毎日が暇ですw
先ほどクレープ作りを手伝ってと言われてから僕はクレープ屋の中で永遠と続くのではないだろうかと思うほど、フルーツやチョコレートなどを切ってきた。
しかし、切っても切っても直ぐにそのフルーツ達はクレープの中に巻かれ無くなってしまう。
勿論、お客様に食べてもらうために切っているのだから全然不思議なことじゃないのだが、なんというか…変な気持ちになるのだ。
「…かわいそう。」
もう、なれた手つきで縦横にフルーツを切り分けながら僕は呟いていた。
「ああ?なんか言ったか!?」
「あ、いえ!なんにも!!」
店長は忙しそうに手早くクレープを包んでいく。
こんなにも人が待っているのだ手を止める訳にはいかないのだろう。
僕もそれに釣られ手を早めた。
…それにしてもこの人は毎日こんな事を一人でしているのだろうか?
今日は人も多い方だし今日は特別?
「休んできな!」
黙々と作業をしていた僕の隣から店長が声をかけてきた。
少し、びっくりしながら僕は振り向くと店長は別に今までとなんら変わらないように忙しそうに手を動かしこっちに目を向けるひまもないように見えた。
「え?だ、大丈夫ですよ!僕は!」
ボーっと作業を続けていたため疲れたように見えてしまったのだろうか?
こんなにも大変そうなのにここで僕が抜けてしまっては店長の作業量が倍になってしまい、効率も悪くなってしまうだろう。
「いいって、いいって!もうじき閉店だしな!」
これまた僕の方には目もくれず言葉だけでそう伝えてくる。
別に疲れているわけでは無いのだが…。
窓から外を見てみても日すら沈みかかっているものの人が減った様子はほとんどない。
こっちの苦労なんかしらずに楽しそうにガヤガヤしている人達が羨ましく思えてきた。
そういえばトモミは何をしているのだろう?
一度様子を見に行ってみようか…。
やはりここはお言葉に甘えることにした僕は店長の横顔を見ながら頭を下げた。
「じゃ、じゃあ一回休んで来まぁす。」
「はいよ!」
店長の返事を聞くと僕は直ぐ後ろにある裏口から外に出た。
今まで中にいたせいか、空が見える事によってもの凄い解放感を感じた僕は少し赤まった空に手を伸ばし大きく伸びをする。
優しく僕の体を包むように吹いてくる風が心地良い。
その場に倒れこんでしまいたい気持ちになるが、下はコンクリートなので直ぐに考えを改める。
それにしてもこの列は一体いつ終わるのだろう?
もう、帰っても良い時間だとは思うのに減ったとはとても思えない。
「ーーー!!!」
僕がクレープ屋の裏から最後尾が見えないような長い長い列を眺めていると、その見ていた方向から何だか突然叫び声のような物が聞こえた。
最初は何だか分からなかったその声はだんだんと近づき、僕の耳にしっかりと届くまでとなった。
「ユウ!はぁ、と、トモミが…!!」
「ど、どうしたの!?」
僕の目の前で膝に手をつきながら列の方を指さす、ユリカちゃん。
かなり全力で走ってきたのだろう。息が上がり上手く喋れていない…が、トモミになにかあったという事だけははっきりと分かった。
僕はユリカちゃんが指している長い人の列に向かって走りだした。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。