シドにクレアとジャガノートの三人とシド達と手を組んだメアリーは現時点で『紅の塔』の吸血鬼達を率いているクリムゾンの部屋に辿り着き、クリムゾンと対峙した。
シドは吸血鬼達に力を与える『赤き月』の力を封じた。更に血の女王を復活させるための贄も用意させないように働きかけたし、勿論、グールの軍勢を増やさせるような事も防いだ。
つまり、後はクリムゾンを倒すだけだったのだが、なんとクリムゾンはおそらく、無法都市にいる吸血鬼を実験対象として確保しようとした『ディアボロス教団』の者が持っていたのだろう、『ディアボロスの雫』と自らの身を捧げる事でエリザベートは復活してしまった。
「やるぞ」
シドは掌より、魔力の閃光を発し、それでクレアとジャガノート、メアリーの身体を包む。
「相変わらず、シドは魔力でとんでもない事が出来るのね」
「こいつは良い」
「噂以上だな」
クレアとジャガノート、メアリーがシドの魔力によって力が凄まじい領域で引き上げられ、しかも精神的に安定しているのを感じる。
シドが超強化を施したのだ。
そうして、エリザベートは全身から大量の血の触手を放つ。
「ふっ!!」
シドは剣を舞い躍らせると空間すら断裂する剣閃を放ち、幾多もの触手を切断して間隙を生み出す。
「今っ!!」
「おらあっ!!」
「しっ!!」
その間隙にクレアとジャガノート、メアリーが突撃して攻撃を加えるが……。
「硬っ!!」
「鎧は伊達じゃねえって事かよっ!!」
「くっ!!」
エリザベートの纏っている生体鎧の硬さは半端じゃ無く、クレアニジャガノートとメアリーの攻撃は通用しなかった。
そうして反撃しようとして……。
「しいっ!!」
シドはエリザベートが反撃する瞬間の隙に衝け込む事で空間を断裂する斬閃を至近距離にて炸裂させる事でエリザベートの身体を鎧ごと切り裂く。
エリザベートから鮮血が飛び散りつつ、それがエリザベートの肉体を形成して複数の分身を生み出す。
「吸血鬼の始祖だけはあるな」
エリザベートは血の鎌を作り出し、あるいは爪を伸ばし、血の触手を出して積極的にシドを狙っていく。
「やるな」
シドはその数多の攻撃を剣閃を舞い躍らせる事で切り裂き、あるいは打ち弾き、回避しつつ、反撃の戦舞を披露する。
これにより、エリザベートはその身を切り刻まれるが直ぐに再生するため、効果を成していなかった。
「これは本気でやった方が良さそうだっ!!」
そう言うとシドは魔力で超強化した打撃の舞で上空へとエリザベートとその分身体を打ち上げたのであった……。