俺は『強さ』に憧れた。
アニメに特撮、漫画にゲーム、格闘技と色々なものに触れた結果だ。
そして『空手』を習い、才能にも恵まれ都大会で優勝さえした。今後は総合格闘技の方面に向けて頑張ろうと思っていたが……。
少し前に外国発祥の感染症にかかって入院。そして……。
「(もし、生まれ変われたら次は……)」
暇つぶしに呼んでいた転生物のように異世界に転生する事を夢想しつつ、俺は18才の生涯を終え……。
「おぎゃあおぎゃあ」
「生まれて来てくれてありがとう、シド」
「我が家にも男の子が」
「わたしはおねえちゃんのくれあよ」
俺は異世界にてカゲノー男爵家の長男で長女であるクレア・カゲノーの弟ことシド・カゲノーとして生まれつつ、衝動のようなものが駆け巡り、意識を無視して体が産声を上げたのである。
「(この力は……)」
そして、周囲に漂う転生前の世界では感じ取れなかった何らかの力が大気中、この世界での父親である坊主頭で厳つい体格のオトン・カゲノーに黒い長髪で中々に美しい母親のオカン・カゲノー、そして将来美人として成長するだろう2才年上の姉で黒い長髪で凛々しい美少女のクレア・カゲノーの3人からそして、自分の体内でも感じ取れた。
この力こそ『魔力』である。
もっとも使い方としては魔法や魔術のために使うというより、武侠物で出てくる『気功』のような使い方だ。
この異世界では魔力を用いて自分の身体能力を強化し、あるいは自分の負傷を治療、あるいは体内の臓器などを弄ったりもできる。更には物体に込める事で強度を強化など応用性には優れている。
赤子の時から意識を持っていて『魔力』を操れたので転生前に見た武侠物の『気功』の使い方を参考に制御法や魔力量を増やす鍛錬を成長し、動けるようになるまで続けた。
因みに魔力を使って戦う『魔剣士』というのがこの異世界にはいて、俺が生まれたカゲノー家もこの魔剣士を輩出する家系である。
領地としてるのは辺境の街であるが……。
ともかく、動ける年齢になると6才になり、魔剣士になるための鍛錬を父からつけられるクレアの様子を観察しながら、夜中に部屋を抜け出して屋敷の中庭で魔力を練り上げ、巡らせて身体機能を活性化するとともに強化しながら習っていた空手の型稽古を始める。
そして型稽古を終えると少し休憩し、次は訓練用の木剣を持つ。
「うっ!! 伝導性が悪いな、だからこそ良く魔力を練り上げないと駄目か……」
物体に魔力を込めるのは体で練り上げるより苦労するのを実感しながら、剣術の基本である振り上げからの振り下ろしをし続けながら、魔力を練り上げては体内にて巡らせ、剣に込める。
「(今度こそ、強くなり続けてやる)」
シド・カゲノーとなった転生者は前の世界では敵わなかった強さの探求に励むのであった……。
前のやつは別人にしようとして結局、原作のシドになってしまったのでやり直します。