STAND BY ME オマえもん   作:NEST中毒者

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※性転換タグを追加しました

あと下ネタやゲイヴンが苦手な人も注意してください。


映画オマえもん イグ太と大豊娘娘軍団(前編)

 

(この辺にいい感じのキャッチコピー)

 

 

 

(この辺にキービジュアル)

 

 

 

 

映画オマえもん

イグ太と

大豊娘娘軍団

 

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LOADSHOW

 

(この辺にクレジット)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「すっげ~!! これが大豊ミュージアムかぁー!!!」

 

 例年通りに、映画恒例のセリフを吐いているこの少年はイグ太くん。探偵だ。

 

 ――――幼馴染で同級生のケイトと遊園地に遊びに行って、怪しげな関係のゲイヴン二人が一緒にジェットコースターに乗っている場面を目撃した。その光景を見るのに夢中になっていた俺は、背後から迫るもう一人のゲイヴンに気付かなかった。

 俺はその男に薬を飲まされ、目が覚めたら――――身体が縮んでしまっていた……!

 逝尻穴(イグアス)が生きていると奴らにバレたらまた尻穴(アヌス)を狙われ、周りの人間に危害が及ぶ。

 ドルマヤン博士の助言で尻を隠すことにした俺は、ケイトに名前を聞かれとっさにイグ太と名乗り、傭兵支援システムをやっているケイトの家に転がり込んだ。

 

「手こずっているようだな……」

「遅かったじゃないか……」

「言葉は不要か……」

 

 この三人はゲド、ジャック、ジョシュア。小さくなった俺の同級生だ。

 こいつらに誘われ、俺達は少年探偵旅団を結成した。

 メンバーにはもう一人、例の組織で主任をしていたヤツがいるが……それについては割愛しよう。

 

 小さくなってもアレは同じ、迷宮なしの名探偵! その名は――――

 

 

 

 

名探偵イグ太

100万人の大豊娘娘

 

 

 

 

 

 

 

 

 ……スクリーンを間違えたようだ。

 改めて、イグ太たち一行は今日、大豊ミュージアムに足を運んでいた。

 

 その経緯は、少し前に遡る。

 

「これが、我らアーキバスの最新イベント『アーキ坊やといっしょ☆ドキドキ再教育ツアー』のチケットです」

 

 いつもの空き地で、ルビコニアンデスワームに腰掛けたスネイル夫が言う。

 その手には3枚のチケット。例のBGMをバックに、スネイル夫の自慢話が始まった。

 

「これは企業の最新技術……その粋を集めた最高のイベントです。アーキ坊やとの握手、アーキ坊やとの写真撮影、アーキ坊やのヒーローショー、アーキ坊や公式グッズストア……そして、最大の見どころはイベント名が示す通り、アーキ坊やが手ずから行う再教育……! ああなんと素晴らしいイベントか!」

 

「は? コーラルでも食ったのかスネイル夫?」

 

「…………なにそれ……何が面白いの……?」

 

 スネイル夫の語る天上の楽園めいた究極のイベント内容に誰もが狂喜乱舞し、感嘆と羨望の大喝采であふれかえる空き地。

 だが、皆が「アーキ坊やといっしょ☆ドキドキ再教育ツアー」を大絶賛する中、ただひとり違った反応を示す者がいた。

 

「うわーん! オマえもーん!!」

 

 それはイグ太だ。

 何を思ったのかは分からないが、彼はのらいぬの制止を振り切って一目散に走り出した。

 

 

 

「もぐもぐ。ほうひはほへふは、ひふはふん」

 

 そして場面は移り変わり、ここはイグ太の自室。

 イグ太がドアを開けると、そこにはおま焼きを頬張るオマえもんが居た。

 

 おま焼きとはその名の通りおま焼きで、誰もがご存知の通りオマえもんの大好物である。

 その知名度たるや、全世界で「オマえもんのおま焼き屋さん物語」がリリースされ、瞬く間に大人気を博すほどのものだ。

 そのおま焼きが、オマえもんの口いっぱいに詰め込まれていた。

 

「はは、はらはふぁはほひふはっはほへふは? ひふはふん」

 

「なんて?」

 

「ひゃっほはらはふぁほひひょふひひふいはほうへふへ、ふははひひへふ」

 

「食べ終わってから喋ってよオマえもん」

 

「ふぁれふぁれはふへへほひょうへいほはへひはひはふ」

 

 中略。

 

 

 

「もぐもぐもぐもぐもぐ……どうしたんですかイグ太くん? おま焼き食べますか?」

 

 しばらくして、ようやくおま焼きを食べ終わったオマえもん。

 

 話は変わるが、オマえもんは高性能な傭兵支援システムなので、人間と同じ物を食べることができる。

 そうして取り込んだ食物は体内でエネルギーに変換され、胸やお腹、二の腕、太もも等に蓄えられるのだ。その証拠にオマえもんは毎日風呂上りに体重計に乗り、エネルギー備蓄量の確認作業に勤しんでいる。なんと画期的な機能だろうか。

 

 閑話休題。

 

「オマえもん、スネイル夫の奴より凄いイベントに行きたいんだ! 何か出して!」

 

「ふふふ、しょうがないですねイグ太くんは……」

 

 いつものセリフを言い放つイグ太に、いつものように胸ポケットをまさぐるオマえもん。

 

「てってれー。『大豊娘娘といっしょ♡ドキドキ樹大枝細ツアーチケット』です」

 

 自信満々に彼女が取り出したのは、しわくちゃになった複数枚のチケットだ。

 そう、オマえもんは先日商店街で福引を引き、このチケットを手に入れた。

 

 そして帰宅したころにはその存在を忘却し、チケットを胸ポケットに入れっぱなしのままスーツを洗濯したのだが、そんなことは些細な問題だ。今オマえもんの手にはチケットが握られている。そしてそこには樹大枝細が秘められていた。それだけで十分なのだ。

 

 

 ――そんなわけで、なんやかんやあっていつものメンバーは大豊ミュージアムにやってきた。

 

「まったく……どうしてアーキバスたる私がこのような斜陽企業の催しなどに……」

 

 いつも通りに毒づいているスネイル夫。

 

「まあたまにはいいじゃないかスネイル夫。アーキバス系のイベントにはいつでも行けるからな、お前の金で」

 

 そのスネイル夫に対してすごく理不尽な台詞を吐いているフロイトアン。

 

「………………」

 

 入り口で配られたパンフレットを無言で眺めているのらいぬ。その表紙には大豊娘娘のイラストが描かれている。

 

「痛い! なんでこんなところにミールワームが落ちてるんですか!!」

 

 なぜか派手に転倒しているオマえもん。

 そこにイグ太を加えた五馬鹿こそ、いつものメンバーであった。

 

「ようこそいらっしゃいました大豊ミュージアムへ。樹大枝細の世界を心ゆくまでお楽しみください」

 

 胡散臭そうな丸眼鏡の案内人に連れられて、五馬鹿はミュージアムの奥へと踏み入っていく。

 

 

 

[かつての大豊の創始者は夢の中で樹大枝細の概念に魅入られ、宇宙を樹大枝細にするべく活動を開始しました]

[彼が発見した大豊統一理論は当時の界隈におけるスタンダードであった超紐水着理論を過去のものにし……]

 

「ねぇオマえもん。これって子ども向けの内容なのかな?」

 

「二重の意味で違うと思います」

 

 

 

[これが大豊の最高傑作と名高い『虎賁』、そしてこれが大豊史上最も不本意な作品と悪名高い『少微』です]

[邪知暴虐のミシガンによる卑劣な脅迫は、我らの理念に真っ向から反する武器の制作を強要したのです! こんな非道が許されるのでしょうか?]

 

「なんてひどい話なんだ……お前もそう思うよな? スネイル夫」

 

「……貴方よりはマシなのでは? フロイトアン」

 

 

[そしてこれが、大豊の精神を体現したといっても過言ではない樹大枝細の化身! 大豊娘娘です!!]

[やはり大きければ大きいほどいい! この真理に勝るものが果たして存在するのでしょうか? いやあり得ない!]

 

「…………………………………」

 

 

 

 数々の展示と、ウィットに富んだ音声案内。

 各々は思い思いに樹大枝細なミュージアムを楽しんでいた。

 

 だが、その時事件は起きる。

 

「そんな! 私は企業だぞ――――!!」

 

 ミュージアム内に響き渡る叫び声。

 誰のものなのかは明白だ。おそらくそれを聞いた全人類がスネイル夫の断末魔であると確信するだろう。

 

「スネイル夫……トイレに行くと言っていたが、まさか……」

 

 フロイトアンを先頭に、スネイル夫の悲鳴が聞こえたトイレに向かう一行。

 のらいぬも普通についてきているが、気にしてはいけない。

 

「これは…………」

 

 そこで、彼らは衝撃の光景を目にした。

 

 なんと――――スネイル夫は、大豊娘娘になっていたのである。

 

 身長は若干縮み、髪は長く伸び、肌はきめ細かさを増している。

 だがそんなことは些細な変化であると言わざるを得ないだろう。何よりも注目すべきはその身体、シルエットの変化だった。

 

 それはまさしく樹大枝細を体現していた。

 大きくすべきところははち切れんばかりに大きく、細くすべきところは一切の無駄なく細い。言うなればオマえもんとのらいぬの良いとこ取りだ。 

 

 その上、ご丁寧なことに服までもが変化している。

 元々着ていた企業そのものであることを誇示するような高級スーツの面影を残しつつも、自身が大豊娘娘であるとこれ以上なく主張するかのような露出度の高いコスチュームへと変化しているのだ。

 例えばネクタイ。意匠そのものは残っているが、それにもはや礼服としての面影はなく、ただ単に胸部の凹凸を強調するだけのパーツへとなり果てている。

 例えばスラックス。こちらはほとんど原型を留めておらず、えぐい丈とスリットによってひたすら肉感的な脚線美へと視線を誘導するだけの布切れと化していた。

 

 清潔感と高級感にあふれた服装に身を包み、企業そのものとして傲慢に人々を見下すスネイル夫の姿はそこにはない。むしろ逆だ。煽情的――――いや、いっそ下品ですらあるコスチュームで身体を着飾り、そこに立っているだけで自動的に周囲へ媚を振り撒く。それが今のスネイル夫だった。

 

「馬鹿な! この私が、こんな――――!」

 

 当然声も変化しており、もはや完全に原型を保っているのはメガネくらいの物だ。

 

 いまや彼……いや彼女はV.Ⅱであり企業そのものでありメガネであり大豊娘娘であり樹大枝細の体現者でもある。属性の積載超過でクイックブーストすらままならないだろう。

 

「ス、スネイル夫……?」

 

 変わり果ててしまった友人の姿に動揺を覚えるイグ太。だがその一方で彼の本能が視線を勝手に動かし、樹大枝細を目で追ってしまった。

 

「……イグ太さんのえっち」

 

 その背後では、のらいぬがイグ太を見つめている。だが往年の暴力系ヒロインにしては珍しいことに、それ以上のことはしなかった。

 

「どうしたスネイル夫……いやスネイル子? まあいいや、何か変な物でも食ったのか?」

 

「こ、こっちを見るなフロイトアン! 見ないで……!」

 

 一方、いつもと変わらない様子で話しかけるフロイトアンと、それに対して謎の感情を覚えているスネイル夫。すでに肉体の変化に引きずられて精神にも変調が起きているが、本人は気付いていないようだ。 

 さて、既に地獄絵図めいた状況が展開されているが、悪いニュースはさらに続く。

 

「た、大変です! 外が!」

 

 声の主は、唯一トイレに入ってこなかったオマえもんだ。変わり果てたスネイル夫に対抗しうる程の樹大枝細(自前)を揺らしつつ、息を切らして駆け込んで来た。

 

「外が大変なんです! 大豊娘娘が、大豊娘娘が――――」

 

 そこまで口にしたオマえもんは、スネイル夫の姿を見て何かを察したようだ。

 

「……ついてきてください」

 

 いつになく重い足取りで、皆を外に連れ出すオマえもん。

 ミュージアムの外に出て街を一望すれば、そこに広がっている光景は――――

 

「樹大枝細よ、大豊娘娘と共にあれ……」

「ああ、俺も大豊娘娘に…………」

「盛った胸を、なぜ縮める必要がある? こうして私の胸囲は拡大していくのだ……!」

 

 ――――見渡す限り、大豊娘娘で溢れかえっていた。

 

 誰も彼もが樹大枝細で、誰も彼もが凄い露出度のコスチュームで街を闊歩している。

 嫌でも察するだろう。スネイル夫に起きたことが、少なくともこの一帯の全員に対して起こっているのだと。

 

「うっ……ううっ……」

 

「あれは…………」

 

 そんな最中、イグ太が何かを見つけた。

 誰もが大豊娘娘となって樹大枝細を見せつけている中、一つだけうずくまっている人影があったのだ。

 

 大豊娘娘化を免れた生き残りかもしれない――そう思ったイグ太は駆け寄る。

 だがその希望はあっけなく打ち砕かれた。

 

「ううっ……B.XCIX(バスト・ナインティナイン)…………! 悪くない気分だ……!」

 

 生存者かと思われたそれも、大豊娘娘に過ぎなかったようだ。

 彼だったのかもしれない彼女は樹大枝細な各部位を揺らして走り去っていく。

 

 

 もはや結論は一つしかなかった。

 この町の人すべてが、大豊娘娘になってしまったのだ。おそらく、ほんの一握りを除いて。

 

「……世界じゅうが大豊娘娘に堕ちたら、この世の終わりですよ!」

 

 オマえもんが叫んだ。

 彼女の言う通り、全人類が大豊娘娘になることは即ち人類の破滅を意味する。

 

 果たして、イグ太らは大豊娘娘になることなく生き残れるのか。

 果たして、スネイル夫は元に戻ることが出来るのか。

 

 果たして、名探偵イグ太はこの事件の黒幕を見つけ出すことが出来るのか。

 

 後半へ続く――――!

 

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