ルビー家滞在記【オリジナル】完結   作:苺のタルトですが

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36ボリューム過多

前日章みたく語った半年後の発売日。

 

本社からアンソロジーとしての扱いで発売された作品は最初「またコラボ作品?」とナンバリングではないことに期待されていなかった。

 

しかし、購買組がそれを始めるとそんな馬鹿な、という思いが漏れ、言葉でさえ失いながらも興奮で震えるものが続出。

 

これが、ナンバリングではない?

 

呟き呟き蘭が盛んになる。

 

しかし、どうやら一部のイベントがランダムで同じイベントの人が見当たらない。

 

これにゲーム好きは覚えがあった。

 

「私の贈り物の作者が、まさか……」

 

可能性として可笑しくないと、プレイヤーもといユーザーは考察。

 

フルダイブ式VRというものが最近爆発的に出回っている。

 

それを開発したのが私の贈り物を開発した人と言われていて、それはVRを紹介している宇宙人姉妹という話だ。

 

明確に作ったと言っていることはないものの、初めてVRを目にしたのは姉妹の動画投稿。

 

自ずとイコール開発者と繋ぐのは当然の流れ。

 

その姉妹達がゲーム会社にオファーされてゲームを発売するのは自然な気がする。

 

なんせ、今手にしているゲームは動画投稿で世界に知れ渡った。

 

それを手にした時、動画投稿と結びたかなったのは絵柄などが変化していたからだ。

 

それに、ろくに情報が開示されなくて、親会社が有名だからファン買いしたに過ぎなかった。

 

それが現在プレイ時間100時間を超えた。

 

ツウィートな中には200時間の猛者も居るが終わりの片鱗も見えてないらしい。

 

ダンジョンも前作恒例のランダムのものもあり、攻略情報が役に立たない。

 

しかし、ダンジョン捜索を楽にするためのシステムはある。

 

AIみたいな賢さを持つカメレオンモチーフのメインメンバーの友人の鳥だ。

 

その鳥がまるでシステム管理するように、攻略の手助けをしてくれる。

 

迷ったり、攻略に手間取ったら絶妙なタイミングでアドバイスしてくる。

 

そのおかげで攻略情報を見なくてもスラスラ勧めて、経験値を稼ぎやすいアイテムなどもあり、詰まることは滅多にない。

 

コミュニティのセリフやレパートリーが凄い。

 

選択肢も全て返答が違う。

 

「何百時間やり込めば終わるんだ」

 

それは絶望感ではなく、期待とわくわくの心だった。

 

ゲーマーなんだぞ?

 

このゲームに終わりがなくったって悲しくない。

 

代わりに楽しさが湧き上がってくる。

 

どうしたって希望しかないが?

 

ゲーマーの男は自分の欲に従い呟きにログインし、思いのだけをぶつけて、ついでに制作会社にも感謝のメールを送る。

 

感謝しかない。

 

本家のゲームも楽しみだが、アンソロジーの開発と発売を許可してくれた太っ腹な会社に向けて。

 

男は恐らく作ったのであろう、姉妹達のチャンネルの動画のコメント欄に自分も書き加えた。

 

作ってくれてありがとう、楽しんでます、と。

 

返信はない。期待してもこのチャンネルで返信しているのを見たことはないので、今後も誰かのコメントに返信することはないだろう。

 

それで良い。

 

「よし!300時間でも500時間でもやるぞっ」

 

コメント欄が開放されているだけで充分なのだから。

 

 

 

 

ナターシャがシマエナガの賢さと便利さをAI頭脳凄いと実感しまくるのは、とても早かった。

 

そう、とてもとても、とっっても。

 

「その料理はこの食材が合うぞ」

 

「マヨネーズは少なめがいい」

 

「醤油はそれくらいだ」

 

「服を用意しておいた」

 

有能!

 

完璧有能エリート!

 

「姉がシマエナガを気に入ったようで何より何より」

 

ぐう、エマの計画にまんまとどハマりしている自覚は大いにある。

 

おまけにもう手放せない。

 

絶対無理。

 

「今日はアップデートの日だ。お勧めは水属性素材が3倍だから、一石二鳥だぞ」

 

「エマのゲーム勧めてくるって、エマの回し者じゃん」

 

「エマが作ったから、回し者なのは約束されたお約束だ」

 

「確かにっ」

 

エマが作ったのならエマのものを広告したりCMしたり、推したりするのは当たり前のものだ。

 

鳥の補佐に、ナターシャは抜け出せないなと笑う。

 

今日はどうしようかと悩む。

 

ゲームをお勧めされたので取り敢えず、ゲームをしよう。

 

「ナターシャ、モナリーザの絵の事がニュースになってる」

 

「え?なになに?」

 

「妖精の件でなにかあったらしい」

 

「ええー、もう、忠告したのにぃ」

 

だるんだるんな気持ちになる。

 

なんせ、折角現地の人にわざわざ忠告したというのに、とんだ無駄遣いとなった。

 

これだったらなにも言わなくても結果は同じだったわけだ。

 

ナターシャは心がへろへろになりそうなところで、エマにぽむぽむと頭を撫でられる。

 

母もあれだけ脅したのに、やはり取り返しに行ったんだろうね。

 

「エマー、ちょっと出かけるね」

 

呆れてしまうとはこのこと。

 

しかし、放置は少し気になるので、もう少し様子見。

 

シマエナガも居るし、私だけで物事をましには出来る、かも。

 

出かける準備をして、貨幣も幾らか用意しておこう。

 

なにかお土産を買えたら良いな。

 

 

フランに移動すると、美術館へ赴く。

 

「!?」

 

以前と違う建物になっていて動揺する。

 

「うわぁ、建物が豆腐になってる」

 

良くゲームの建物へシンプルな建物に対して豆腐建築というのが通例だが、本物の豆腐でできてしまっている。

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