強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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五十二話

 

 現在、魔剣士学園では『ブシン祭』における学園枠を勝ち取るための選抜大会が開催されている。

 

 シドがクリスティーナに勝ち、一回戦を突破した後、ローズも又、一回戦を突破する。

 

 そして二回戦においては……。

 

 

 

「やあっ!!」

 

「うぐあっ!!」

 

 対戦相手である侯爵家の次男に対し、僅かな間にクレアは剣閃を炸裂させて敗北させる。

 

 

 

「ふっ!!」

 

「うっ、ま、参りました」

 

 アレクシアも対戦相手である魔剣騎士団長の娘の剣撃を捌き、生じた隙を衝いて首元に剣を突き付け、降参させる事で勝利する。

 

 

 

 そうして、シドの二回戦の相手は……。

 

 

 

「よろしくお願いします、シドさん」

 

「こちらこそだ」

 

 シドの対戦相手は彼の許嫁の一人でもあるローズである。

 

 シドは自然体で剣を構え、ローズもまた自然体で細剣を構える。

 

 そうして……。

 

「はあっ!!」

 

 魔力を爆発的に開放しつつ緻密に制御しながらシドへと瞬時に詰め寄り、華麗なる剣舞を踊る。

 

 

 

 

「ふっ!!」

 

 それに対し、シドはローズよりも静かに魔力を噴出させながら小さな剣舞によって捌いていく。

 

「見違える程に成長しているな、ローズ。なにより、華麗で綺麗だ。ずっと見ていたいほどに……」

 

「っ、その言葉……とても嬉しいです、シド君」

 

 シドはローズの剣閃の舞を捌きながら、賞賛の言葉を送る。

 

 

 

 彼の言葉は正直な彼の意思も籠っており、だからこそローズは小さく涙を流しながら言う。

 

 彼女はなにせシドの剣に魅了されて剣の道を歩む事に決めた。

 

 そんなシドに華麗で綺麗だと褒められたのだから感無量である。

 

 

 

 そうして、縦横無尽に舞い踊り、ローズはシドに斬撃を叩き込むため、シドはローズの斬撃を捌くために剣舞を応酬する。

 

 傍目には僅かな時間であるが、数十、数百、数千と幾度もの剣戟が刹那の間に行われているのだ。

 

 そうして……。

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……参りました」

 

 シドに一度も斬撃を叩き込めぬまま、全力を出し続け、大きく疲労したためにローズは降参した。

 

 

 

 

「より一層努力したんだな……」

 

「はい、私はシド君のようになりたいから……」

 

「嬉しいな……愛してる、ローズ」

 

「それは勿論、私もです」

 

 ローズの元へ駆け寄り、握手を交わしつつ互いに見つめて言葉を交わすシド。

 

 

 

 観客である生徒達はシドとローズの凄まじすぎる試合に圧倒されるも二人へ歓声と拍手をする。

 

 

 

 

 そんな中、シドとローズは最後には抱き締め合い……。

 

 

 

「ちゅ」

 

 シドとローズは軽く口づけを交わし、特に女子生徒の歓声を浴びながら一緒に舞台を去っていく。

 

 

 そうして選抜大会は三回戦へと突入していくのであった…。

 

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