World Happy Project   作:ルクコ

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 今回はマキ視点のお話です。
 楽しんで読んで頂けたら幸いです。


依頼!タダ働き!! 三

 「はぁ、ミキおっそいなぁ…。」 

 

 ミキにクレープを買わせに行かせから結構な時間が経った。

 

 最初の方は店長がオマケしてくれ並ばずに直ぐにでもクレープを持って帰って来るんじゃないかと思いクレープメニューがある場所で立って待っていたのだがどうもそういう訳にはいかなかったらしい。

 

 しょうがないので少女を連れ近くのベンチに腰を下ろし一緒に待つことにしたのだが…遅い…。

 

 思わず口に出してしまう程に。

 

 しかし隣にいる少女は特に疲れたような仕草も飽きたような事も言わずに無表情でミキの帰りを待っているようだ。

 

 「ミキおっそいねぇ、暇えでしょ?…えっと…。」

 

 何かお喋りでもしていればその内来るだろうと思い話しかけた所で私はこの子については何も知らない事に気づく。

 

 名前は勿論、何故一人で要るのか迷子にでもなったのか第一にその服はどうしたか等。

 

 ミキの知り合いかと思っていたがそもそもそれで合っているのだろうか?

 

 人見知りであまり喋らない子…少なくとも私はそう判断し無理に会話して怖がられないようにしてきたが、この際色々聞いてみる事にする。

 

 「…名前は何ていうの?」

 

 普段ミキ達の前では決して見せることはない笑顔で私は訪ねる。

 

 今までどこか遠い所を眺めているようだった少女はその虚ろな目のまま私に顔を向ける。

 

 「なまえ…?」

 

 「うん、名前!私はマキっていうの!」

 

 私の会心の一撃とも言える自己紹介を無表情で受け止め、少女はこちらを見続けている。

 

 やはり人見知りな子だったのか…それとも、何も言わずにこちらを見ているあたり親に『知らない人に着いていっちゃダメよ?』とでも言われ同様しているのだろうか。

 

 ガキとの接し方法はユウと同じかそれ以上だと自分で思っている私でもこの子はちょっと難しいのかもしれない。

 

 「…えっと、お母さんとかお父さんは?はぐれちゃったの?」

 

 諦めずに再度話しかけてみるものの相変わらず少女は無表情のまま私を見つめた後、目線を先ほどのようにクレープ屋の方に戻してしまう。

 

 「あはは…。」

 

 思わず苦笑いをして右手の人差し指で頬を撫でるように上下させる私。

 

 その時だった、少女はその無表情は変えないまま、目線は変えないまま静かにボソリと口を開く。

 

 「お姉ちゃん…探してるんだ…。」

 

 いきなり喋るので少し驚いたがやはりそういう事だったのか。

 

 そりゃこんな込み合っている広場でこんな幼い少女が一人で要るなど有り得ないのだ。私の考えは正しかった。

 

 心の中で一人でに納得する。

 

 「じゃあ、やっぱりはぐれちゃったんだね。どこではぐれちゃったの?」

 

 この子と関わってしまった以上このままクレープだけあげてバイバイという訳にはいかない。

 

 人の常識として一緒に探してやるのが普通だろう…私に常識が語れるかは別として…。

 

 そんな私の考えとは別に少女は私の質問には答える気がないのか口を動かさない。

 

 「えっと…ね…。」

 

 「ボクもう行くね。」

 

 「…え?」

 

 それは私が想像していたいくつかの反応のどれにも含むまれる事はなかった反応だった。

 

 少女はその言葉を言うとほぼ同時にベンチから飛び降り私に背を向け歩いていく。

 

 「ね、ねぇちょっと!」

 

 思わず少女の小さな手をギュッと掴み呼び止める。

 

 その勢いで少女の体は私に正面が向くように半回転した。

 

 「…は?」

 

 少女と目が合った私はそれを見て動揺する。

 

 少女のその無表情の目からは大粒の涙が頬を伝い流れていた。

 

 「…!!!触るな!!!!」

 

 そこで私の記憶が途切れる。

 

 視界が暗く黒く黒く黒く…。

 

 視界が開けた私の目には心配そうに私の顔を除き混むミキの顔が写っており、決して少女の顔が写ることはなかった。




 ここまで読んで頂きありがとうございます。
 これからもよろしくお願いします。
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