強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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百七話

 

 シドはクレアとミツゴシ商会グループの高級レストランでブシン祭の優勝を祝う祝勝会をし、姉弟水入らずの二人にとって楽しい時間を過ごした。

 

 まあ、シドとクレアは正直、普通の姉弟の関係では無いが……。

 

 そうして楽しい気分で魔剣士学園の寮に帰り始めたシドとクレアだが、その途中、吸血鬼に力を与える『赤い月』が訪れようとしている影響で吸血鬼が動いているのかグールが人を襲っているのを目撃した。

 

 グールは吸血鬼に血を吸われた人間が理性を失い、人を喰らう怪物になるのである。とはいえ、グール化の原理は『悪魔憑き』のそれに酷似しているのでシドは治療を行ってグールを人間に戻したのだ。

 

 そして、騎士団にグールから人間に戻った青年の保護を頼んだのである。

 

 その後は寮にある自分の部屋に戻って眠りに着いた。

 

 祝勝会の中でシドはクレアから秋休みに無法都市に行って、復活しようとしている吸血鬼の始祖である血の女王と女王の眷属であるクリムゾン達全ての吸血鬼を討伐するという周辺国が出した魔剣士ギルドの討伐依頼のそれに参加しようと言われている。

 

 なのでその時を待ちつつ……。

 

 

 

「ほらほら、もっとだもっと強くなれるぞ。じゃないと死ぬぞ……安心しろ、決してそんなことはもうしないだろうが短い秋休みで訓練や勉強を怠けてても問題無くらい、死ぬほど鍛えてやるし賢くしてやるから」

 

 

「ぐ、ぐわああっ、そ、そんなぁぁ……」

 

「し、死ぬ……死んでしまいますぅぅぅぅ」

 

「大丈夫だ。死んでも生き返らせてやる。弱くて馬鹿な己を殺して強く賢い自分に生まれ変われ」

 

『んな無茶なぁぁぁぁぁっ!!』

 

「無茶じゃない。絶対にやり遂げられるんだからなぁっ!!」

 

『うぐわあああああっ!!』

 

 ヒョロとジャガへの鍛錬と勉強は絶対にやるし、毎日厳しく指導する事で断末魔の叫びを上げ続けさせたのだった。

 

 

 

 そして、ミツゴシ商会にある『シャドウ・ガーディアン』の部屋内にて……。

 

 「改めて言うが無法都市内にある『紅の塔』で目覚めようとしている血の女王やその眷属の吸血鬼の討伐に姉さんと参加する」

 

『はっ!!』

 

 シドの言葉にユキメ達、『シャドウ・ガーディアン』に所属する者達は頷く。

 

 「リリム、フミカ、エレナ……紅の塔への潜入と僕と姉さんのサポート頼むよ」

 

『分かりました』

 

 シドはある程度の潜入能力と戦闘能力に優れた者達を選ぶ事で紅の塔に秘蔵されている資料や宝の入手を任せた。

 

 『紅の塔』においてはクリムゾンが主に使えるアーティファクトなどを収集している事を掴んでいる。それ以外にも金やらなんやらいろんな物資を入手している事、自分たち関係の書物を集めている事もだ。

 

 そうした使える物を入手するためにシドはシャドウ・ガーディアンの皆に仕事を頼んだのであった……。

 

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