前までの僕だったら、暇で暇で死んでいましたが今は部活があります!!ww
「とりあえず、死刑で!!」
その小さな男の子ユウは、まるで毎日手入れをかかさないとでも言うようなサラサラでキレイな髪の毛を風で揺らしながら、笑顔でそう告げた。
勿論チンピラ共はこんな状況で声をかけてくる奴など、いないと践んでいたのだろう。少し驚いた顔になりながらその声がする後ろの方に振り返ったが、直ぐにさっきまでのニヤニヤした気持ち悪い顔へ戻った。
「なんだよぉ、これまた可愛い子が来ちまったな。君も俺ん家来たいの?」
なんというか…哀しいやつだ。
あの容姿で間違えないやつの方が珍しいが…なんというか…知ってる私から見たら本物のバカに見える。
…それに。
私はユウの方にもう一度目を向ける。
…ああ、やっぱり。
ユウは自分と比べたら倍に近い体格のチンピラを前に、深くうつ向き両手に拳を震えるほどに握り混んでいた。
「ねぇ、どうなの?」
チンピラはユウの左肩に手をかけ、ユウの身長までしゃがみながらもう一度訪ねる。
一瞬の沈黙、相変わらずチンピラのニヤニヤは止まらず、一層に増してきているようにも見えた。
「…僕って…。」
ユウはうつ向いたまま、自分の左肩にかかっているチンピラの手を握る。
「僕って、そんなに…女の子に見えますか…!!!!???」
ユウが顔を上げる、非常に鈍く低く谺した壊れた木琴の様な音とともに。
「……っっひっ!!!!!」
今までユウの目の前にあったアホ面は何とも言えない情けない声を上げユウから飛び退いた。
信じられないのだろう、私もそうだった。
人間の骨なんて実際、かなり固い物なのだ。
それを片手で、しかもポッキーでも折るかのように握り潰すのだ。
なんのためらいも無く、その全てを貫く冷たい悪魔のような目で。
痛みと驚きと、他色々な感情の中後退りをし始めるチンピラだがその一歩よりも遥かに速いユウの一歩がチンピラの足を踏みつける。
「…へへっ!!」
いつ牙が生えてきてもおかしくない…そんな風に思わせるユウの剥き出しになった歯がギラリと音を立てて光った。
「お前さ、僕の彼女に色々してくれたみたいだけど…なんで血が出てるの???ねぇ、トモミの腕が真っ赤なのは何で???」
ユウはチンピラの足を踏みつけたまま右手に握った拳を後ろへ引いていく。
チンピラはその姿を見てなにも言えないらしい。
蛇に睨まれた蛙。
正にその言葉が相応しい。
「…ねぇ!!!!」
ユウの放った拳が真っ直ぐ、弾丸のようにチンピラの腹部に突き刺さった。
「…ごはっ!!」
本当だったらユウに殴られた哀れなチンピラはその勢いのまま後方へ吹き飛ぶはずだった。本当なら。
しかし、ユウの踏みつけている足がその勢いを殺してしまう。
「まだだよ…まだ重い…!!」
チンピラには既に意識は無く白目を剥いている。
流石に可哀想だがしょうがない、今のユウは誰にも止めれないのだから。
今のユウは獅子でも勝てない…!!!
ユウはチンピラを踏みつけていた足を力を込めたまま半回転させるとともに体を大きく回転させながらもう片方の足を振り上げた。
「これでも、足りない…!!!!」
ユウの放った回し蹴りは綺麗な曲線を描き、チンピラの顔面を捕らえた。
「……!!!!」
チンピラは何も言わずにただ顔面から血を吹き出す。
倒れるしか道は残されていないような状態のチンピラはその場に倒れこむが、それよりも速くにユウの手が服の胸ぐらを掴んでしまう。
「なに楽になろうとしてんだよ…!!!」
ユウの目が黒く暗く、光った。
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