これからも頑張っていきます!
人と会話するのはどうも苦手だ。
そもそも会話とはどういう物なのだろう?
心の中で思っていることを、その場にあった適切な言葉を上手い具合につなげていきその場を盛り上げ、相手との仲を深めていくのが会話というものだろうか。
その中には勿論、答えなど無いのであって会話の展開など無限大なのだろう。
…だからこそ困ってしまうのだ。
なぜ答えがないのだ?
答えがあれば私はなんの問題もなくそこまでたどり付き、なんの問題もなく会話を誰よりも上手に面白くして見せる自信がある。
先ほどから私の前ではユリカが左右に揺れながら瞬きをしているかすら分からない動かなくなった私に『おーい!』などと呼び掛けてきている。
たしか…暇だとか言っていた気がする。
では私はユリカにどういう対応をしたらいいのだろう?
やはり暇にならないよう、話相手になってやるのがいいのだろうか?一緒に公園内を散歩してやればいいのだろうか?
…やはり他の所へ行かせこの場を切り抜けるのが一番だろう。
模範回答がなくともその問題から目を背けるのはいたって簡単だ。
「トモミ!!」
今までと比べるとかなりの大音量となったユリカの声が私の耳に飛び込んでくる。
びっくりしたが肩を揺らす間もなく右腕にかなりの重みを感じ、私は右側に一、二歩よろついた後地面に手を付いた。
重さの原因は勿論ユリカである。
多分、私の腕にしがみつきぶら下がりでもしたのだろう。あの力は小学生の腕力とは思えない。
「トモミ!!無視しないでよ!」
倒れている私を見下ろしながらユリカは立っている。
さっきもこんな状態になったが今回は明らかにユリカの様子は違い、腰に手を置き目には力が入っている。
無視…。
私が色々考えてユリカを放置しておいたことだろうか。
今度はユリカの手は借りず、自分だけの力で起き上がる。借りても同じなのだが。
「…えっと。ごめん…。」
とりあえずユリカが怒っているので謝ることにする。
いつも通り少しぎこちない笑みを浮かべる私。
出来るだけ自然な笑顔を作ろうとするがこれもまた難しい。
「やっと喋った!」
私が謝ったからなのか喋ったからなのか、ユリカは今の私の笑顔とは比べ物にならない程のなんとも可愛らしい笑顔で喜んでいるようだ。
ユリカはその笑顔のまま続ける。
「ねぇ、トモミ!私今、暇なの!だからね?なんかしようよ!」
…ユリカは自分が何を言っているか分かっているのだろうか?
少なくとも私には分からなかったし勿論なんて答えたら良いのかも分からない。
なんかとはなんだ?だいたい暇なのは私も一緒なのだ、なので私がユリカにしてやれることは無いと思えるのは私だけなのだろうか?
やはり私の手には負えないように思える。
「…ユウ。」
何となくユウの名前が私の口から滑り落ちてくる。
困ったら直ぐにユウを頼ろうとするのは悪い事なのだろう。
しかし今回ばかりは仕方がない。
「…ユウは?ユウのところに行けば暇ではなくなると思うよ?」
「え、お兄ちゃん?」
ユリカは思ってもない提案だったのだろうか、少し戸惑ったようだが直ぐに腕を組み、考え始める。
考えを完全に傾けるため私はさらに追い討ちをかけていく。
「…ほら、ユウならなんか飲み物とか買ってくれるかもだし…。」
ユリカは眉を歪める。
なんで悩んでいるのだ?完全にいい案だと思うし、迷う点など無いと思うのだが…。
「…そうだね。じゃあ、お兄ちゃんのところ行くよ。」
よく分からないが悩んだ末ユウのところに行くらしい。一安心だ。
手を降りながらユウのいるクレープ屋の近くまで走っていくユリカを見送る。
これで何度目だろう…?
ユウには頼ってばかりな気がする。あの時からずっと…。
突然、物凄い力で付き飛ばされる。
防ぐことなどほぼ不可能だっただろう。
ああ…今日はどれだけ地面に手を付けばいいのだろうか。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。