祝、人気投票二位
最後の鬼が討伐された、日の事……。
竈門黒曜が最後の鬼を討伐し、その場を立ち去った後。
後に残された鬼の残骸である塵、それが僅かに蠢いた。
そこから突然、ギョロリと目玉が飛び出したのだ。
「……いねぇ……いねえいねえ!」
キョロキョロと周囲を見渡した目玉は、周囲に誰もいない事を確認すると歓喜の声をあげた。
辛うじて生き残った、と。
あのバケモノから逃れた、と。
「よし、よしよしよし!」
目玉に張り付いていくように、顔と頭が再生していく。
うじゅりうじゅりと気色の悪い音をたて、その鬼は死んだふりをやめた。
間一髪だった、あの老人の鬼狩りが死にかけでギリギリ助かった。
鬼は胸を撫で下ろしながら、幸運に感謝した。
元より、まともに戦って勝てる気はしなかった。
あの鬼狩りに、今まで幾匹もの自分より遥かに強い鬼を殺されていたのだから。
故に待った、待って待って待って……奴が死ぬまで待った。
残念ながら、最後の最後に見付かってしまったものの……賭けに勝ったのだ。
衰えたあの鬼狩りでは、鬼の死の偽装を見破る事が出来なかった。
鬼は体を再生させながら、生きている事を確かめるように拳を握り締めた。
「ざまぁみやがれ!あのクソジジイが!
今度こそ、お前が死ぬまで隠れきってやる!
その後は……人間食いまくり、鬼増やしまくりのパーティタイムの始まりだ!」
鬼は、歯を剥き出しに、ダラダラと涎を垂らして、壮絶な笑みを浮かべていた。
もう少しで、甘美な、最高の未来が来ると疑っていなかった。
キラッ
そんな鬼の視界の端で、何かが煌めいた。
「ん?何……」
鬼が正体を確かめようと視線を向けた、その瞬間だった。
バキインッ!
「が」
鬼は、体の全てを氷に包まれていた。
体を動かす事は疎か、声を出す事すら出来ない。
死んだふりの為に、殆ど死んでいた鬼の再生したばかりの体では、厚く体に張り付いた氷を、砕く事は出来なかった。
「……やっと、隙が出来た」
じゃり、と地面を踏み締める音と、声がした。
鬼は、唯一僅かに動く目玉でそのほうを見れば……そこには人影が一つ。
ヒラヒラと鉄扇を扇ぎ、笑みを浮かべた男の姿があった。
左目はなく大きく抉れ、左の長袖はひらひらと風に揺れている。
足も悪いのか片足を引き摺るように歩いていた。
見るからに満身創痍の男は、満足げに微笑んだ。
パチン
男は鉄扇を閉じ、鬼を指し示す。
「ずっと見ていたよ。警戒心が強すぎてなかなか手を出せなかったけど……漸く終わりに出来そうだ」
鬼は、その男を見て悲鳴をあげたかった。
全てが凍り付いた身では、それすら叶わない。
血を被ったような特徴的な髪に、虹色の瞳……そして、その瞳に刻まれた、『弐』の文字……。
(じゅ、十二鬼月……!?生き残りがいたのかよ……!?)
鬼は知っていた。
かつて存在した鬼の始祖、それに仕える桁違いに強いバケモノの鬼達の存在を。
瞳に数字が刻まれた鬼達の存在を。
(鬼殺隊と衝突して、全員死んだんじゃなかったのかよ……!)
自分のような好きに生きるはぐれ鬼にとっては、鬼殺隊と同じくらいに会いたくない存在だった。
鬼の始祖が生きている頃は、はぐれ鬼に対して配下に下るようにとの要請があり、断ったりした悪辣な鬼等はその場で処断される、等といった事も珍しくなかった。
目の前の十二鬼月の姿はボロボロだったが……少なくとも今、鬼にとって最悪の相手だった。
既にその態度から、鬼にとって都合の良い相手ではないとわかってしまったのだから。
「さて……それじゃ行こうか」
十二鬼月の男は、凍らせた鬼を片手で抱えると、ゆっくりと歩き始める。
何処へ、と戸惑う間も無く、進む先に明るんできた明け方の空が見えて、鬼は声無き悲鳴をあげる。
(ふ、ふざけるな!何故太陽に向かう!?死ぬつもりか!?)
鬼はもがく。
何故だと、折角バケモノから生き残ったのにと。
(離せ!クソ!バケモノめ!)
びくともしない氷を恨めしそうに睨むも、現実は変わらない。
朝陽が辺りを照らし始め、いよいよもって鬼は自らの命が脅かされている事を感じていた。
「……おお、綺麗な朝陽だなぁ、君もそう思うだろう?」
その時、山あいから顔を出した朝陽が、鬼を捉えた。
顔を青ざめさせる鬼に対し、十二鬼月の男は顔色一つ変えず、微笑みすら浮かべていた。
(い、いやだ!折角生きられると思ったのに!)
鬼は動かぬ体でもがく。
死にたくない、死にたくないと叫びながら。
(死にたくない!死にたくない!
俺はこれからは人を好きに食って、好きに配下作って!
好き勝手に、俺の好きなように生きるんだ!
もう俺の邪魔をする奴はいなくなるのに!
こいつが仕えてた無惨はとっくに死んでるってのに!
こんな、亡霊みたいな奴のせいで死にたくない!)
顔を出した朝陽が、身動き一つとれない、鬼を照らす。
世に蔓延っていた最後の悪鬼を、容赦なく。
「もう充分好き勝手生きただろう。もう、おやすみ」
(勝手な事言いやがって!
俺は、こんなところで死にたくな―――)
「ぎゃっ」
それが、鬼の最後の言葉だった。
氷の中、太陽に照らされた鬼は、そのまま塵に還っていった。
ただ欲望のままに生き、生きる為にあらゆる物を犠牲に生き残り続けた、卑劣な悪鬼の、呆気ない最期だった。
それを見届けた十二鬼月の鬼……かつての上弦の弐、童磨は、ニコリと微笑んだ。
「やっと……終われるなぁ……」
そう呟いた童磨は、抱えていた塵のついた氷を放り、自らをも照らそうとする朝陽に向かい合った。
チリ、と照らされた箇所が消滅していくのを感じなから、それでもなお、童磨はそのまま、笑顔のままだった。
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俺が目を覚ました時、全ては終わっていた。
お守り代わりにと伊之助につけてた結晶ノ御子は砕かれていて、俺が封印していた鬼の黒曜は人に戻り……無惨様も、皆も、俺以外誰一人として鬼は存在していなかった。
封印から目を覚ました、黒曜という鬼と戦い……俺はズタボロにされた。
正直死んだと思っていたのだけど、どうやら辛うじて生きていたらしい。
気付いた時は地中深くで五体不満足な状態だった。
どうにか右腕と両足を再生して地上へと向かって……そうして、俺はひとりぼっちになってしまった事を突き付けられたんだ。
苦しかった、悔しかった、辛かった……悲しかった。
大好きだったみんながいなくなって、もう会えないとわかって、もう話せないのだと知って、気が狂いそうだった。
万世極楽教に戻れば、俺を慕ってくれている信者が迎えてくれたかもしれない。
けれど、あんな所、もうどうでも良かった。
無惨様達の為のていの良い食糧庫以上の意味を持たないあんな場所、皆がいなくなった今、心底どうでも良い。
……でも、じゃあ何処に行けば良いんだろうな……?
俺は……帰る場所がわからなくなっていた。
何をすれば良いのか、どうすれば良いのか。
教祖として生きて、無惨様の配下として生きて、それ以外の生き方を知らない俺は、途方に暮れていた。
こんな時、普通なら無惨様達を殺した鬼殺隊に仇討ちだと嘯いて復讐したりなんかするのかもしれないけれど、そんな気にはとてもなれなかった。
俺をズタボロにした黒曜に対して思う事もないし、無惨様に引導を渡した炭治郎という子にも、憎しみはない……と思う。
逆に俺が痛め付けた柱達に思う所もないし……精々伊之助が幸せになれば良いと思ってるくらいだ。
『悲しい』という感情を理解しても、やっぱり俺は何処か壊れているんだろうな。
まぁでも、壊れてて良かった。
誰であろう無惨様本人がきっと、
ならどうするか、どうしたいのか……山奥で暫く一人で考え込んでも、答えは見付からなかった。
気分転換に伊之助の様子をひっそりと伺いに行くくらいで、後はただ一人でぼーっと過ごす日々だった。
今まで毎日、日々何かしらし続けていた俺の人生の中で、初めての何もしない日々だった。
抜け殻のような有り様で、ただ日々を過ごしていた。
黒曜にズタボロにされて目覚めた後、俺は俺の中の無惨様の血が僅かしか残されていない事に気付いていた。
血鬼術は以前とは比べようもなく弱体化して、左目と左腕は再生しないまま、脚は思うように動かなかった。
ただ、便利な事もあった。
そのお陰なのか、俺の纏う雰囲気……空気?
それは普通の鬼からすればかけ離れた物になっていたみたいだ。
十二鬼月は皆、無惨様の血を沢山頂いていたから、鬼として、生物として強い空気を醸し出しているらしい。
野性味が強い生物はそれを感じ取ってしまうし、勘の良い人間でも察する事がある、みたい。
それこそ伊之助には前までの俺なら、近付いただけで気付かれてもおかしくなかった。
けれど、今の俺は随分と弱々しいみたいで、野生生物なんかも俺から逃げ出したりしない。
だから……随分と動物達と触れあうことが出来た。
ふわふわでもふもふで、ごわごわでべたべたしていた。
今まで感じた事のない、穏やかな時間がゆっくりと流れていた。
自然と頬がひきつる感覚がして、何もしてないけれど、良い時間だったと……そう思う。
ただ、そろそろ身の振り方を考えるべきだと、そう思った。
もう、俺が守りたかった人達はいないし、既に家族を持った伊之助はもう俺が守る存在じゃない。
見守りこそするけど、姿を現す気はまったくなかった。
かと言って、やっぱり時間が経っても復讐する気なんて起きなかったし、万世極楽教は風の噂で壊滅したと聞いたし、人を食いたいとも思わない。
このまま朽ちるのも良いかもしれないと考えながら、身を潜めていた山奥への帰路についていた時だった。
無惨様の支配下にいなかった鬼を、発見した。
その鬼は、今にも青年に噛みつく寸前といった様子だった。
ああ、そういえば野良の鬼はまだいるんだなと、何処か他人事のように感じて……無防備なその首を鉄扇で斬り落とした。
「……ぐぁ?」
間抜けな声を漏らした首は地面を転がり、俺はそのまま首の断面へと血鬼術を放った。
以前程の出力はないけれど、内側からならガチガチに凍らせる程度の事は出来る。
ピキピキと音をたてて動きを止める鬼の体を、青年から引き剥がす。
鬼はどうやら理性の薄いタイプのようで、がうがうと意味のない声をあげ続けていた。
それがまた耳障りで、首も凍らせてやった。
こいつから感じる無惨様の血はあまりにも薄く、腐ってるような気がするから、いらない。
後はこのまま、朝まで放置していれば太陽が照らしてくれる事だろう。
「ふぅ……助かって良かったね。人気のない夜道には鬼が出るから気を付けなよ?それじゃ……」
俺はそれだけ言って去るつもりだった。
俺自身も鬼だし、よく見たらバレるかもしれない……傍目から見て変な術を使ってる自覚もあるしね。
それでバレて鬼殺隊を呼ばれても面白くない……そう考えての行動だった。
「あっ……あの……!」
「……また鬼に会わないとも限らないよ、急いで帰ったほうが……」
背を向けた俺に、青年は何か言いたげに言葉を濁した。
……何を言いたいかは知らないけど、ここからさっさと離れて欲しいな……。
半ば呆れながら振り返った俺の目に飛び込んできたのは。
「助けてくれて、ありがとう!」
青年の、満面の笑みだった。
ぽわ……
その時俺は……胸に温もりを、言葉にならない温かさを……
礼をしたい、させてくれと五月蝿い青年をどうにか振り切った後。
俺は、世に蔓延る鬼を、自分なりの方法で対処する事に決めた。
無惨様もきっと、それを望んでいると思ったから。
何より、俺がしたいと思ったから。
人は、醜い。
心も力も体も弱いし、直ぐに死ぬし……悪いことが起きればすぐに他のせいにする。
生きるためには平気で他者を犠牲にして、自分はそうならないと盲目的に信じていて、愚かさに限りがない。
そんな醜い人間達に配慮するなんて、無惨様は優しすぎるとずっと不満だった。
こんな奴等さっさと滅ぼせば、無惨様が苦悩する事もないのにと思った事は、一度や二度じゃない。
けど、けど……そう、無惨様の言う通りだった。
俺が見てきたのは所詮、一部の人間達だけなんだ。
そんな中でも琴葉に出会えたのに……あんな人間がいると知れたのに、突然の別れがあまりにも辛くて、俺は自分で、いつの間にか得ていた感情に蓋をしていたんだ。
尊いと……慈しむ心……。
人が見せる、その命の輝き……。
一度色眼鏡を外せば、鬼殺隊の在り方も今更ながら、眩しく映る。
そんな人を、目が潰れてしまうような輝きを放つ人を、無為に殺す鬼は……生きてちゃいけないんだ。
パチン
残ったこの命、未だに蔓延る鬼を滅ぼす為に使おう。
きっと、俺がやらなきゃいけない事で……。
「……俺が、やりたいと思った事なんだ」
無惨様、俺は……無惨様程まで甘くは考えられません。
それでも、人を滅ぼして良いとは思わなくなりました。
人の時折見せる輝き……たかが礼を一つ言われたくらいで容易く心変わりだなんて軽い奴だと、猗窩座殿は笑うかなぁ?
黒死牟殿は無反応かな、鳴女殿は苦笑いして、それでも頷いてくれそうだ。
無惨様は……『お前が決めた事なら』って言って、微笑んで見守ってくださるだろう。
……うん、やろう。
それがきっと、俺が生き延びた理由なんだろう。
以前とは比べるべくもなく弱くなった俺だけど……。
「上弦の弐、童磨として……鬼の首魁、鬼舞辻無惨様の配下として……最後の使命を果たそう」
そう決めた。
無惨様配下の、最後の鬼として……務めを果たそう。
鬼は、生きてちゃいけない生物だ。
俺も、含めて、ね。
それから俺は、世に潜む鬼達を探し続けた。
その殆どは鬼殺隊に捕捉され、いずれは討伐されただろうけど、その間に引き起こされる悲劇を無視して良い理由にはならない。
鬼殺隊だって、無敵じゃないだろうからね……ま、人間をあんまり信用してないとも言えるけど。
兎に角まぁ、俺は俺なりに鬼を倒す手助けをし始めた。
見つけた鬼の情報をそれとなく流してみたり、鬼と戦っている時にそれとなく手助けしてみたり……。
俺自身が鬼の不意をついて倒す事もあったかな。
俺は、休む間も無く鬼を倒す為に動き続ける日々を過ごした。
やることなんて他には伊之助の様子を見るくらいしかなかったし……伊之助が亡くなってからはそれすらなくなったから、より一層時間を費やした。
そうして……生き残っている鬼はあと一匹、という所まで追い詰めた。
けどこの鬼がなかなか曲者で、警戒心が強く身を隠すのが上手くて、鬼殺隊ですら鬼は滅ぼしたと判断して規模を縮小し始めてしまったくらいだ。
必要になればいくらでも他者を犠牲に自分だけは生き残り、ひたすらに身を隠す卑怯な鬼だったけれど、一度奴に気付かれてしまえば倒す機会は訪れないだろう。
俺は、慎重に慎重に奴を探しだした。
絶対に気付かれないように、気取られないように。
既に体を為していない鬼殺隊にダメ元で情報を送って……少しでも奴の隙が出来ればと思っていたのだけど……。
まさかの、人間で未だに最も強いだろう黒曜が討伐に来てくれた。
しわくちゃのお爺さんになっていたけど、技の冴えとバケモノっぷりは変わらず、奴をちゃーんと一度斬ってくれた。
そうしたら後は俺の役目だ。
死を偽装する血鬼術を持った鬼が再生した所を細胞一つ残さず凍り付かせ、日の下に差し出した。
……同時に、俺の体も限界を迎えて、崩壊を始めた。
日に照らされている事もあるけど、まぁ、人を食わず、無理をし続けた身で、むしろよく保ったと思うよ。
「あは……太陽、明るくて綺麗だな」
山あいから俺を照らす朝陽は、とても綺麗だった。
日に照らされた部分が焼けて、塵に還っていく。
……不思議と、熱いというより、暖かくて、心地良いと思えた。
まるで……そう、抱き締められてるみたいに。
無惨様に抱き締められた事は、昨日の事みたいに思い出せる。
それとよく似ていたと思う。
「無惨様……みんな……終わったよ……」
鬼は、滅ぶ。
この世に蔓延っていた鬼は、一匹残らず討たれた。
後は、俺が消滅すれば……終わりだ。
唯一の憂いがなくなり、伊之助の……琴葉の命も繋がっていったのを見る事が出来て……俺は満足だ。
精々青葉が山奥での生活に憧れを抱きすぎていたのが、心配なくらいかな……?
まぁ、それも青葉の人生だ、後は彼が自分自身で決める事だろう。
過去の亡霊で異物である俺は、それに関与する事はない。
好きなように、後悔なく……幸せに生きると良い……青葉。
俺は、君の幸せを心から願っているよ。
カシャン
ぼろりと崩れた右手から、ずっと愛用していた鉄扇が零れ落ちた。
もうそろそろ……限界か。
俺は最後に、自然と笑みを浮かべていた。
温かな日差しに照らされて、その身を燃やしながら、それでも俺は笑い続けた。
俺には笑顔が似合うよ、きっとみんなそう思ってくれてた。
大好きだったみんな、俺もそろそろそっちに行くよ。
無惨様は、みんなは、俺を褒めてくれるかなぁ……?
俺の人生は、俺という存在は、すごく歪んだものだったけれど。
それでも俺は幸せだった。
幸せ者だった。
無惨様に出会えて……本当に良かった。
空っぽな俺に……無惨様達は……愛を与えてくれた。
琴葉達は俺に、愛を教えてくれた。
愛に殉じる、か……はは、ちょっとだけ、人間っぽいかもしれないな。
「ああ、良い、人生だった!」
そう言い切った瞬間に、俺の体はぼろりと崩れた。
……ほわほわ……するなぁ……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……?てつの、せんす……?
んー……なんか、カッコいい!もらっちゃおう!」
「青葉ー?そろそろ帰るよー?」
「はーい!おか、むきゃっ!」
「あらら、また転んだの?大丈夫?」
「あうぅうううう……」
「ほら、泣かないで?おんぶしてあげるから」
「え、うん!やった!」
「もう、現金なんだから。
あら?それ扇かしら?どうしたのそれ?」
「ひろった!ぼくの!」
誤字報告ありがとうございます。
修正しました。