強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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三十七話

 

 今日はミドガル王国王都にある魔剣士学園兼学術学園の入学式の日であり、朝が開けようとしていた。

 

 「さてと……」

 

 学園近く、正確には学園の敷地内にある寮の中の自分の部屋でシドは起きた。

 

 爵位の高い貴族の生まれである学生や能力を評価された特待生だけが住む事を許される寮の部屋はいわゆる3LDKは優に超えてる暮らしやすい部屋であった。

 

 身支度を整えて学生服を着て支給された剣を納めた鞘を佩く。

 

 

 

「シドー、起きてるわよね?」

 

「起きてるよ、姉さん」

 

 部屋の扉がノックされると共に三年生である姉のクレアが呼びかけてきたので応じながら、鍵を開けて扉を開けた。

 

 

 

「んちゅ、おはよう」

 

「ああ、おはよう姉さん」

 

 まずクレアがシドが姿を現した途端に軽い口づけをした。

 

 

 

「おはよう、シド……ん」

 

「ああ、おはようアレクシア」

 

 次に婚約者の一人であり、シドと同じ一年生となるアレクシアがシドに挨拶しながら、クレアと同じように口づけをする。

 

「おはようございます、シド君」

 

「おはよう、ローズ」

 

 もう一人の婚約者で二年生のローズがやはり、挨拶しながら口づけをする。

 

「それじゃあ、食堂に行きましょうか」

 

 クレアの言葉と共にシドはアレクシアにローズ、クレアに寄り添われながら朝食を取るために食堂へと向かう。

 

 

 

「わぁ、なんて仲睦まじいのかしら」

 

「……ん」

 

 仲睦まじく、温かく、甘い雰囲気を放っているシド達の様子を見て羨ましがったり、爵位の高い貴族の学生はシドのように婚約者同士で通っているのもいて、そうした者たちは影響を受けて積極的に交流したりしていた。

 

 

 

「うん、やっぱり愛している姉さんに婚約者たちとの食事は美味しいな」

 

「〜〜〜〜っ、もう、いきなり言うんだから。でも、そうね」

 

「私もいつもより美味しく感じるわ」

 

「私もです」

 

 シドが微笑みを浮かべながら言った言葉にクレアにアレクシア、ローズはそれぞれ頬を赤くしながら微笑みつつ、食事をする。

 

 

『(っ、強いっ!!)』

 

 朝食中、四人だけの世界に入っているシド達の『恋愛力』や関係の強さに他の学生たちは驚愕するのであった……。

 

 食堂での朝食の時間も終わり『入学式』が行われる大講堂へとシド達は勿論、全ての学生が向かう。

 

 

 

「新入生代表、シド・カゲノー君」

 

 入学式にて代表として言葉を贈る役目はシドがやる事になり……。

 

「この歴史ある学園で将来、ミドガル王国の魔剣士として役目を果たせるように学び育つ事が出来る栄誉を賜れた事に感謝しています」

 

 シドは率直な言葉を言う。

 

 言葉が終わると拍手と共に席へと戻り、入学式も終わる。

 

 

 

 

 

 入学式が終わるとシドはアレクシアと同じクラスの教室へと向かう。説明を受けるなどした後……。

 

「え、えへへ……何でもお申し付けくださいシド様」

 

「よ、よろしくお願いしますシド様」

 

 長細い体格の男であるガリ男爵家の次男坊のヒョロ・ガリ、そして小さく少しごつい体格の男であるイモ男爵家の次男でありジャガ・イモが滅茶苦茶媚びを売って来た。

 

 取り巻きとして良い目を見ようという魂胆が凄く透けている。

 

「……良いだろう、お前達の面倒を見てやろう。まずはその腐った性根を叩き直してやる」

 

『(あ、選択ミスった)』

 

 シドの笑顔と言葉にヒョロとジャガは選択を間違えた事を察したのであった……。

 

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