楽しんで読んで頂ければ幸いです。
※漢字スキルがクソです。ご了承ください。
「な、なななな…何をやっとんじゃ己はぁ!!??」
分かってはいた。
こんな長い列の真ん前でこんな大声を出せば注目を浴び大量の目線が私に向けられる事くらい。
が、こんな事が起きて叫ばないのはむしろそっちの方がおかしい。
私の横で突っ立っているコイツらだって私が後数秒…イヤ一瞬遅れていたらこうしていただろう。
私は今ここに立っている三人組の気持ちを代表して言ったに過ぎないのだ。
私が今目にしているのは可愛い可愛い…どんな男の前に出しても目を引く、どんな女の前に出しても妬まれる可愛さを持った、色気さを持った…男だ!!!!!!!
「へ?ああ!!ち、違うよ!!違う!!」
ユウは両手を前に付きだしブンブンと降りながら慌てた顔で否定してきた。
その仕草もまた女の子っぽいと言うか、もうコイツ女でいいんじゃないかと思うような…てか最初から女だったんじゃないかと私に考えさせる。
「何が違うんだよ!!お前女装が趣味だったのか!?このオカマ野郎!!!」
「そうよ!!何が違うの!?現に今私達はその姿のあなたを目撃してるんだけど!!」
「今度からお姉ちゃんって呼ぼうかな…。」
ユリカちゃんはともかく私とマキが必死になるのは当然だ。
こんな女しか居ないような中で唯一男のユウに可愛さで女の子として負ける事は、負けを認める事は略死を意味する。
「だからぁ!!とにかくこっち来て!!!」
ユウは少し頬を赤らめながら恥ずかしさを振り払うように大きく私達に向け手招きをし出す。
もう考えるのも嫌だが相変わらずその仕草も可愛いの何のってもう…子犬のようだ。
あれだけ離れた所から大きな声で会話をしたのだ、当然ながら私達に多く集められている視線を気にしながらユウの方へ早足で向かった。
「いったい、どういうことなの!?」
ユウのいるクレープ屋の左横の日陰が出来ている所まで来るとマキは耐えきれないようにユウを問い詰める。
「えっと…何て言うか…お手伝いって言うか…。」
ユウは相変わらずアタフタしている。
お手伝いとはどういう事だろう?
誰かに無理やり着せられたとか今朝の私のように誰かに水をぶっかけられて着る服がこれしかないとか…まぁなんでこの服があったかは疑問になるが、そういう理由なら何とか納得できるものの自分で自ら望んで着たのであれば私はもうコイツを男とは見ないし、見れないだろう。
「お手伝いって何?」
マキはそんなユウをさらに問い詰めていく。
その目はもう、刑事物のドラマとかでよく見る容疑者を問い詰めていく警察の目と何ら変わりはない。
「だ、だからね…?だから…と、トモミぃ!!」
そんなマキの迫力に耐えきれずユウは涙目になりながらトモミの名を呼びクレープ屋の裏辺りに目を向けた。
ユウが何故普通クレープ屋の関係者以外は行くことが無いであろう場所に振り返ったのかは分からないが、とにかくトモミと情けない声を発しながら振り返ったのだ、気になりそっちに目を泳がせてみる。
私がそこに視線を向けると略同時にトモミがクレープ屋の影から顔を出した。何時も通り素っ気ない表情で。
「トモミ!!どういう事なの!?あなたが着せたの!?」
「それはそれでどういう趣味してんだよ…。」
ユウがトモミに助けを求めたのだ、トモミに聞けば何が起こっているかが理解出来ると思い今度はトモミを問い詰めるがトモミは無表情で黙りこくっている。
「トモミ…どうしたの?」
さすがにユウも心配になったのだろう問いかける。
「…は、はずかしい…。」
何時も小さな声だが今回は小さいというより長年吊るんでいる私達でも聞くのは困難なほどの声、分かりやすく言えばアリの歩行音みたいな?
しかしもう、私やマキにとっては声の大きさなど『今私が考えている事はなんでしょう?』なんていうどうでもいい質問なんかよりもどうでもいい。
問題なのは普段はあんなに何を考えているか分からないトモミが今明らかに恥ずかしがっていると分かることだ。
前に立っているユウの両サイドを素早く抜けると私とマキは今までクレープ屋の壁で見えなかったトモミの胴体部分を視界にとらえた。
明るい緑色のフリルがいっぱい付いた服に女子力を高めるミニスカート、まぁユウの色違いである。
「お、お前ら何がしたいんだーー!!!!!」
その声は今日一番の音量でクレープ屋の列から離れていながら今日一番の視線を集めた。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
これからもよろしくお願いします。