シドは『聖地リンドブルム』では女神の試練に参加し、見事にクリアした。続けて今年は自分が属するミドガル王国において国内外の魔剣士を集めての武闘大会である『ブシン祭』において優勝した。
学生としても偉大な成績を収めた夏休みも終わり、ミドガル王国の王都内にある『魔剣士学園』では二学期の始業式が始まったのだ。
「では、この夏休み……リンドブルムでは学生の身でありながら『女神の試練』をクリアし、『ブシン祭』では優勝は勿論、初代ブシン祭の優勝者である『武神』、ベアトリクス様に勝つと様々な武勇伝を刻んでみせたシド・カゲノー君、前へ」
「はい」
魔剣士学園創設以来、学生の身分で凄まじい武勇を発揮してみせたシドを讃えるために表彰する事となり、シドは名を呼ばれ、そうして表彰状と偉大な成績を発揮した者を讃える勲章を贈られた。
その後、学生に教師達から声と拍手で更に讃えられていく。
こうして、始業式は終わり……。
「良し、今のうちに逃げるぞ」
「ええ、シド君に見つからないうちに豪遊しましょう」
ヒョロは『ブシン祭』においてシドの試合においての賭けでシド側に賭けた事で大儲けしている。その儲けで豪遊しようとジャガを誘っていた。
始業式が終わると今日はそれで学業は終了なのでシドが自分達に接触して何かをしようとする前に帰っていく生徒達に混じって逃走を開始する。
こうして、見事に学校から出る事が出来た。
「良し、後は街に繰り出せば……」
「派手に遊ぶだけです」
『ふふふふふふふ』
自分達の目論見が上手くいきそうなのもあって、ヒョロとジャガはご機嫌であり、笑っていた。
「なんだ、随分と楽しそうだな。これは二人とも、夏休みも息抜きしながら、しっかり勉強して、鍛錬していたんだろう……さあ、その成果を見せてもらおうか?」
『――』
無論、シドがヒョロとジャガの二人を見逃す訳はない。二人の居場所をしっかり把握していたので不意打ち気味に二人の前に姿を見せて言葉をかけた。
「い、いや今からお、俺達は……」
「授業は無いですし……」
「問答無用っ!!」
『うわあああああっ!!』
なんとか逃げようとするヒョロとジャガへとシドは迫り、捕らえた。
そうして……。
「さあ、かかって来い。手加減してやるから俺に掠りでも一撃当てたら解放してやるぞ」
「良し、それなら」
「やってやれない事は無い」
シドが刃を潰した剣を左一本で持ちながら構えるのを見て、ヒョロにジャガはんとしても解放してもらおうとし、シドへと向かっていく。
しかして……。
「全然、成長していないどころか滅茶苦茶弱くなっているとは……おかげで調教のやり直しだ。今までよりきついからな、覚悟しろっ!!」
『ぎぃやああああああああっ!!』
傷だらけでぼろ雑巾になっているヒョロとジャガは一学期の時に鍛えている時よりも劣化していた。そう、怠けていたのだ。こうして、シドは二人を更に激しく鍛え直し、態度も真面目にするという調教を激しくしていく事を宣言し、二人は絶望の悲鳴を上げるのであった……。