強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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三十五話

 

 シドが関わるまで獣人族の英雄であり、『獣神』として獣人の国を束ねてきた者はシヴァである。

 

 彼は『吉祥族』という一族の生まれだが実は『ディアボロス教団』の幹部である『ナイツ・オブ・ラウンズ』の第五席に属していた。

 

 そうして他のラウンズのように『ディアボロスの雫』というディアボロスの血を元にした物質を摂取する事で強大なる力に不死身を手にし、獣人族を纏めながら教団に協力していたのだが一人娘を授かった時、悪魔憑きの症状を起こし、教団の掟に従い自分の娘を殺したのである。

 

 だが、間違いに気づきシヴァは一年に一度の摂取が必要な『ディアボロスの雫』の摂取を止めて不死身を捨て、老化しながら棺に入って断食をする事で即身仏となって死んだ。

 

 そんなシヴァが利用していた存在がいる。

 

 『サウルヴァ』という四本腕の魔獣の如き存在で異界の言語を有し、不老不死に近い身体を持つ者。周囲に魔力を提供し、身体能力を増加させる特徴をも有していた。

 

 

 

「――」

 

「おお、また強くなったようだな」

 

 そんなサウルヴァはシドに対し壮絶な拳撃の乱打を叩き込んでいくもシドはそれらを裁いていく。

 

 

 

 シヴァの死後、吉祥族の村で隠匿されながら、教団とも繋がっていたシドは『吉祥族』を倒しつつ、サウルヴァと出会った。

 

 強大なるシドの実力にサウルヴァは生存本能により、襲い掛かったがシドは圧倒し制圧。

 

 そうして、スライムの触手を突き刺し魔力を送る事で精神を安定させ続け、仲間にした。

 

 今ではシドの良い鍛錬相手にもなっているしいざという時の戦力としても使えるようにしているのであった。

 

「しっ!!」

 

「――」

 

 そうして、シドは乱打を捌く中で隙を晒したサウルヴァに強烈な拳撃を炸裂させる事で地面に倒れさせる。

 

 

 

「――」

 

「ああ、またな」

 

 その後、意識を取り戻し起き上がったサウルヴァが近づき、頭を下げてきたのを撫でるとサウルヴァは喜ぶ反応を見せたのだった。

 

 そんなシドであるが、少し時間が経過すると……。

 

 

 

『誕生日、おめでとう!!』

 

 シド・カゲノーは学園に通う年齢である十五歳の誕生日を迎えた。

 

 その誕生日はなんとミドガル王国の城で祝われた。

 

 彼はこれまでに『ブシン祭』は除いて幾度もの大会に出て優勝し続けているし、治める領地の統治は安定し続け、発展もしていて更に獣人の国との関係は深く、その獣人であるユキメが会長となって大きく勢力を伸ばしている『ミツゴシ商会』とも深い関係にある事もあり、特別的な措置で彼個人としての爵位は公爵である。

 

 

 

 

「よ、よろしくお願いしますねシド……」

 

「よろしく、婚約者様」

 

「こうなる日をずっと待っていました」

 

「よろしくアイリス、アレクシア、ローズ……皆の伴侶として相応しくあれるよう、精一杯努力するし、愛する事を誓う」

 

 彼が公爵になったのはアイリスにアレクシア、ローズとそれぞれミドガル王国の王女、オリアナ王国の王女という王族の者と婚約者になれるようにという配慮もあるのであった……。

 

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