「あのーすいませーん!」
結局こうなるのだ…結局…!!
マキとの会話に理不尽を感じ怒涛の雄叫びを見せた私だったが、あのブタ野郎には紙の一枚すら飛ぶことのないそよ風ほどにしか感じなかったらしい。
少しだけ…一瞬も無いくらいの時間で軽く私を横目で流すと下を向き目を閉じてしまうのだった。
何だかんだ今日は色々やったため多少疲れがたまっているのだろう。
コンクリートの上で寝るくらいだし…。
しかし、私だって疲れているのだ!!
少なくとも私は今日、誰よりも最悪な気持ちで1日を過ごしたはずだ!!
来たくも無い公園に無理矢理連れてこられ、そうかと思えば何の特にもならないお手伝いという名の労働。
一番ダメージが大きな出来事と言ったら、友達とは言い難いアホが一人倒れた感じで寝ていた事だろう。
…その張本人は今また寝てやがる。
もう私は我慢しないのだ!沸いたストレスは直ぐ発散!
近くのあった他のより少しだけ小さい木を思い切り殴り付け、ストレス発…自分の左手を真っ赤になるまで痛め付けた後、激しく方向転換、現在クレープ屋の裏にある[関係者以外立ち入り禁止]的な出入り口に立っている。
来る最中クレープ屋の前に並んでいた、最早少人数になってしまった客を力の限りかき分け、ガン飛ばすという店員あるまじき行為をやってのけたが、もう知らん!別に店員じゃねーし!!
「おー!そろそろ帰るかー?時間も時間だしな。」
私の呼び掛けに対し、質問を察したのか何も言わずとも用件の答えを返してくる店長、流石だ。
しかしまだ客が残っているからなのか顔は出さずに声だけで返してきている。
まぁ、あと少しだし待つ事にする。こんな暗くなってから公園にクレープを買いにくるアホは居ないだろう。
もし、来たとしても全力を注いで追い返してやろう思う。
辺りはもう真っ暗になっていた。
その暗さの中にいくつかの蛍光灯の光がボンヤリと浮き公園の中央に集まるように走っている。
立って待つのもあれなので…と言っても近くはクレープ屋の裏という事もありベンチはない。
マキの所に戻って座るのは何だか時間が無駄な気もするのでその場にしゃがんで待つことにした。
あと…どれくらいだろう…?
周りが真っ暗という事も影響してか、なんだか変な気持ちになる。
私しか居ないような…そんな気持ち。
いや、実際この場には私しか居ないのだから当たり前なのだろうが、なんだろう?そう言うのじゃないのだ。
言ってはカッコ悪いかもしれないが怖い…そんな感じなのかもしれない。
…案外、か弱い所もあるんだよ?そこのキミ、護ってくれてもいいんだぜ!!
「あ、ミキー!なにしてんの?」
まぁ、残念ながら見知らぬ男性が優しく声をかけてくれる、的なアマアマな展開はなく聞き覚えのある声が私の耳に届く。
伏せていた顔を上げるとそこには三人の知っている顔。
なんだか安心してしまうのが悔しいが、まぁ私はか弱いのです!
「ああ、お前らか、もう遅いから帰ろうと思って店長が終わるまで待ってんだよ。」
「ほうほう、つまりミキは僕達を置いて一人で帰りろうとしたんだね?」
なにをしているかと聞かれたから、そのまま答えたというのにコイツは…。
でも、そうじゃないかと聞かれたら何も言えなくなってしまう。
「…さぁ、どうかな?」
少し苦く笑い、私は気のない返事を返した。
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