強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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十三話

 

 全部族を纏めて大英雄シヴァが亡くなり、戦乱が巻き起こった『獣人の国』。

 

 カゲノー家の領地と国境が近いのもあってか争いに負けた獣人がカゲノー領へと逃げながら、難民になるだけならまだしも野盗となったりしたそれを目撃する事が多くなったのでシドは実戦経験を多く積めるので『修行(実はシドの中では第一の目的)』がてら戦乱を鎮圧し、その中で出来る事なら獣人達と良い関係を結べるようにしようと置き手紙を残してシドは獣人の国へと旅に出たのだ。

 

結果としては大成功だが、一時的にでも自分が獣人たちを纏める王にまでなるのは予想外であった。今も立場としては盟主で王に近いそれになっているが……。

 

ともかく、シドは置き手紙に書いたように獣人の国へと向かった一年後、カゲノー領に獣人の国側の大使兼シドの世話係としてユキメにサラとリリム他、複数の獣人たちを伴って帰還した。

 

  そうして……。

 

「シド……シド、好き……大好き……もう二度と勝手に離れたりしないでね。そんな事したら追いかけて連れ戻して束縛してやるんだから」

 

「うあっ、くふっ、んん……わ、分かったよ姉さん……うく」

 

 シドが一度離れたが故かクレアに戻って来たシドに対し積極的に触れたり、口づけしたりするようになったし寝るときなど常に一緒の行動をするよう事をシドが勝手に旅をした罰として言い渡し、シドはそれを了承するしか無かった。

 

「うん、やっぱりシドは良い子ね……ふふ、お母様から習ったマッサージはどう?」

 

「ふぅ、き、気持ち良いよ」

 

 更にクレアはシドが旅に出ている間、母から男を虜に出来る魔力を用いたマッサージを習ってもいた。それを万全に発揮した事でシドは気持ち良さに蕩けていく。

 

 抵抗しようと思えば無論出来る。しかし、そんな事をすればクレアがどうするかは彼女の言葉に込められた意思から容易に推測でき、彼女の自分に対する想いを甘く見て、旅に出た自分の不手際であるので甘んじてクレアを受け入れ、彼女の気の済むようにした。

 

 だが、シドが旅に出た事で彼に対し、感情を強めたのはクレアだけでなく……。

 

「どうでしょうか、シドさん。私の制服姿は?」

 

 アイリスは今年で十五才であり、この世界では学生として通う事になる年齢。ある日、シドを呼び出した彼女は制服姿をシドへと見せた。

 

「はい、とても良くお似合いで魅力的ですよ……本当にそう思っています」

 

「ふふ、良かった。本当はいの一番に見せたかったんですよ」

 

「う、そ、それはすみません」

 

「いえ、シドさんも領民のために頑張っていたんですし仕方ありません。只、相談というか一言は欲しかったです」

 

 アイリスは言いながら、シドへと近づき……。

 

「シドさん、大好きです。愛しています。貴方が旅に出てからずっと考えて私、やっぱりシドさんの事が大好きなんだって再確認しました。貴方なら立場としてもお父様や国の皆が認めるだけのものになるでしょうし、幾らでも待っていますから……んちゅ」

 

「うむ……」

 

 シドを抱き締めると自らの想いを言葉で伝えると共に口づけでも伝えたのであった。

 

 

 

 そして、更に……。

 

「シド、私達と付き合えるだけの功績を積むのは良いけど勝手にいなくなったりしないで……不安になるの、それくらい私も貴方の事が好きなのよ」

 

 アレクシアも又、シドに想いを伝える。一度離れた事で勝手にいなくならないようにクレアと共に想いを正直に伝えるようになったのである。

 

「あ、ありがとう。嬉しいよ、アレクシア」

 

「ええ、でも次離れたら……」

 

「分かってる、もう二度としない。それだけは約束するよ」

 

「信じてるわよ、ん」

 

 そうして、シドはアレクシアを抱き締め合いながら口づけにて誓いを交わした。

 

 

 

「シド君、お疲れ様でした。それにしても獣人たちの盟主になるなんてやはり凄いですね」

 

「俺も驚いてますよ。とにかく、これからも頑張っていこうと思います」

 

「はい、頑張ってください。私もシド君を支えられるように頑張りますから……愛しています」

 

「うむ……」

 

 ローズも又、シドに対し積極的に想いを伝えるようになっており、そうして彼を抱き締めながら口づけを交わす。

 

 

 

 

「ふふ、私達も負けてられないわ」

 

「サラだってボスの事が大好きなのですー!!」

 

「私も好きです、主様」

 

 ユキメにサラ、リリムも又シドへと想いを伝えつつ、口づけや抱き締めたり、触ったりする。

 

 しかもクレアにアイリス、アレクシアにローズらとシドを想う者どうしで交流し、関係を深めたりもするようになったのであった……。

 

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