※今回も漢字スキルがクソなのでご了承ください。
「…お前ら…少しは遠慮しろよ…人ん家だぞ…?」
チユに手を引かれものすごい速さで階段を降りた私だったが、リビングに入った瞬間その目の前に広がっている信じられない風景を見て、肩の力が一気に抜けてしまった。
そこにあったのは私の家に置いてある、ありとあらゆるスナック菓子をテーブルの隅からすみまで広げ、ムサボリ食っているアホども達の姿。
「もう…おしまいだ…。親に見つかったから殺される…。」
今日は朝からどれ程の絶望を味わったらいいのだろうか…。
足の力が抜け床に膝をつきそのままその場にしゃがみこむ。
「しょうがないでしょ?ミキがいつまでたっても起きてこないんだから。ね?」
私が今にも倒れそうになっていると、メガネをかけたポニーテールの、いかにも頭が良さそうな…実際頭はいいが、虎戌伊(こいぬい)真季(まき)がテーブルの上に広げてあるスナック菓子を口の中に放り込みながら言った。
「そうだね。」
少し赤みがかった髪をツインテールにまとめている女の子、奥原(おくはら)朋美(ともみ)が少し苦笑いしながらそれに続けて言う。
「いつまでたっても起きてこない…?」
どういうことだ…?まだ6時ちょっと過ぎたくらいだぞ…?
なんだ?じゃあコイツらは私が起きるよりもずっと前からここでギャーギャー騒いでたってことか…?
…やめてくれよ…これ以上私ん家の評判が下がったら…。
そうなのだ。毎日のようにコイツらが私の家に来てはバカ騒ぎして帰って行くため、近所の人達からは会うたびに迷惑だ迷惑だと言われている。
にもかかわらず、こんな朝っぱらから…てゆーか深夜から騒がれたときたらもう迷惑どころの話じゃない。
「おしまいだ…。」
今度こそ身体中の力が抜けまるで糸の切れた人形のようにその場に崩れ落ちる。
「ギャー、ミキがミキが倒れたよ!?」
ああ、まるで子犬の様な可愛らしい声が聞こえる。
金井(かない)優(ゆう)の声だ、彼は私の家を荒らしに来るヤツらの中でも唯一の男子だ。
といっても声も体格も顔もまるで女子の様で、私らとからんでいれば絶対に女子に間違われるだろう。
「いいよ、ほっとけそれより早く始めようぜ!!」
倒れている私には少しも興味を示さずにチユがリビングの中に入って行く。
「え?え?だ…大丈夫?」
そんなチユと入れかわるようにユウが私の所まで来て心配そうに私の顔を除きこんできた。
ああ、何て優しいんだ、少し頼りない所は有るが他のバカどもと比べれば何十倍、何百倍も人が出来ている。
第一、彼の優しさが無ければ私は昨日にでも死んでいたのかもしれない。
「大丈夫…ありがとう。」
そんなことを思いながら私はユウに手を引かれて立ち上がる。
「!?」
突然、背筋が凍るような寒気とともに物凄い邪気を纏ったかの様な視線を感じる。
恐る恐るその視線を感じる方へ目をやってみると、まるで肉食動物が獲物をターゲッティングした時のような鋭い目付きでトモミがこちらを…主に私を睨んでいた。
「ああ!違うよ違う!!」
ユウが慌てて私とトモミとの間に入る。
そう、実はこの2人、付き合っているのだ。確か小学校の5、6年の頃から付き合い始めたはずなので少なくとも3年目に突入しているということになる。
私の所には誰かが誰かと付き合い始めたという噂はちょいちょい入りこんで来るが、1年続くこともごくまれだ。
にもかかわらずこの2人は3年間も続いているのだから、その愛は本物なのだろう。
「おいおい、ヤキモチ妬いてんのか?」
面白いので少しちゃかしてみる。
「…妬いてないよ…。」
トモミは顔を真っ赤にしながら下を向いた。
本当に面白い、コイツはこういう話題になるとすぐに今やったようにして話が終わるまで一切口を開かなくなる。これはユウにも同じことだ。
「おーい、まだかよぉ。」
そんなことをやっているとテーブルの方からかなりトーンの低い声が聞こえてきた。
「俺らはこの世界をパッピーで溢れさせなきゃいけないんだぜ?」
またコイツはアホなことを…。まさか本当に出来るとでも思っているのだろうか。
「そうですね!」
「え?もうやるの?」
「ちょっとまってー。」
私以外の3人はそれぞれ思い思いのことを言いながらテーブルの周りに集まって行く。
コイツら全員乗り気かよ…。いったいどうやるってんだか。
「はいはい。」
そしてまた今日も私の長い様な短い様なの1日が始まるのだった。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
よろしければこれからもよろしくお願いします 。