楽しんで読んで頂ければ幸いです。
※漢字スキルがクソです。ご了承ください。
今、この辺りには音という物は存在しない…いや、それは言い過ぎだが本当にそう思わせるほど、喋り声はもちろん誰かが歩く足音すらも聞こえない。唯一聞こえるとすれば時々この辺りに吹く風くらいだ。
誰もが息を飲み体を硬直させその場を見守る。
…あと5センチ、あと3センチ、あと1センチ…捕まえ…。
「ハッブシッ!!!」
今まで音の無かったこの世界に突然あってはならない雑音が鳴り響く。
その途端今私の指先まで来ていたハムスターは体を180度回転させそのままそっちの方向に走り去ってしまった。
もう一度静まり返った後、その場の視線がまるで全てを貫く槍の如くチユに突き刺さる。
「ありきたりか!バッカヤロー!!!あと少しだっただろ!?空気読めよ!!」
「そうだよ!見てなかったの?」
「わ、悪りぃつい…でも、空気を読んだっちゃ読んだんじゃね?」
チユは皆に攻め立てられ申し訳なさそうに右手を頭の後ろへ回す。
はぁ、あとほんの数ミリだったというのに…このバカがまたやってくれた。
「ま、まぁもう一回探せばいいだろ…はは。」
「もう一回探す?あんたはバカか!あんな小さいのどうやって…今みたいな奇跡はもう起こらないよ?」
マキはかなり頭にきてるのだろう、チユの顔を思いっきり韮目つけながら右足で貧乏揺すりのようなことをしている。
それもそうだろう、もうハムスターは目の前だったのだから。
「ねぇ皆、えっと…まだそんな遠くに行ってはいないだろうし…は、早く探そ?」
私らが揉めていると少し言いにくそうにユリカちゃんが会話に入ってきた。少し涙目に成りながら。
「だって後ほんの僅かだったのよ?ユリカは怒って無いの?」
「…それは…。」
ユリカちゃんは先程家に居たときのように下を向きモジモジとしながら続けた。
「ち、チユも皆も私の為に頑張ってくれてるし…。」
「……。」
ユリカちゃんも本当はチユに怒っているのかもしれない、でもあくまでユリカちゃんは私達にお願いをして手伝って貰っているのだ。
全くそういう所だけしっかりしちゃって…。
「早く探そう!一回見つけたんだから、また見つかるって!」
「…もう、次あんな事したら分かってるわね?チユ。」
「おお、任せとけ!!」
チユはそう言うとユリカちゃんの方へ向き、右手の親指を左胸へとあてた。
「手伝うぜ、お前の幸せの為だからな。」
「…ありがとう。」
ユリカちゃんの顔はさっきより少しだけ楽になったような気がした。
「何カッコつけてんだよ、さっきのはお前のせいだろ。」
「それはすまん…。」
コイツは一体何なのだろう、さっきの失態をもう忘れたのだろうか…。
まぁ、コイツらしい言えばコイツらしいのかな。
「さっさと探そうぜ、ここら辺の草むら漁ってればヒョイと出てくんだろ。」
チユはそう言うと直ぐに全然手入れをされていないだろう、草が隙間なく生い茂るそこを手でかき分けながら捜索に入る。
それに続けて残りのメンバーもその辺り周辺を探し始めた。
ふぅ、また忙しくなりそうだ。
ここまで読んで頂きありがとうございます。
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