シドはカゲノー領付近の廃村をアジトとして盗賊団を討伐に行くと商隊を襲っていて、複数の荷台を手に入れた事を祝っていた。全て真っ向から討伐したシドは荷台の中身を確認すれば、〈悪魔憑き〉の状態が進行して肉塊となったものを発見。
肉塊となった原因である暴走している魔力をスライムをも使って、シドが緻密に制御する事で抑制しながら、肉体を治療する事で肉塊はエルフの少女として再生した。
彼女にシドはレイと名付け、自分の下で保護した。
「シド、私は貴方の力になりたい」
「お前がそうしたいなら、そうすればいい。ただ、俺から戦いは奪うなよ。俺はそれが好きなんだ」
「分かったわ」
そう、会話を交わすとレイは積極的に行動し始めあ。
エルフは早熟な種族だという特徴があるが、レイはその中でも飛び抜けているのだろう……。
ちょっと、シドから戦い方に魔力制御を教えられれば、その直後に吸収して凄まじい速さで実力を成長させていくし、書類仕事を教えればやはり、身に着けてサポートが出来るようになっていった。
リリムも天賦というに相応しい程に才能豊富で戦闘力も知識も優れていて書類仕事も出来る。ただ、猫系獣人の特徴が故か飽きっぽく集中力が持続しない欠点がある。
レイにはそうした欠点が無かった。そうして、一か月戦闘の鍛錬と書類仕事を手伝いながら、知識をつけていくと……。
「シド……戦力を揃える当てがあるんだけど、良い?」
「ああ、良いぞ」
レイはそう言って、シドを案内していく事で大なり小なり、〈悪魔憑き〉のエルフたちに会わせて治療をしてもらった。しっかりとシドの治療法を見ながら……その結果……。
「シド様、レイ様……ありがとうございます。助けてもらった恩はしっかりと返させてもらいます」
短い銀髪に美しい容姿、年齢にしては発育の良いスタイルをしたシドから彼女が本が好きという特徴から『フミカ』という名を貰ったエルフの少女がまず、仲間となった。
フミカはレイのような飛び抜けた才能は持っていないが、しかし欠点は無く、どの分野においても十分にやってのける能力を持っていた。
言うなれば『堅実』である。
「嘘、私……元に戻ってる……ありがとうございます、本当に……」
次に仲間になったエルフは藍色の長い髪でやはり、容姿端麗なエルフの少女であり彼女はシドが月夜に出会った事もあって、藍色と月から因んで女性らしく『アイム』と名付ける。
アイムの頭脳はレイすら超えている程のものだが代わりに運動神経が壊滅的であった。肉体の性能や魔力などはむしろ、優れているのにだ。
なのでスライムのオーバーボディを利用し、スライムで体を動かすというやり方を教える事で度々、転ぶというアイムの欠点は解消されレイにもフミカにも負けないエルフが誕生した。
「ほ、本当に治ってる……や、やったぁ。ありがとうございます」
そして、次は水色の長い髪をツインテールにしたやはり、美しい容姿でスレンダーなエルフの少女でシドは彼女の令嬢的な優雅な雰囲気に因んで『エレナ』と名付けた。
レイにフミカ、アイム程ではないにしろ彼女も十分に優秀な能力であり、スライムのオーバーボディ技術に興味を示し、魔力制御の技術を磨く事に精を出し始めた。
フミカのスタイルを気にし始めているのもあってなんとなく察したシドはエレナをある日、呼び……。
「俺にとっては今のエレナも魅力的だ。愛しているよ……皆がいるから、一番とは言ってやれないが」
「いえ、こうしていただけるだけで幸せです」
エレナの体を抱き締めながら、首元などに口づけし囁いてやればエレナはシドに身体を預けつつ、満足気に言う。
その日以降、エレナはフミカを敵視する事は無くなった。
「凄い、どうやって治したの……」
そうして、彼女に次に仲間になったのは紫色の長い髪で容姿端麗なエルフ、開発も含めて様々な分野の化学と研究が好きで頭脳も中々だが、マイペースという特徴に妹分染みて面倒を見てやらなければ駄目だという気分を持たせる事から『マイ』と名付けられたエルフの少女。
しかしてマイは頭脳だけではなく、それなりに戦闘も出来るしスライム操作が楽だからとその方面の技術をも次々と習得している。
ともかくとしてシドはレイとの出会いを契機にフミカにアイム、エレナにマイと優秀なエルフの少女たちを仲間にしたのであった……。
この作品においてはアルファは『レイ』、ベータは『フミカ』、ガンマは『アイム』、イプシロンは『エレナ』、イータは『マイ』という名前をそれぞれ手にしています。