ミドガル王国他、この大陸中の国で『ミツゴシ商会』は商売をしている。ミツゴシ商会は『シャドウ・ガーディアン』にとって活動資金や色んな貴族との繋がり、情報網を作るための物である。
他の大商会の多くが『ディアボロス教団』と繋がっているため、その対抗手段として用意した物である。
シャドウ・ガーディアンの本拠である『古都 アレクサンドリア』にはカカオやコーヒーノキの農園がある。
この大陸においてはカカオやコーヒーノキは『アレクサンドリア』にしか無いのでチョコやコーヒー、ココアなどそうした嗜好品は『ミツゴシ商会』は独占しながらの商売ができる。
また、良い質の素材を持つ強力な魔物を倒し、その素材を収穫して加工して色んな商品も生み出せるのである。
またほかにもミツゴシ商会は紙幣も生み出している。それまでミドガル王国は貨幣経済だったのだがミツゴシ商会は経営している『ミツゴシ銀行』にてお金との引換券として紙幣を出した。
ミツゴシ商会グループで使うと割引やおまけをつけて紙幣の取り扱いを始めたのである。
これはミドガル王国の国民達に受け入れられた。貨幣は色々かさばるが紙幣においてはそうならない。
利便性は喜ばれ、こうしてミドガル王国内で紙幣経済は誕生した。
「ようやく対抗してきたようだな」
シドは千ゼニー札を見て呟く。その紙幣は最近、大商会連合が発行した新札である。そして一気に新札を出回らせようと大商会連合はバーゲンを開始したのだ。
「技術の差は歴然だがな」
大商会連合による新札は派手で豪華ながらざっくりとしたデザインである。
ミツゴシ銀行の紙幣には通し番号に透かしがある。無論、偽造対策だ。
だが、大商会連合の紙幣には通し番号はあれど透かしが無く、デザインも細かくない。
「紙幣を作る時に気を付けなければならない事が出来ていないなぁ。まあ、ちゃんとした知識が無いのなら無理も無いが……」
ミツゴシ銀行による紙幣は当然ながら雑学として紙幣の知識を持っていたシドがユキメ達と相談し、色々思考錯誤しながら作った物である。
だからこそ、紙幣経済に介入しようとして焦っていた大商会連合は雑な作りの紙幣しか作れなかったようだ。
「まあ、この時を待っていたんだがな」
シドは大商会連合が新紙幣を生み出すのを待っていた。雑な作りしか出来ないだろうというのも想定していた。
「さあ、偽札の用意だ」
こうして大商会連合の経済を終わらせるべく、大商会連合の紙幣の偽札を作り始めるのであった……。