シドの姉であるクレア・カゲノーは魔剣士学園において超優秀な三年生の生徒である。王国の騎士団への体験入団の話が出る程に……。
そして、クレアはその話を受けた事で決められた期間中は騎士団の一人として働くし、ちゃんと給料も貰えたりする。
「さあ、どんどん来なさい」
「ひいい、お、俺達じゃ無理だ」
同じ騎士団の者と鍛錬の時間は鍛錬をするのだが、クレアの相手を務められる者などそうはいない。
「じゃあ、私としましょうかクレアさん」
「はい、アイリス様」
必然的にアイリスが訓練相手をするようになるし、アイリスにとっても訓練相手を務められるのは騎士団に限ればクレアだけとなる。
だが、騎士団内に限らなければアレクシアにローズもいて、更に二人を含めた四人の女傑の剣士を含めても敵わない程の実力者がいて……。
「はああっ!!」
「やああっ!!」
「ふっ!!」
「せいっ!!」
「流石に四人相手にもなるときついな」
城内の中庭にてそれぞれ圧縮した魔力を解放し、それによって自分や剣を超常的な強化を施しながら壮絶なる剣舞に幾多もの技と駆け引きを交えて放つアイリスにアレクシア、クレアにローズの四人のそれとシドは同じく圧縮した魔力を解放する事で自分と剣に超常的な強化を施しながら、壮絶なる剣舞に幾多もの技と駆け引きを交える事によって応酬をしていた。
「そうは言っても、中々あなたの防御は崩させてもらえませんね」
「本当、ものの見事に防いでくるんだから……」
「必ず、崩してみせるわよ」
「はい」
アイリスにアレクシア、クレアにローズは完璧な連携にてシドと戦っている。他の者なら即座に倒している驚異的なものであるが……。
「崩せるかな?」
シドは四人の連携の隙ともいえないような隙を見抜きながら、その隙を衝いた立ち回りで四人の剣舞を防ぎ、捌き、回避していく。
『っ、はぁはぁ……』
シドの防御と回避の技術により、攻撃を無力化されている四人は段々と体力を消費していく。対してシドはまだまだ余裕。
それはシドの体力が苛烈な鍛錬や改造で尋常ならざるほどの域に達しているのもそうだが、戦闘において必要な時に必要なだけの瞬間強化をしたりする事で無駄な力の消費が無いからだ。
そうして……。
「ふっ!!」
「あっ!!」
「くっ!!」
「うっ!!」
「きゃっ!!」
凄まじい剣閃を空間にて踊らせながらシドはアイリスにアレクシア、クレアにローズの剣を弾き飛ばした。
『う、うおおおっ!!』
シドと四人の剣戟を見ていた騎士団の者たちは英雄譚の如きレベルの戦いを見て歓声の声を上げた。
「(やはり、排除するにはあれは勿論、準備と人員が必要だな)」
騎士団の中においてとある者がシドを見つつ、思案を巡らせていたりもしたが……。
「うーん、クレアさんと猛特訓もしているんですが」
「悔しいくらい、敵わないわねぇ」
「まあ、だからこそっていうのもあるけど」
「シドさんという存在がいるからこそ、私達も強くなれていますからね」
「それを言うなら、俺の方もだよ。お前たちがどんどん強くなっていくから、俺だって強くなり続けているんだからな」
三人の婚約者と姉にシドは自分の気持ちを言葉にする。
「さて、もうそろそろ昼だし食べにでも行くか」
「はい」
「丁度、お腹空いてきたところだわ」
「何でも美味しく食べられるわね」
「ふふふ、そうですね」
シドの食事の誘いに当然、四人は応じる。
そうして、体を洗ったり着替えたする必要があるため城の中へと戻っていくシド達。
「(シド・カゲノー……君は危険だ。そろそろ始末させてもらうぞ)」
騎士団の中に紛れ込んでいる者が敵意ある視線でシド・カゲノーを見ていたのだった……。