強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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五十九話

 

 ミドガル王国王都の魔剣士学園は一学期を終え、『夏休み』が始まった。

 

 魔剣士学園、魔剣士学園と一緒に併設されている学術学園大体の生徒は大なり小なり貴族であるため、それぞれの家が所有する領地へと短いにしろ、長いにしろ、里帰りしたりする。

 

 無論、そのまま王都で夏休みを過ごす生徒だっている。

 

 今年はなにより、二年に一度、開催されているミドガル王国の国事である『ブシン祭』が開催される年なのだ。

 

 ミドガル王国の魔剣士の力を他の国に示す機会でありつつ、どこにも所属していない才能豊かな実力者をスカウトする機会にも繋がる武闘大会なので当然、ミドガル王国は力を入れているのだ。

 

 そして、この時期においては一年に一度、『聖地リンドブルム』にて『女神の試練』も開催される。

 

 聖地リンドブルムは最近、『剣神』にも継ぐと評される実力者であり、まだ成人にもなっていない年齢でありながら、オリアナ王国の『ローズ王女、誘拐事件』を未遂として解決したり、『獣人の里』の戦乱を納め、獣人達との友好的な関係を得るなど数々の武勇伝を有しているのもあって、正しく現代の英雄と評されているシド・カゲノーの家であるカゲノー領から近い場所にあったりする。

 

 

 そんなリンドブルムは魔人ディアボロスの左腕が封印された場所であり、『聖域』と化しているのだが、その『聖域の扉』が夏の時期に開くのだ。

 

 そして、聖域に眠りし戦士の記憶を呼び出し、戦う事が出来る。

 

 『女神の試練』は実力者たちがその戦士の記憶と戦う試練で合格すれば記念のメダルが貰え、それは各国に対し自分の実力を証明するステイタスになるのだ。

 

 故に腕に自信のある者や修行者などが数多く挑んでいる。

 

 まあ、戦士の記憶はそれを呼び出すだけの実力が無ければ全く何も無く、そして何も無く、終わってしまうのだが……。

 

 因みに毎年、数百人の魔剣士が参加して戦士の記憶と戦えるのは10人程である。

 

 

 

「まあ、シドの実力なら聖域に眠っている戦士の記憶全てを呼び出してもおかしくないわよね」

 

「舞台は広いとはいえ、そうなったら戦いどころじゃ無くなるなぁ」

 

「じゃあ、いっそ聖域の方に乗り込んじゃえば良いのよ、ディアボロスの左腕も封印じゃ無くて滅しちゃえばまた、伝説が増えるわね」

 

「教会に怒られるどころじゃなく、天敵認定されちゃうよ姉さん」

 

「(まあ、実際は姉さんの言った事をやる感じだけど)

 

 『女神の試練』に参加するシドはその準備のためもあってクレアと共にカゲノー領へと里帰りしていた。そして、クレアと会話していたのだが『シャドウ・ガーディアン』の計画として聖域に乗り込み、中でディアボロス教団が隠している物を見たり、あるいは分捕ったり、ディアボロスの左腕も手に入れようと考えている。

 

 

 

 クレアの言う事は殆ど合っているので考えが似るのは姉弟なんだなぁと内心で考えつつ、苦笑を浮かべながらクレアと会話を続けるのであった……。

 

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