーだけど元はゲームだったり、昔はかなり盛んだった。

 

今はあまり見なくなった二次創作アンソロジー。

 

公認なのも見なくなった。

 

見なくなったのは何故だろうか。

 

「よかったね、エ」

 

エマ、お祝いだねと続けようとしたらエマが難しい顔をしていた。

 

「売るつもりはない」

 

「ええー!売ろうよ!」

 

「渡したらエマの完璧に作った部分が変えられたりする。その後売られてもこっちの作ったものじゃなくなるのヤダ」

 

「職人気質だ」

 

匠みたいな気質が出てきた。

 

AIとエマの共同だからこそ黄金比率で最高なのに、変えられたらバランスが崩れて完璧ではなくなる、と剥くれる。

 

そこはエマが向こうと話し合えば良いよと笑う。

 

「姉も付いてきてっ。私と一緒に目を三角にしてっ」

 

「私たちが目を尖らせたところで皆可愛いー、ってなるだけだよきっと」

 

母の威圧感増し増しとは違うんだ。

 

私達は、特に私は妹を相手に熱くプレゼンをして、ぜひアンソロジーとして出すべき、世に出すべきと説得。

 

その結果、家族内消費で良い派の彼女は渋々頷きオファーしてきた人の、私達担当の人と会うことになった。

 

勿論私達は地球でいうと未成年なので、親が必要。

 

つまりは父と母。

 

今回は超珍しく、父も付き合う。

 

いつもは仕事をしていたり花と共に日向ぼっこしてソロライフを堪能している。

 

何故そればかりなのか、というと。

 

現役総督の時には常に人に囲まれ、一人でいる時間は寝ている時くらい。

 

なので、ソロライフをエンジョイしている。

 

本人の談。

 

そんな父と母が共に来てくれると言う。

 

今回の話に果たして居る意味はあるのかということは置いておこう。

 

会う日を擦り合わせて数日後。

 

「初めまして」

 

「こんにちは。ナターシャです。この子はエマです。父と母です」

 

「家族総出でお越し下さりありがとうございます」

 

「ルビーさん達のことは噂だけは聞いておりました」

 

「そうですか」

 

一通り全員で紹介をしあい、ゆるりと座る。

 

「仮面のナンバリングにも迫るような作品、動画で拝見させていただきました」

 

から始まり、すごかったという言葉を聞いてもエマの機嫌は上向きにならず平行線。

 

やはり、作品をちょっとでも変更されるのが嫌なのだ。

 

私はエマの代わりにそういう感じのことを良い、話し合いの結果、ご縁がなかったということでという結末になるかも、ということを相手側にきちんと伝える。

 

「そうですか。ですが、動画で見た感じですと、今の所変更したいと思う箇所はありませんでした。本編のストーリーも、私達のシナリオ担当達がまさに自分たちの感性に近い作り方をしていると、仕切りに誉めておりました。変更点は無さそうです」

 

「絶対なんて不可能」

 

エマがぼそりと言い、ギュッと私の服の端を摘む。

 

「取り敢えず作品をやってもらおう」

 

エトセトラ、エトセトラ。

 

妹からデータを出すように伝える。

 

彼女が渡す時、担当者の手から渡るまで1分。

 

手放さずにお互いが持ったままだった。

 

担当者の大人はむしり取る訳にもいかず、当惑していた。

 

後から聞いたら、コピー、複製が不可能になっていて、ゲームは一つしかない状態にしたそう。

 

ゲーム販売の時間を引き延ばしている!?

 

1人1人でしかゲームを出来ない。

 

大画面でするにしても、時間がかかる。

 

直接録画出来ないので、カメラで撮る方法をするしか複数共有出来ない。

 

余計に時間がかかる。

 

「先延ばし作戦が細かい」

 

担当者は滝のごとく汗を流してゲームデータを貰う。

 

エマがどれだけ渋々渡したのかを強く印象付けられたのだ。

 

こりゃあ、難航するかもしれないと焦りが感じられる。

 

でも、今までのコラボとかを見ているとそこまで強い制限はなさそうなんだけどなぁ?

 

ナターシャ達は会う日を連絡すると言われて会社から出る。

 

「音沙汰なしで一ヶ月経ったら消滅するようにプログラムしてある」

 

「なんで?」

 

「他者にデータが漏れたら、エマの嫌いなネタバレが増える」

 

エマはされるのがイヤなのではなく、楽しみが減るかもしれないのがイヤなのだろう。

 

他社に又貸しされるのを阻止するためにしたのだろう。

 

確かに、いろんな人に貸しそう。

 

それこそ、関係なさそうな政府の関連の人とかね。

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