前世で一緒に戦ってきたシロコと生まれ直した今世で甘やかしたシロコに挟まれた話。尚、二人が手を組まれたら逃げられないものとする。
シロコがヒロイン系の小説が見てみたいと思い付いた息抜き。なお作者はブルアカをやっていないものとする。
前世というものを信じるだろうか。
人間誰しもやり直したいと思う事はある。地獄を進むしかないのなら、地獄に進む前に戻って楽園を探しているだろう。
幸か不幸か、俺にはその機会を与えられた。
何故、と言われても説明は出来ない。原因は分からなくはないが確証はないけれど、一度死んだ俺はやり直す機会を手に入れた。悲劇で、最悪な未来を捻じ曲げるように強くなった。
もう二度と失わない為に、繰り返さない為に強くなり続けた。そうして救えた未来は上等なものだろう。
だが、一つ俺は間違いを犯していた。
やり直しは時間逆行ではなく、
時間逆行ならば一つの世界線を遡り、一つの世界で完結するが、多次元的並行世界はそうはいかない。コインの裏表の世界。表だった世界線と裏だった世界に分岐する因果。同じに見えて辿った未来は枝分かれし、重なることはない。
言わば
多次元である以上、一つの次元に交わる事はない。
同一人物が二人存在してしまう事が起きれば世界のパラドックスに影響が及ぶ。普通なら交わらないが、交わる事態が起きてしまった故に今の現状があるのだ。
つまり、何が言いたいかというと……
「ん、先輩から離れて私」
「貴女が離れて。先輩は私の恋人」
痛いくらいに引っ張られる腕。
たわわな胸の感触が左右から襲いかかる。
黒いドレスを身に纏い、黒く染まったヘイローでありながらも豊満な身体へと成長し、大人びているシロコ*テラー。
青いマフラーを首に巻き、頰を膨らませているアビドス二年の後輩である砂狼シロコが俺の腕を抱きしめて左右に引っ張っている。しかもかなり強めで。
この世界のシロコと別次元のシロコに挟まれ、どうしてこうなったと遠くを見つめていた。
「うへぇ、モテモテだねヒビヤ」
「同一人物なのが……また」
「こ、これはどう収集を付ければいいのでしょう……」
「道は違えど同じ存在ですからねぇ」
砂狼シロコとシロコ*テラーは同一の存在。
俺が死んだ前世、シロコが『色彩』に触れ死の神アヌビスと変貌した未来の記憶。ホシノ達が死んで、二人でアビドスを守ってきた世界線のシロコは神秘が反転し、『
まあ、色々あって別世界のシロコ……俺からすれば前世だが、生まれ直した世界に来てしまった。
いやー、まさかそんな事になるとはなー(白目)
まさか死んで再び同じシロコに逢えるとは思わなかった。
で、問題はというと……
「私の方が長い時間先輩と一緒にいた。その…え、エッチな事もしてるし私の恋人」
「それは前世の話。今世では先輩は私の恋人になるの」
「こう聞くと先輩がクズみたいな……」
「誤解だ!?」
これである。
ジト目であるセリカに頭を抱えるが、シロコ二人に挟まれた修羅場にホントどうしてこうなったと現実逃避を始めていた。
俺の前世、一度目のアビドス世界線では同じ学年のホシノが死んで、セリカは行方不明、ノノミはアビドスの支援を受けるために外へと向かった矢先に殺され、アヤネは延命不可と告げられた後、負担にならないように自分から生命維持装置を外した。
俺とシロコはずっとアビドスで戦っていた。
ずっと、気が遠くなるような毎日を続けて、ずっと命をかけた防衛戦を続けて、アビドスの学校を守り続けた。それでも限界は来て、ホシノが死んだ事を受け入れられず心が壊れかけていたシロコは……
『ヒビヤ、先輩……お願い』
否定しないで、と泣きつかれた。
先生が延命維持を続けている中、僅かな希望に縋り続ける日々に耐えられなくなり、抑え付けられて襲われるように唇を奪われた。依存しなければ壊れてしまう事を知った俺も否定しなかったし、否定出来なかった。
毎日が辛くて、殺してしまった親友の感触が未だに脳裏を過ぎる。獣のように交ざり合った。お互いの心の罅を留めるように。
「(まあ、それでも俺は……)」
シロコを置いて死んでしまった。
色々とあったが、シロコの前で命を落として一生の傷を残した。
だから産まれ直した時は奇跡だと思った。もう二度とあんな目に合わせないように、鍛え直してみんなが死んでしまう未来をなんとか捻じ曲げた。
此方のシロコに関しては特に可愛がった。
もうあんな苦しい思いをさせない為に、結構甘やかしていた自覚はある。本人は嬉しそうだったからつい…ね。
問題はこれが時間逆行ではなく、並行世界転生だという事。まさか前世に一緒にいたシロコと今世で逢うなんて思いもしなかった。まあだからこうなってるわけだが。
シロコとシロコ*テラーによる俺の取り合い。
正直前世の記憶を持っている上に同一人物ではある為、口を出しづらい。特にシロコ*テラーに関しては置いていった罪悪感があるし。
「……責任とって両方娶っちゃえば?」
「ホシノ先輩!?」
「バッ──!?」
「「それだ」」
「よくねえよ!? 他から白い目で見られる上に先生に怒られるわ!?」
同一人物だから一夫多妻とはいかないんじゃないかという暴論に頭を抱えた。実を言うと少しだけ脳裏をよぎっていたけど、それを口にすると二人の方が歯止めが効かなくなりそうだ。流石に結託されて襲われたら俺でも勝てねえし。
「ん、じゃあ先輩が決めて。それで私は納得する」
「確かに。それが一番手っ取り早い。私を選んでくれるよね?」
あっ…(察し)
もう手遅れのようだ。いや、もう二人が出会ってる時点で既に手遅れだったか。昼ドラみたいなドロドロとした修羅場。逃げようとするも、二人同時に壁ドンされ、逃げ道を塞ぎながら詰め寄ってきた。
視線が合わさり、逃がさないと言わんばかりの笑みを浮かべる二人に俺は捕食される哀れな兎だったようだ。
「「ねえ、先輩。どっちを選ぶの?」」
勘弁してくれと頭を抱える。
焚き付けた
……テメェ、後で覚えておけよ。
★★★★★
あの日の事を覚えている。
戦闘が終わり、学校の校舎にいた私は虚ろな瞳をしていたって先輩が言ってた。来る日も来る日も借金の返済とヘルメット団の嫌がらせ。カイザーコーポレーションの猛攻に耐えなければいけない日々が続いて、残ったのは私と先輩だけだった。
「いっ……」
「我慢しろ…目に血は入ってないな。右肩にスナイパー、近接で頭に掠ったってとこか」
先輩は救急箱からを消毒液と包帯を取り出して私の手当てをしてくれた。あの日からずっと心が軋んだ音を立てる。泥の中を歩き続けるような感覚、前に進もうにも身体が鉛になったかのように重くなって、先輩に迷惑をかけた。
ヒビヤ先輩は黙々と怪我の治療をしてくれてる。
触れる手は優しくて私を配慮してくれた力加減で撃たれた場所に湿布を貼る。肩がひんやりして痛みが和らぐ中、先輩は少しだけため息をついた。
「まあ大方、
「……よくわかるね」
「当たり前だ。ずっと一緒にいて気付かないと思ってんのかよ。つか俺じゃなくても分かるわ」
そんなにわかりやすかったのか。
鏡を見ればようやく虚な瞳をした自分が見えた。ずっと、あの日から心が痛くて私の幸せは終わってしまった過去の青春に縋っている。
あの日の事を覚えている。
私達が────
ほんわかと緩く優しい先輩が目の前で死ぬ光景を見て、きっと私は壊れてしまった。
ゲマトリアの黒服の実験で自我を失ったホシノ先輩は自我のないまま私達に攻撃してきた。実験により『
けど、劣勢を強いられたヒビヤ先輩を見て私はホシノ先輩を止めるために二対一で先輩に挑んだ。辛勝にはなった。連れて帰って自我をどうにかして取り戻そうと画策している時に起きたホシノ先輩の異変。
『神秘』と『恐怖』の拒絶反応。
莫大な『神秘』と相反して持つ『恐怖』が適合し切れずに暴走し、壊れていく身体。それだけではなく、拒絶によって生み出された二つの力の反発のエネルギーがホシノ先輩に溜まっていくのを感じた。
このままいけば全てを巻き込んで更地にしてしまう。黒服のその言葉に気を失ってるホシノ先輩に視線を向ける。止める術はなかった。誰も助からない。私もヒビヤ先輩もホシノ先輩も、誰も助からないまま死んでしまう。
『ホシノ、ごめん』
ヒビヤ先輩だけは動いた。
そして、その手に持つ刀で──ホシノ先輩を貫いた。
それは何処までも合理的で、何処までも無情で、当然の帰結だった。暴走する人間を殺せば全員が助かる。トロッコ問題のように先輩だけはそれを選んだ。私はそれを選べずにただ見ている事しか出来なかった。
『恨んでも構わないよ。でも、俺はアビドスの生徒会長だ』
血が溢れる。血が流れる。血が零れる。
砂漠に落ちる血と共に消えていく命の灯火に、刺した先輩を見て叫ぼうとした。けどそれは出来なかった。誰よりも正しい選択をしたのに誰よりも心を痛めているのは先輩だった。
唇を噛み締め、涙を流しながらも優しくホシノ先輩を抱き締めるその様子に私は何も言えなかった。
『後輩を守らなきゃいけない。俺は優しくないから、お前を選べない』
私がいたからホシノ先輩を殺した。
ヒビヤ先輩にホシノ先輩を殺させたのは……私だった。軋んだ心を無理矢理閉ざしてたった一人の同学年、たった一人しかいない相棒をあの人は私の為に殺したのだ。
『……約束、守れなくてごめん』
──アビドスの砂祭りをいつかみんなで。
それは大切な二人の約束だったのを覚えてる。あの人に苦しい顔をさせた自分を呪いたくなるくらい嫌悪した。
何も出来ない自分が嫌いだった。
救うことも出来なくてただ苦しめるだけ苦しめて結局自分は何も出来ずにここに居た。先輩に辛い役目を押し付けて私は……
『……ありがと…う……ヒビヤ』
聞こえたのは、ホシノ先輩の声だった。
神秘も恐怖も消えて空っぽになっていくせいか、自我がなかった先輩が私達を認識していた。力なく絶え絶えとなった声で、優しく笑いながらヒビヤ先輩の頰を撫でていた。
『シロコ…ちゃん……を……お願…い…』
『……言われるまでもねえよ』
その言葉で、最期だった。
頰に触れていた手が落ちて、瞳から光を失ったその光景に身体が震えて、大切な人の死を実感した。
先輩だけは優しく手を伸ばし、ホシノ先輩の瞼を閉ざした。
『──おやすみホシノ。せめて…いい夢を』
ヒビヤ先輩はそれだけ言って何も言わなかった。
冷たくなったホシノ先輩の遺体を運び、アビドス高等学校に戻った。私達は実感のなかった現実を漸く自覚したかのように大切な人の死を嘆いた。
それから二ヶ月が経った。
先輩は相変わらず強くて負の面を感じさせない。なのに私はまだホシノ先輩の死を受け止めきれなくて心が折れていた。暫く引き篭もった。まるで人形のように何も感じなくなって、いっそこのまま死にたいとさえ思えた。
けど、先輩だけは見捨ててくれなかった。
襲い来る敵を一人で迎撃し、数少ない食料を引き篭もってる私にくれて、ただずっと私を死なせないように支えてくれた。
見捨てた方が楽なのに、と思った事がある。
役立たずの自分を生かす理由がないのに、そんな事を口にした事がある。そうしたら先輩は布団を剥いで私の頭をぐしゃぐしゃに撫でてきた。髪がボサボサになった後、両頬を掴んで虚ろな瞳をした私を真っ直ぐに見つめた。
『お前まで死んだら俺が悲しいからだ』
ただそれだけ告げると部屋から出ていった。
何をしてるんだろうって思った。あの時選択した先輩の方が辛いはずなのに。自責に囚われてるとくぅ、とお腹の音が鳴った。こんな状況でもお腹が減っていた。そっと置かれた不器用に作られたチャーハンを一心不乱に頬張った。ちょっと塩気の効いた味だったが美味しくて涙が出てた。
私は引き篭もるのを止めた。
先輩と一緒に戦っている。身体はブランクがあって怪我が多いけど今はそれなりに勘を取り戻している。百人単位の侵入者をたった一人で迎撃して無傷で帰るような先輩のようにはいかないけど。
今日はあの日がフラッシュバックした。
動きが僅かに鈍ったけど、先輩がカバーしてくれたおかげでこの程度の怪我。先輩が優しく包帯を巻いてくれた。頰に触れた手の感触に少しだけ顔が熱くなる。
「ん……」
「よし、こんなもんかな」
いつからだったのだろう。
頼れるから、二人きりだから、優しいから、強いから、だからなのか胸が熱くなる。たかが頰に触れた程度でこんなにも身体が熱くなって、何も考えられなくなるなんて。
アワアワしてる私に先輩は優しい笑みで頭に手を置いた。それはホシノ先輩がやってくれてたように、優しくポンポンと叩くように励ましてくれる。
「今日もお疲れ。頑張ったな」
ああ、もうダメだ。
もうこの人しかいないって思えたから、支えられて優しくされて頼れてしまうから依存のような感情を嫌悪してた。
「っ………」
「ちょ、ど、どうした?」
溢れた感情が止められずに涙を溢す。
ごめんなさい、と口にしながら浅ましく縋る自分に先輩は優しく抱きしめて落ち着かせようとしてくれる。自覚してしまえば止まらない感情、この人と共に居たいって独占欲。
「(ごめん。ホシノ先輩……)」
もういなくなってしまった人へと謝罪を溢した。
彼のことが好きだった人、彼のそばに居てお互いを支え合っていた人はもう居ない。代わりになれるなんて思っていない。彼の錘になる事を知っていながらもこの感情は抑えられずに決壊した。
私は──この人が好きなんだ。
私はその日からその感情を自覚したのだ。
★★★★★
私が先輩を好きだと自覚したのは割とすぐだった。
先輩は優しい。趣味も合うし、時々甘やかしてくれるところが好きだった。よく撫でてくれるその手が好きだった。
先輩は強かった。
異常な程に戦闘経験が違いすぎて、アビドス最強の称号を欲しいままにしている他、たまに他の都市でお金を稼ぐ為に訓練の教官をやったりする事がある。一度ホシノ先輩と全力の勝負をしてたのを見たことがある。
『暁のホルス』と呼ばれたホシノ先輩は強い。
アビドスでの最強はどちらか、二人が
結果は先輩の圧勝。
マシンガンと刀の二刀流で、近接だけなら誰も間合いで勝てない。超近接において先輩に勝てる人間はいない。渡り合えるとするなら
強くて頼り甲斐があって、そしてキヴォトスでは珍しいヘイロー持ちの男子生徒。アビドスに来る前の記憶がないから分からないけど、この人は私にとって頼れるお兄さんだった。
でも、時間が経てばその認識も変わっていた。
「シロコ、飯食いに行かね?奢るぞ」
「ん、行く」
たまに奢ってくれるご飯が好き。
戦闘が終わった後に褒めてくれるのが好き。
趣味の話で盛り上がったりする時間が好き。
二人でサイクリングに行ったりするのが好き。
割と好きな部分が多くていつかそれを恋と自覚した。
先輩は私にその想いがあるのかわからないけど、結構甘やかされてるような自覚はあった。勇気を振り絞ってどうして良くしてくれるのか聞いた事がある。
「あー、まあ…昔の話だ。お前に似たような後輩がいてな」
ラーメンを啜る手が止まる。
先輩の過去を知っているわけじゃないけど時々私を撫でる時、悲しい顔をする事がある。後悔しているような、辛さを押し殺したようなそんな顔をする。それが
「その後輩に俺は優しくしてやれなかったんだ。俺が置いていって、一生の傷を残して苦しい未来を歩ませちまった」
この人は優しいのに優しくしてやれなかった人が気になっていた。常識的である先輩が誰かを一生傷つけるような事をしたのだろうか。でも、罪悪感を感じているという事はそういう事なのだろう。
「だからまあ、少しだけ重ねちまってるのかな。お前には失礼かもしれないけど」
ムッとした。ちょっと嫉妬した。
だって先輩は私を通してその後輩を見てるから。私だって、女の子なのだ。距離感が近いのに異性として意識してくれないのはちょっとだけ腹が立った。
「先輩、米粒」
「ああサン──」
頰についた米粒を私の口で取った。
目を見開いてバッ、と距離を開ける先輩にしてやったりとした顔をしてたと思う。でも、実際は恥ずかしくて頰が熱い。心臓が破裂しそうなくらいドキドキしてる。
「ん、ドキドキした?」
「……そういうのは好きな人にやりなさい」
「なら問題ない」
いつかそう思わせられないくらいに強烈に自分を刻み付けたいって思った。宣戦布告に額に手を当ててちょっと悩んでいるのを見て、少しは意識してくれてる事に笑みを浮かべた。
「過去の事なんて…忘れさせる」
「……勘弁してくれ」
この後、柴関の大将に生暖かい目で見られた。
いや若いっていいねって言われてマフラーを外したいくらい身体が熱くなり、自分の行動を振り返って悶え死にそうになった。
★★★★★
「(本当にどうすればいいんだろう……)」
前門のシロコ、後門のシロコ*テラーに挟まれながら過去の記憶が走馬灯のように流れた。残念ながら存在しない記憶ではない。拒んだら壊れられて、受け入れた現実が今の現状である。
今更ながら言うがどうしろと?
もう尊厳とか全部投げ捨てて受け入れろって事か?
「ホシノ、助けてくれ!」
「おじさんを巻き込まないでくれるかな?」
「大丈夫だ!なんやかんやで図太くなった今のお前ならきっと俺を助けてくれると信じている!」
「それ助けを求める人がいうセリフじゃなくない?」
知ってるわボケェ!
一対一ならまだしも二人同時は無理だ!テラー化したシロコに関しては俺でも苦戦するくらい強くなってるし!?
前世の影響もあったからこの世界で最強になれたわけだが、絶望の世界で戦い続けて俺の教えを忠実に守ってシロコは強くなってたからなぁ。普通にホシノより強いし。
「シロコちゃん、クロコちゃん、今日は勘弁してあげて」
「ん、先輩がそういうなら」
「……仕方ない。私もアルバイトがあるからまた今度」
渋々ながら離してくれた。
力が強い事もあって、背中に胸が当たったとかそんな事を感じている暇すらなかった。むしろ離してくれた事に安堵した。
問題の先送りにしかならないが、本当にどうしよう。先生に相談するか?
「俺もミレニアムに出張だ。行ってくるわ」
「C&Cから?」
「模擬戦依頼。黒シロコ、アルバイト先通るから送ろうか?」
「ん、助かる」
「私も」
「お前は自転車あんだろ。アッチ泊まるから帰り迎えに来れねえぞ。つか何処行く気だよ」
黒シロコに関しては
俺が紹介したとはいえ、今の黒シロコはあの人と相性が良かったのもあって色々と面倒を見てくれている。感謝しかない。
全てに絶望してたあの時と比べたら今の黒シロコの方がいい。現実に馴染めて、笑う事が増えたから。まあまさか自分と俺の取り合いになるとは思わなかったけど。
バイクのヘルメットを黒シロコに投げ渡し、教室を出ようとすると黒シロコは立ち止まって振り返った。
「──フッ」
「…………」
膝を突いて何か後悔しているシロコに対し、ヘルメットを手に黒シロコが勝ち誇った笑みを浮かべてシロコを見下す。それを見たシロコはスン、と感情を削ぎ落としたかのように無表情のまま立て掛けた銃とドローンを手に取った。
「……コロす」
「返り討ち」
「わぁ、自分殺し…って、ちょっ!?」
「バカ、止め──っ!?」
アビドス対策委員の教室一つが吹っ飛んだ。
この後シロコ二人には大量の反省文を、そして俺はとばっちりで先生から説教を食らった。監督不行き届きらしいけどアンタも慕われてる意味で言えば俺より人の事言えねえじゃねえか、と言ったら説教が倍になった。解せぬ。
荒朔ヒビヤ
前世に死んで今世に生まれ直した男。唯一男子生徒でありながらヘイロー持ちで、神秘の総量だけならホシノの次に多い。刀とマシンガンの二刀流で前世の戦闘経験もあって鬼強い。前世バッドエンド世界線にてシロコと叡智しているし、今世のシロコは結構甘やかしている。結果は言わずもがな修羅場勃発であり、二人に手を組まれると逃げられない。どちらのシロコも大切に想っている。
砂狼シロコ
好きと自覚するのが早かった。結構甘やかされている為か、独占欲も強い。自分であろうと先輩を渡す気はない。記憶喪失後のある種の依存もあってかなり重め。最近の趣味は昼寝するヒビヤの隣で寝る事である。因みに先輩が許すのであれば同一人物であるテラーと一緒なのを拒絶はしないつもり。
シロコ*テラー
バドエン世界線にヒビヤと二人でアビドスを守っていたが、ある事件がキッカケで無名の司祭達に唆され、反転化した後にテラー化した影響で、自我を失いかけていた所をヒビヤに助けられたが、あちら側の先生のカードで歪んだ特異点に放り込まれて心が折れていた。この世界でまた出会えて自分を認知している大切な人と出会えているから孤独さはあれど押しつぶされる事はない。ヒビヤとはバドエン世界線で叡智している。
小鳥遊ホシノ
バドエン世界線で自我を失い二人を殺しかけたヒビヤの相棒。ユメ先輩がいなくなってから防御のホシノと攻撃のヒビヤで無双コンビを組んでいたが、借金の事で自分を売り黒服の実験で最悪の未来を辿った。今世では前世と変わらず仲がいいけどよく喧嘩したりする。前世のホシノはヒビヤの事が好きだったらしい。今世のホシノはlikeではあるらしい。ヒビヤの事は気を許せる相棒だと思ってる。
続くかは未定です。
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