シドの朝は早い、朝が昇り始めようかという時間帯より少し早く起きるのだから……。
「さてと……」
身支度を整えたり、おにぎりやサンドイッチを弁当箱に詰め込んだりなど必要な事を済ませると部屋を出る。
「俺の取り巻きになるなら、強制連行だ」
「ええええ、まだ朝早すぎるってぇぇぇッ!?」
「畑仕事とかで早起きが習慣で良かったです」
ヒョロやジャガに入る寮の方へとシドは迎えに行く、ヒョロは悲鳴を上げ、ジャガは実家の仕事のお陰で早起きには耐性があるので胸をなでおろしていた。
とはいえ……。
「そら、お前達は一般の魔剣士よりも更に能力が低いんだからもっと頑張らねぇとなぁっ!!」
「うぎいっ!?」
「ひぎゃあっ!?」
王都ブシン流の1部の教室内で朝の鍛錬を施される。
「これ食って、授業まで休憩してろ」
『はい、ありがとうございます』
そうして限界ギリギリの状態になったヒョロとジャガに対する鍛錬を終わり、二人用に持ってきた弁当箱を渡しておいた。
「じゃあ、俺達は始めようか」
「本当、シドは面倒見が良いわよね」
「責任感も強いしね」
「素晴らしい方です、シド君」
シドと朝練をするためにクレアとアレクシア、ローズもこの教室にはいた。
そして……。
「ふっ!!」
「やあっ!!」
「しっ!!」
シドに対してクレアにアレクシア、ローズは模擬用の剣をもって向かって行き、そうして剣閃乱舞を披露する。
「本当、強くなり続けているな。三人とも」
その剣閃乱舞を模擬剣にて軽く捌いたり、自然的かつ微細な動きで回避しながら、反撃の剣閃を繰り出す。
「あんたもでしょ」
「相変わらず、差を埋めらせてくれないわね」
「だからこそ、強くなり甲斐もあるんですけどね」
シドの剣舞に機先を制され、圧されながらもクレアたちはシドに挑み続けた。
「お、俺達はおろか……世界から数えた方が早いくらいじゃねえか?」
「学生の域は明らかに超えてますよねぇ」
シドとクレアたちの手合わせを見ながらヒョロとジャガは四人の圧倒的な実力にそんな感想を言うしかないのだった……。
二
ミドガル王国王都は前からいずれ、『魔剣士学園』に通う事になっているのは分かっていた。それと人口の観点などから考えてシド達、『シャドウ・ガーディアン』は『ミツゴシ』という大商会を活動拠点の役割も兼ねさせるため、置いた。
だが、それだけでは無く……。
「とまあ、此処が俺達の別荘みたいなもんかな」
「良いじゃない、とっても」
「ええ、流石はライトロードが用意してるだけはあるわねぇ」
「良い家ですね」
授業の無い休日、シドにクレアとアレクシア、ローズは建築家の中でも有数の腕を有するとして評判であるライトロードとして表の世界で活動しているマイが建造した家であり、自分の別荘の中に居た。
この家の中にはミツゴシ商会の商品である様々な家具やら家電やらも置いていて、かなりの豪邸でもある。
「だろうさてと……それじゃあ」
「んっ……ええ、ようやく邪魔が入らないところに来れたわ」
「聞いたら、お姉さまが嫉妬するわね……」
「よ、よろしくお願いします」
この別荘にシド達が来たのは当然、学生寮では色々と問題になるので出来ない事を……男女として愛し合う交流をするためであり、四人はその目的を果たすべく、動くのであった……。