なんだかんだ続きました。
目の前で殺そうとした鬼が消えた…何を言ってるのか分からねー(ry…。まぁ十中八九、鳴女の血鬼術だろうな…。
逃してしまったのは痛手だが………待て、どうして下弦でもなかった、ただの鬼を無惨は逃した?
一、逃した鬼を気に入っていた…ただの鬼を無惨が気にいるか?累は例外として、猗窩座クラスの実力と忠誠心でもなければ気に入らないだろう。
二、情報収集…一番あり得ると言えばあり得るか、無惨側からしたら未確認の呼吸になるだろうが、それでも日の呼吸の派生とでも思うのが先の山だろう。
三、有益な血鬼術を持っていた…これも怪しい。下弦落ちした葛鬼を放っておく無惨だからな…鳴女と葛鬼のコンボが揃っていたら多分最終決戦で勝ってたのは無惨だっただろう、あの二人はもはやステージギミックだ。
四、無限城に戦力を集めている…考えたくないが、この線もありえなくない。しかし、鳴女の血鬼術の偵察能力を警戒しているにも関わらず確認していない事から、鬼殺隊に無限城一斉転送が起こる段階でもない。しかし集めたところで、こちらからはどうにもできない
「この中なら"ニ"…ってところか…」
おっといかんいかん、特殊な血鬼術…別の空間と空間を繋げて、人や物を自由に移動させられる可能性を持った血鬼術の使い手の確認を報告せねば…まぁ報告したところで、避けられる様なものではないと思うがね。
◆◆◆
「一つの村が一夜で…って本当なんですか?」
「あぁ…お館様からの確定情報だ」
以前として炎柱の屋敷でお世話になっていて、朝食を食べているところに槇寿郎さんからそう報告された。
「その村に住んでいた農民が昼頃に米を街に卸しに行き、街の知り合いの家に泊まり、次の日の早朝に村に戻ってきた時には、家も何もなく、辺りは更地になっていたのだと…」
「鬼の仕業…ですよね」
「十中八九な…しかしそんな破壊力のある鬼が、今まで退治されていないとなると、新しく発生した鬼か、最近になって力を付けた鬼だろう。上弦の鬼がいきなり活発になったという可能性もあるが…それを踏まえて、この任務は俺とお前に任されることになった」
「…ッ」
俺は息を呑む…初任務の時にあった柱との共同任務、最低クラスが下弦落ち、最悪上弦の鬼との衝突…厳しい任務になりそうだ。
「朝食を食べたら早速行くぞ」
「あらあら、それならお腹いっぱい食べて行かないとね」
朝食の場に似つかわしくない仕事の話だというのに、瑠火さんは槇寿郎さんのお茶碗と俺の空いたお茶碗に笑みを浮かべ、ご飯を盛ってくれた。しかも大盛りだ。
二歳になったばかりの杏寿郎くんの育児で大変だというのに、疲れを見せない、とても強い奥さんだ…早く俺も柱になって、少しでも仕事が少なくなる様に衣食住の恩返ししなくては…。
「條景くんも頑張りなさいよ!」
瑠火さんが俺に発破をかける様に勢いよく背中を叩くが、音がすごい、"バシンッ!"って音が鳴った。
「ゴフッ…ちょ、瑠火さん力強いっす」
「男なんだから弱音吐かないの、それと…ちゃんと帰ってくるのよ」
「ッ!はい!」
あぁ…もう俺もこの家族の輪に入っているんだ…。
この世界に来て一人ぼっちかと思ったが、俺にも帰る場所、護りたい場所が出来たんだ。
◆◆◆
「もし、村を襲った鬼が同じ様に村を襲うなら、山を一つ越えた隣の村ですかね?」
「順当に行くならそうなるが、目撃者を村ごと消そうとする奴が果たして上手く現れるだろうか…」
夜の村を巡回するため、とりあえず二手に別れ、鬼に会ったら大きな土煙を上げて知らせる手筈だ。
槇寿郎さんと別れ、村を半周はしたであろう段階で隣にあった木が音もなく倒れた。
「(…ッ!鬼!敵襲!なんらかの血鬼術!)」
思考を回しながら槇寿郎さんに伝えるため波紋を練る。
「コォォォォ…波紋の呼吸、赫鱗躍動ッ!」
地面に打ちつけた拳は大きな音を立て、ビル数階建ほど高く土煙が舞う。
これで槇寿郎さんにも伝わるだろう…しかし急いで来たとしても五分はかかる距離、俺では荷が重いように感じるが、生憎死ぬ気はないんでね、時間くらいは稼がせてもらうさ。
しかし、警戒を強め、物陰から攻撃をしたであろう位置に当たりをつけ、様子を伺う。
すると、俺の足元の地面が薄く抉られた様な後を残した…。何が起こった…。遠距離から地面を抉る攻撃…俺が先程まで居た近くの木は円形に抉られている。なるほど…。
「チッ!そういう事かよ!」
俺は物陰から姿を表し、動体視力が上がった目で鬼の位置を特定する。
鬼の攻撃は遠距離から打てる空気弾だッ…。しかも厄介なことに射程距離は一キロメートルほど、救いなのは空気弾を打つタイミングはある程度のタイムラグがあり、連射は難しいところ…一、ニ、三、四、五ッ!五秒間隔、奴の攻撃は五秒間隔だ!
動体視力の上がった目なら、空気の揺らぎがわずかに分かる。
後、約三百メートル…。俺は腰に付けてある竹の水筒を両手で挟む。届いたぜ、これがギリギリ届く射程距離。
「コォォォォ…波紋の呼吸、百歛」
水筒の中の水分が加圧され、圧縮しているのが分かる。このまま撃ちこめば、鬼の首は難しくとも胴体に着弾し、波紋の呼吸が触れたことによって、体が崩壊していく…終わりだッ!
「動きを止めたな」
は…え…鬼…何故、どうして?…
鬼の動きは動体視力が上がり、この距離なら一挙手一投足で分かる。鬼は掌を広げたまま腕を振り上げ振り下ろした事だけは分かる。だから回避運動をしながら百歛をした。
まさか…鬼の能力はただの"空気弾"ではなくて…空間削りッ!その能力で俺と奴の間の空間を削り取ったのかッ!
しまった!読み違えた…しかし焦るな、この距離ならまだ立て直せる。体勢を右斜めに倒し、鬼の体が斜めになっている様に見えながら、俺は放つ。
「超新星ッ!」
俺の攻撃と同時に、鬼は円状の空間削り攻撃を行った。
水を加圧する百歛から派生させる技には二種類ある。一つは穿血、水のレーザーは射程距離と初速と切断力に優れる。
そしてもう一つの超新星は、いわゆる散弾、ショットガンの様に加圧した水を前方に破裂させ飛び散らせる技、狙いがついていない現状なら、超新星が有効だと判断した。
「がぁぁぁぁぁ!!!」
俺の超新星は、雄叫びを上げる鬼の半身を破壊し…鬼の攻撃は、俺の
「こンの、餓鬼がッ!!!貴様なんぞが、この俺の馬頭様の体を破壊しおって!あの時も俺様に恐怖を与えやがってッ!その体食い破り!亡骸をズタズタに引き裂いてもこの怒りは治らぬ!」
「コォォォォ…百歛…」
欠損した左腕から滴る血を加圧する。これが初めてやる血を使った本当の百歛かもしれない。波紋によって止血は終わっているが、欠損のダメージのショックで、瞼が重い…足も…動け!もつれている足を動かせ!
「血鬼術!
くっ…まだ加圧が…。すいません、槇寿郎さん…瑠火さん…俺は…。
お疲れ様でした。
主人公のジョジョは死んじゃうんですかね?