強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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三十一話

 

 ベガルタ帝国東部に位置する海運都市である『マドリー』。

 

 かつてはナール川を利用していた海運業によって繁栄していたのだが百年前に『害竜マラク』という再生能力に優れた竜の存在によって海運が途絶えて過疎化した。

 

 マイの地質調査によればこの『マドリー』には油田がある可能性を有しているのだが、実地調査に向かったアイムとマイは『マラク』を倒す事は出来たが、殺せはしないのでどうにもならないと撤退している。

 

 折角、ベガルタ帝国に足を運んだのと『マラク』に興味を持ったシドは戦ってみる事にした。

 

 七武剣の頂点にいてディアボロス教団の幹部の一人でもあるセルゲイがこのマラクを定期的に討伐していると報告を聞いたからだ。

 

 ついでにマラク討伐をしに行くついでにサラが本拠地内で狩りの欲求が溜まっているとの事で解消するために一緒に向かう事にした。

 

 

 

「多分、この反応だな」

 

「ん、妙な気配を感じるのです」

 

 特異な気配を察し、シドとサラはその場へと向かって行き……。

 

『ギシャアアアッ!!』

 

 巨体に鱗、角や尻尾を有し蜥蜴に似た姿と確かに竜だが、知能が低いのが見てとれるしずんぐりむっくりな姿にギョロ目なマラクが何体かいた。

 

「(残念過ぎるな……これでしぶといのか)」

 

 シドはマラクの姿に少し残念な物を感じた。

 

 

「とはいえ、戦うか」

 

「狩ってやるのです」

 

 そうして、シドはサラと共にマラクへと向かって行き……。

 

 

 

「まずは確かめさせてもらうか」

 

「はあっ!!」

 

『ギャウッ!?』

 

 シドの剣閃とデルタによる爪閃がマラクの身を切り裂いた。

 

 だが……。

 

 

 

 『ギギャアアア!!』

 

 負傷したマラクの身が治癒していく。

 

「な、治ったのです!? ずるいのです」

 

「成程、確かに再生能力を持っているな。なら……」

 

 そしてシドは超速で戦場となっているこの場を縦横無尽に駆け跳ねながら、マラクの群れへと突撃していくと壮絶なる剣閃の一撃、あるいは苛烈な剣閃の乱舞がマラクに炸裂し……。

 

 

 

「あっという間にあの竜を倒しちゃったのです。やっぱり、ボスは凄いのです」

 

「再生を上回る一撃や、再生が追い付かない連撃なら倒せるな」

 

 サラが目を輝かせ、嬉しそうにする中でシドはマラクへの対処法を把握した。

 

 

 

「うう、こいつらの血も肉もすっごく臭いのです。食べられないのです」

 

「まあ、見た目も美味そうじゃ無かったしなぁ」

 

 残念そうにするサラを慰めつつ、なんとなく周囲を歩いていると……。

 

「ん、美味しそうな匂いがするのです」

 

「お、何かあったか」

 

 サラはその優れた嗅覚で何かを見つけ、そうして岬の近くの森の中の地面を掘り、食材を見つけた。

 

 

 

 それは……。

 

「このキノコは食べられそうなのです」

 

「キノコはキノコでも『白トリュフ』じゃないかっ!!」

 

 なんとシドが転生する前の世界でもそうだが、この異世界でも珍味の一つで『白きダイヤモンド』と呼ばれ、一グラム千ゼニ―の価値がある『白トリュフ』を発見した。

 

「(良いぞ、まだまだありそうだ。繁殖やら何やら出来るようにするか……何事も足を実際に運んでみるものだな)」

 

 シドは予想外の幸運にとっても満足した。

 

「サラ、でかした。このキノコは俺にとってとても良いものなんだ」

 

「やったー、ボスに褒められたのですー」

 

 シドが頭を撫で回してやるとサラはとても喜んだのであった……。

 

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