強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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六十四話

 

 今日、『聖地リンドブルム』は大いに盛り上がっていた。

 

 何故なら、今日は聖域より挑戦者の力量に応じて古代の戦士の記憶を呼び出し、戦わせる『女神の試練』の開催日であるからだ。

 

 その会場では勿論、観客達は今日の『女神の試練』がどうなるか期待をしている。

 

 まさかの大司教が殺されるという事件があったものの、それでも『女神の試練』は滞りなく、行われる。

 

 むしろ、『女神の試練』での戦いを大司教への弔いにしようと大司教代理であるネルソンも言った事で観客たちは同意した。

 

 

 それに女神の試練もそうだが、女神の試練を見に来た賓客が豪華なのも女神の試練の会場が盛り上がっている要因だ。

 

 ミドガル王国の第一王女であるアイリスに第二王女のアレクシア、数年前から新人作家として現れながら、数々の名作を生み出しているナツメ(正体はフミカ)、同じく数年前に新人のピアニストであり、作曲家として現れ、数々の名曲を生み出し、自ら名演奏しているシロン(正体はエレナ)にオリアナ王国の王女であるローズに『聖女』として名高いウィクトーリアなど華やかで可憐な美少女たちが勢ぞろいなのだから、盛り上がるのは無理も無い。

 

 こうして『女神の試練』は今年も無事に開催される。だが、古代の戦士の記憶に挑むそれが行われるのは日が沈んでからとなる。

 

 

 

「待ち遠しいな」

 

 日中の中、観客席に潜みながらシドは大司教代理のネルソンの挨拶やら来賓紹介やらを眺めていく。

 

 日暮れまで観客に来賓の者を楽しませるための数多くのイベントが行われていく。

 

 

 その中には魔剣士どうしの賭け試合もあった。

 

 

「ふっ、小遣い稼ぎには丁度良い」

 

 シドは己の卓越した観察眼であり、洞察眼を活かして勝利する魔剣士へと手持ちの金を賭けては全勝ちし、十分な金を手に入れたりした。

 

『女神の試練に参加する者は競技場へと集まってくれ』

 

「さて、そろそろだな」

 

 ネルソンからの声があり、シドは競技場へと移動。名前が呼び出されるまで控え室に入る様にと関係者に声をかけられたのでシドは瞑想しながら、魔力をゆっくり練り上げ体全体に循環させながら戦闘するための準備をしていく。

 

 そうして、多くの魔剣士の参加者が古代の戦士の記憶を呼び出せずに短時間で会場から去っていく。

 

『次はミドガル魔剣士学園からの挑戦者、シド・カゲノー!!』

 

 しばらく待っているとシドの名が呼び出された。

 

「行くか」

 

 そうして、シドは瞑想を止めて立ち上がり、会場へと向かう。

 

 因みにシドは『女神の試練』に挑むに際して魔剣士としての礼服を着ていて、スライムソードが使えないのでそれには遥かに劣るが、魔力伝導率が限りなく高い金属で鍛造された剣を装備している。

 

 ともかく、相応しい装備にてシドは『女神の試練』へと挑みに行くのであった……。

 

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