強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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六十三話

 

 

 シドは査察に来ているミドガル王国の騎士団で第一王女であるアイリスの私設部隊とも言える『紅の騎士団』。

 

 教会勢力にて聖女と呼ばれる程のカリスマと実力を備える『ウィクトーリア』が率いる異端審問を務める『テンプラー』。

 

 ドレイクを両者の目を引く囮としつつ、とっておきの刺客であるヴェノムに葬らせる事で騎士団による査察を止めさせ、テンプラーにも異端審問をさせないように大司教代理の立場であるネルソンは動いた。

 

 

 

「まあ、動いてくれたのはなによりだよ。『ナイツ・オブ・ラウンズ』の第11席、『強欲』のネルソン」

 

 そしてシドはその大司教代理のネルソンがディアボロス教団における重要な立場にある幹部の一人である事を把握していた。

 

「さあ、遊ぼうか」

 

 そしてネルソンに対し、策謀を仕掛ける事にした。そう、今回、シドが狙っている一人はネルソンなのだ。

 

 そうして、ネルソンに仕掛ける策謀としてまずはヴェノムの死体に対し、自分の身体と融合させているスライムの一部を切り離しながらヴェノムの死体に取り込ませる事で操り人形にしながら、ネルソンの元へと戻らせる事でネルソンの動向を身近で把握出来るようにする。

 

 また実際にはヴェノムから助けたドレイクはディアボロス教団の事情を知る者なので色々記憶を探ったり、実験体用に確保しただけなので『シャドウ・ガーディアン』の者に気絶させたドレイクを運ばせ、自分の身体に融合させているスライムの一部を切り離しながら、偽りの死体として変形させた。

 

 

 そうして、教会からシドはクレア達と止まっているホテルに密かに戻るのだった……。

 

 

 二

 

 

 今日は聖地リンドブルムの一大行事である『女神の試練』が開催される一大行事である。

 

 シドは起床するとクレアにアイリス、アレクシアにローズ達と温泉へと向かい、混浴する。

 

 

 

「シド、いよいよ本番ね」

 

 クレアは楽しみといった感じで一緒に温泉に浸かっているシドへと抱き着いていく。

 

「査察の方は妙な事になりましたけど、貴方の戦いは楽しませてもらいます。シドさん」

 

 査察は対象であったドレイク大司教が暗殺された事で大司教代理のネルソンが査察の件は終わりだと言い、更に暗殺事件に対する捜査も断った。

 

 全ては許可を取ってからだと言い出したのだ。無論、その許可を取るための書類や手続きをしていればかなりの日数、かかる事になる。ひとまずは敢えて、深入りせずに様子を伺う事にした。

 

 それはそれとして、アイリスはシドに身を寄せつつ、自分の心の内を言った。

 

 

 

「今日はリンドブルムに伝説が刻まれる日ね。楽しみだわ」

 

「はい、楽しみです」

 

 アレクシアにローズも又、シドに身を寄せつつ、笑みを浮かべて言葉をかける。

 

「ああ、最高の勇姿を見せてやる」

 

 シドは愛する姉に婚約者たちへと笑いかけながら、それぞれに軽く口づけするのであった……。

 

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