強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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百十一話

 

 シドは奴隷として買ったクイントンとゴルドーを連れながら、クレアと共に『血の女王』討伐のための魔剣士を集めている魔剣士協会の拠点へと向かう。

 

 ミドガル王国で夏に開催された『ブシン祭』にて優勝し、更に初代優勝者であるベアトリクスにも勝利したシドの参入は魔剣士協会の者達と協会の求めに応じた魔剣士達から喜ばれた。

 

 当然、『紅の塔』にいる『血の女王』と吸血鬼をどう攻略するかの話し合いをする。

 

「まず、一番の問題がある。『赤き月』だ」

 

『赤き月?』

 

「最近、月が赤くなってきているだろう。大昔にも同じように月が赤くなったときがある」

 

 シドはそうして赤き月の事を血の女王討伐に集まっている魔剣士達に説明する。

 

 完全に赤い月が夜空に君臨すると吸血鬼達は狂暴になり、戦闘能力も激上していく。厄介なものなのだと……。

 

「凶悪となり、強力となった吸血鬼は厄介なのは勿論、吸血鬼に吸血されてグールになった者も赤き月の影響を受けるからこれも厄介だ。だからまずは無法都市の市民を避難させた方が良い」

 

 シドは吸血鬼を相手取る上での懸念を話していく。

 

「そうは言っても、無法都市の住人がそう簡単に指示を聞くとは……」

 

「それについては心配するな……実は『黒の塔』の主、ジャガノートとは交流があってな。避難に協力させるよ」

 

 質問してきた者にシドはそう、答える。

 

「赤き月もしばらくの間抑える魔力による技を開発しているからそれでいける。ともかく、避難と街を魔剣士協会に任せる」

 

 魔剣士協会の職員達に黒の塔の者と無法都市の住人の避難、街の防衛をシドは頼み、クイントンとゴルドーを含めて教会の求めに応じて集まった魔剣士達を率いて『紅の塔』を襲撃する作戦で行くと言った。

 

 そうして、まずは黒の塔の近くと魔剣士協会の拠点を避難所に定めつつ、10人の避難を始めさせる。

 

「いよいよだな」

 

「ええ」

 

 避難が進んでいく中でシドとクレアは言葉を交わしていく。

 

 そして夜になっていき、紅の塔を攻める部隊の準備が進んでいく。

 

「良し、いくぞ……ふっ!!」

 

 シドは掌に魔力を超圧縮して小さな魔力の塊を出現させる。直後、それを月に向かって投擲した。それは月の近くまで飛んでいくと魔力の塊は爆発し、強烈な爆光が生じる。

 

 その爆光が月を包み、赤き月は魔力のフィルターに包まれたのであった。

 

「これでしばらく、吸血鬼は赤き月の恩恵を得られない。じゃあ、吸血鬼の討伐と行こうか」

 

『おおおおおっ!!』

 

 シドの声に魔剣士達はそれぞれ、武器を掲げて応じるのであった……。

 

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