ミドガル魔剣士学園にて開催されている選抜大会も決勝を残すのみとなった。
その決勝戦はシド・カゲノーとクレア・カゲノーという姉弟対決である。
「出し惜しみなんてしない……受けてみなさい、シド。貴方に勝つために編み出した奥義よ」
決勝戦開始が告げられるとクレアは魔力を高めるとそれは青紫の線となって姿を現した。幾筋もの細い線と化し、それが稲妻や血管のようにクレアを取り巻き、美しき光の模様を描く。
「驚いた。その境地にまで達したんだな。姉さん」
シドはその緻密に練られたクレアの魔力を見て感じると喜びながら言う。
「貴方に勝つためにもね」
クレアの模擬剣の刃に魔力が集い、模様を刻むとそれは螺旋を描きながら力を集約させた。
「じゃあ、俺も……」
シドも又、クレアよりも魔力を濃く美しい幾筋もの青紫の線と化し、模擬剣の刃に魔力を集わせ、模様を刻んで螺旋を描かせる。
「やっぱり、私より先に行っているのね……でも、いずれはその先を行くわ」
「なら、俺はその更に先を行くだけだよ」
お互いに魔力を集わせ、模様を刻ませては螺旋を描かせて力を集約させた模擬剣を振り上げ……。
『はあああっ!!』
そうして、振り下ろしながら光を纏った斬閃を放った。
斬閃は激突すると対消滅しながら……。
「きゃあっ!?」
衝撃波によって、クレアは吹っ飛び、地面を転がって倒れたのである。
模擬剣も砕けていた。
「勝者、シド・カゲノー!!」
『うおおおおっ!!』
途轍もない最高のレベルの決勝戦に観客たちは大歓声を上げてシドを讃えたのであった。
そうして翌日は休日になるので寮の管理人に伝えるとシドにローズ、アレクシアとクレアの四人はミドガル王国王都内のシドのために用意された別荘へと向かった。
「ローズ、アレクシア、姉さん……皆、とんでもない位に強くなっていて驚かされたよ」
「負かされてしまいましたけどね。本当にシド君の強さは私達の想像をはるかに超えています」
「強くなり甲斐はあるけどね」
「ええ、どこまでも先があるって教えてくれるのは助かるわ」
「強さに限界なんてないからな……勿論、愛にもだ」
シド達は選抜大会での話をしつつ、そうして皆が広く大きな寝台の上へと移動する。
「うふふ、ええ、私達はシド君を愛し続けますわ」
「素敵な旦那様だもんね」
「今まで愛せなかった分、今日はとことん愛し合うんだから」
「ああ、そうだな」
そうして、シド達は言葉通りにいつまでも激しく、互いへの愛を伝え合っていく。
「ひゃう、ふはぁ……」
「ふ……は、うぅ……」
「へひゃ、か……はぅふ……んん……」
「愛してる、ローズ、アレクシア、姉さん……」
夜も深くなったころ、それぞれ蕩け切って腑抜けの如くとなっているローズにアレクシア、クレアへと愛を告げながらそれぞれ、改めてシドは口づけしていくのであった……。