この世界においてどんな国も無視できない程の権威と勢力を有する『聖教』。
その下部組織であり、『異端審問』を担当しつつ〈悪魔憑き〉を排除している『テンプラー』のリーダーにして聖女と呼ばれるウィクトーリアをシドは仲間にし、後の者は皆殺しにし、シャドウガーディアンや獣人の国の者とすげ替えさせる事でそっくりそのまま、『テンプラー』を自分の物とした。
『テンプラー』が有する『異端審問』の権利は『ディアボロス教団』ですら逆らえない物である。
更に〈悪魔憑き〉で実験をしたい『ディアボロス教団』にとっては即座に〈悪魔憑き〉を始末する『テンプラー』は厄介の種だ。
なにより『テンプラー』を乗っ取れば、『聖教』を通じて『ディアボロス教団』の情報を手に入れられるのでシドはそうしたのだ。
それから少しして……。
「ニコレッタ嬢が……そうか」
「うん、確かに確認したよ」
諜報活動をしているリリムはとある薬品店で魔力痕跡を消す薬が大量に購入されている事を掴んだ。購入したのはミドガル王国の侯爵家の一つであるマルケス侯爵家であった。
マルケス侯爵家は優秀な魔剣士を代々、輩出している名家で特に尋問官や潜入捜査官の分野において定評がある。
浮気現場の証拠隠滅などあらゆる可能性を考えつつもリリムは忍び込んでみればなんと邸宅の地下で〈悪魔憑き〉としての症状を発症した令嬢であるニコレッタ・マルケスが幽閉されていたのだ。
『ディアボロス教団』の手の者と協力しているようで警備は厳重で当然、強力な『ディアボロス・チルドレン』の者が警備の代表者となっているとの事だ。
「ニコレッタ・マルケスとは知り合いでもある。行くか……良くやったぞ、リリム」
「うん」
シドは何回か、マルケス家のパーティなどに招かれているしニコレッタとも会っている。よってすぐに助ける事を決めるとリリムを褒めつつ、頭を撫で回せばリリムは凄く幸せだという表情を浮かべ、更に尻尾も激しく動かすのであった。
そうして……。
「ふっ!!」
「がばっ!?」
「ぐおっ!!」
マルケス家の邸宅の地下へと本気の戦闘スタイルである黒獅子の騎士としての姿で忍び込むと警護をしていた『ディアボロス教団』の者たちに対して壮絶なる武威と魔性の如き輝きすら持つ超常なる戦技の結晶、手足を用いた戦舞にて粉砕していく。
「はははは、良いなぁ……つまらん任務を押し付けられたと思っていたがとんでもない相手が現れてくれたぜぇぇっ!!」
大刀を持った『ディアボロス・チルドレン』の1stに属する男がバトラブはシドの実力を喜びながら、立ちはだかる。
「来るか?」
「おうともよぉっ!!」
シドの誘いにバトラブは魔力を激しく噴出しながら、一気に加速して突撃する。
「おおっ!!」
「しっ!!」
そうして、バトラブの剣閃とシドの拳撃が三度激突し……。
「お、おぉ……こんなにも強いか」
大刀が砕け散るのを見ながら、バトラブは瞠目する。
「お前も中々だったぞ、じゃあな」
「ああ」
シドがバトラブに告げるとバトラブは笑みを浮かべ、直後、シドの蹴撃によって腹部を破砕させられながら死体は吹っ飛び転がった。
そして……。
「久しぶりです、ニコレッタ」
「あ、貴方はシド君……」
長いダークブラウンの髪を有する美しき少女のニコレッタへ呼びかければニコレッタは苦しげな様子ながらもシドが現れた事に驚く。
「ええ、助けに来ました」
「んう、こ、これは……な、治って!?」
シドはすぐに<悪魔憑き>の症状の治療をし、ニコレッタは治療された事に驚愕する。
「実は貴女と同じ〈悪魔憑き〉を保護している。色々と事情も説明するから来て欲しい」
「……分かりました」
そうしてシドはニコレッタを牢屋から解放し、『シャドウガーディアン』の元へと連れて行くのだった。
その後……。
「本当のお手柄だったぞ、リリム」
「ふや、んひゅ、あ、うふ、んんっ、お役に立てて良かったぁ、ぁふ……」
シドはリリムに対して沢山の愛と快楽を与えて蕩かせ続け、リリムを満足させ続けたのであった……。