強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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百十二話

 

 シドとクレアは『無法都市』の魔剣士協会へと行き、『血の女王』討伐依頼に加わる事を伝えると魔剣士協会の者達、討伐依頼に加わる魔剣士達から歓迎された。

 

 特にシドは『女神の試練』を突破した上、『ブシン祭』で優勝し、更にはブシン祭の初代優勝者で今でも『武神』としてその名を轟かせているベアトリクスに勝っているのもあって歓迎された。

 

 そうして今回の依頼における総指揮官を任されたので、『黒の塔』との関係を明かしつつ、協力して無法都市の住人を避難させる事から始めた。

 

 無論、暴れるグールの被害に遭わないようにする事と吸血鬼によって、グールを増やさないようにするためだ。

 

 また、避難の過程で……。

 

「う、嘘だぁぁ、あ、あれだけあった金がぁぁ……」

 

「こ、ここの人達、滅茶苦茶強いですぅ」

 

 ブシン祭にて、シドの試合に賭け続けた事で大儲けした金を使ってこの無法都市の娼館で楽しみ、童貞を卒業しようとしていたヒョロとジャガは金をスられてしまった。

 

 なんとか、スった相手を探そうとしたが数人に囲まれ、暴行されると持ち物全てを盗られて地面に転がされるという悲惨な目に遭わされてしまったのであった。

 

 「(自業自得だ、馬鹿め)」

 

 遠くから避難所でめそめそしている二人を見つつ、シドは溜息を吐いた。

 

 そうして、住民の避難を終わらせると夜になったので姉であるクレア、奴隷として購入したゴルドーとクイントン、血の女王討伐に参加する腕に自信のある魔剣士達、そして、『黒の塔』の者達と『紅の塔』へと向かう。

 

 今日の夜、『赤き月』は正しく真の力を発揮する日だったが、シドは魔力のフィルターで赤き月の効果を防いだ。

 

「おおおっ!!」

 

「ふっ!!」

 

 無法都市より外の者をグールにしていた吸血鬼達がグールを率いて攻めかかってきたが、シドは剣を舞わせて切り裂いていく。

 

「よう、シド・カゲノー」

 

「こんばんは、ジャガノート」

 

 途中でジャガノートと合流しながら塔へと進んでいき……。

 

「ヒヒヒ、まずはお前からだぁぁぁっ!!」

 

「何がだ?」

 

 紅の塔の門番は実力を見定め、自分より弱い奴を殺すのを楽しんでいた。シドはそんな門番、『白い悪魔』の性質を一目で見抜くと自分を弱い者として偽り、攻めかかって来た『白い悪魔』を一瞬で切断した。

 

「今から、吸血鬼の根城に乗り込む。皆、血を吸われないように気をつけろよ。グールになられると面倒だ」

 

 シドはグール化にだけは気をつけるように言い、皆で紅の塔の中へと入ったのであった……。

 

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