シドとクレア達、『血の女王』討伐依頼をこなそうとする魔剣士部隊に無法都市にて傭兵及び娼館の経営をしているジャガノート率いる『黒の塔』の者達は『血の女王』とその眷属の吸血鬼がいる『紅の塔』へと踏み込んだ。
「しっ!!」
「はっ!!」
「はっ、大した事ねぇなぁっ!!」
そうしてシドとクレアにジャガノートは先陣を切って、襲い来る吸血鬼とグールを斬滅していく。
「おのれ、今日は『赤き月』が輝いているのに……」
「前までは力が漲っていたのにッ!!」
吸血鬼は『赤き月』が訪れつつある日々で力が漲っていたのにそれが無くなった事に戸惑っていた。
無論、それはシドが自分の魔力で赤き月にフィルターをして抑えたからである。
だが、その事を吸血鬼が分かるわけも無いし、なまじ『赤き月』は普通に君臨しているので混乱と戸惑いが大きい。
シド達が攻め寄せてきたので相手をしているが、魔力で超効率的な強化をしながら、消耗を抑えながらも鋭く流麗な剣閃乱舞を繰り出し、吸血鬼にグールを屠りながら進んでいくシドとクレアに巨大な鉈のような鉄塊を振るって、暴威を持って吸血鬼とグールを蹂躙するジャガノートには敵わなかった。
「あの三人に続けぇッ!!」
「せめて背中を守るくらいの活躍はしようぜぇぇッ!!」
その三人に勇姿に続くクイントンにゴルドー達、腕に自信のある魔剣士達とジャガノートの配下で『黒の塔』の傭兵達が更に吸血鬼とグールを屠っていく。
こうして『紅の塔』を進みつつ、シドとクレアにジャガノートの三人は先行していき……。
「待った……出て来いよ」
シドがクレアとジャガノートを静止して物陰に声をかけると……。
「気づかれるとは……流石は噂に名高い『超越武神』か」
物陰から綺麗に輝く赤の長髪につばの広い帽子を被り、漆黒で装飾もされている衣服、腰には剣を佩いた女性が現れた。
「お前は『最古のヴァンパイアハンター』メアリーだな?」
シドは『シャドウ・ガーディアン』の調査でメアリーの存在と彼女が抱えている秘密も知っていた。その上で密かに行った魔力探知で彼女も吸血鬼である事を確認する。
「私の事を知っているとは……」
「まあ、情報収集には力を入れているんでね。俺達もお前もある程度、目的は一緒だ。協力出来ると思うが?」
「そうだな、良いだろう」
シドがメアリーに協力を持ち掛けるとメアリーは少し考え、頷く事で四人で先を進んでいく。
「それにしても良くここに入れたな?」
「紅の塔には侵入路を掘っておいたんだ」
「流石だな」
先を進みながら、シドはメアリーとそんな会話を交わしたのであった……。