強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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五十五話

 

 ミドガル王国の魔剣士学園で行われた選抜大会はシド・カゲノーが優勝し、ブシン祭にて学生枠で本戦に出場する事となった。

 

 その後、一日の休みを挟んで学業は再開されたある日……午前中最後の授業が少し早めに終わった。

 

「今から生徒会選挙の候補者と応援の生徒会長の演説があるので、皆まだ席を立たないように」

 

 教師がそう、注意してから教室の扉が開き、一人は一年の女子生徒でもう一人は生徒会長であるローズが入り、入れ替わりで教師は教室から出る。

 

 

 

「えっと、本日は先生に貴重な時間をいただきまして、生徒会選挙の……」

 

 一年の女子生徒が緊張しながら演説をし始める。

 

 「(ようやく、仕掛けてきたか)」

 

 演説を聞いている時に妙な感覚と魔力の流れを何かが阻害している感覚がした事でいよいよ、『ディアボロス教団』の手先であるゼノンと元は幹部でもあったルスラン副学園長が動き出したのだと察した。

 

 

 

 

「全員、動くな!! 我らはこの学園を占拠する」

 

 教室の扉を吹っ飛ばした直後、黒の外套を纏った者たちが抜剣しながら教室に入って来た。

 

「させると思うか?」

 

『うがっ!?』

 

 魔力を微細に練り上げ、伝導したペンをテロリストの男たちへと投擲すれば、それは見事に男たちの頭部を貫通し、死体として床に倒れさせた。

 

「まだ賊はいるようだ。討伐してくるから皆の安全を頼むぞアレクシア、ローズ」

 

「分かったわ、任せて」

 

 

「シド君、気をつけて……」

 

「ああ」

 

 この教室の隅に置いてある生徒達の剣から自分のを取って帯剣しながら、アレクシアとローズへと呼びかければ彼女達は頷き、そうしてシドはアレクシアとローズへと口づけした。

 

 そうして、教室を出れば即座に屋上へと移動し……。

 

「まったく、魔力を封じたり人質を取れば俺を何とかできるとでも思っていたのか? 目論見が甘すぎる」

 

 超微細に緻密に魔力を操りながら、両手の指先より超極細な魔力の糸を放ち、それを学園の全てへと張り巡らせていく。

 

 

 

「これで面倒事は終わりだ」

 

 そうして両手の指を動かす事で糸を操作する。これによって、生じたのは肉も骨も残らぬほどの連続斬撃である。

 

 一瞬でテロリストを装った『ディアボロス教団』の手先の者たちは斬滅したのだ。

 

 

 

「(今から……を頼む)」

 

『(承知しました、主様)』

 

 更に糸を操る事でこの学園に潜入させている『シャドウガーディアン』の者たちの身体に付着させながら魔力を伝導させ、彼女たちの魔力とリンクさせる事で念話を行い、指示をすると移動を開始したのであった……。

 

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