強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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六十六話

 

『聖地リンドブルム』で開催されている『女神の試練』にシドは参加した。

 

 すると彼が本来はこの世界にとっては異世界の者である事やその実力が超絶なる域に達しているが故か、シドの相手として召喚されたのは『災厄の魔女』と称されており、実は『魔人ディアボロス』でもあるアウロラと経緯が経緯だからか、それぞれ、人類にエルフ、獣人の英雄であるフレイヤにオリヴィエ、リリの四人である。

 

 まるでラスボスにでもなったようだという感想を抱きながらもシドはアウロラたちと対峙しつつ……読み合いによる駆け引きであり、対話をする。

 

 傍目には動いていないようでいて、本人たちからすれば静かなる戦いを繰り広げているのだ。

 

 そうして、シドはアウロラ達に仕掛けるよう、促せば……。

 

 アウロラが先んじて動き、自分の血を媒介とした赤き槍を地面を通じてシドの足元から放つ。それを身体の芯をずらす事で擦り抜けるように回避する。

 

 するとフレイヤにオリヴィエにリリが襲い掛かった。

 

 そうして開始されるのは三英雄による連携が取れた壮絶なる剣撃の連舞であり、アウロラの赤き槍による魔技の支援である。

 

「本当、ラスボスになった気分だな」

 

 苦笑を浮かべながらもアウロラが足元や隙を見て空中や死角から襲わせてくる赤き槍を擦り抜けさせるように回避、あるいは壮絶なる剣閃によって自分に絶対当たるものを切り払いながら、複数を纏めて斬滅し、三英雄による剣閃も同じく擦り抜けさせたり、纏めて切り払うなどして対処していく。

 

 シドとアウロラに三英雄の戦いは正に伝説と称するに相応しい領域であり、見る者達の視線を惹きつけさせた。

 

 そうして刹那の間に幾千や幾万もの応酬を繰り広げるシドは確かに見抜いていた。

 

「(やっぱり、本気や本領を出せない相手との戦いはつまらないな)」

 

 アウロラは意思があるが、封印されている状態の為か実力に制限がある事、三英雄は記憶によるもので意思が無い状態である事を……。

 

 それでもシドを少し楽しませる程度に実力はあるが、その程度にしかならない。

 

 

 

 よって……。

 

「そろそろ終わらせよう」

 

 シドは片手を動かしてみせる。その手からは魔力を幾千本もの糸に変えた物を垂らしており、それを交戦している間に蜘蛛の巣のように配置していた。

 

 そして、片手を動かす事で糸も動かし……。

 

『!?』

 

 アウロラにフレイヤ、オリヴィエ、リリを拘束する。

 

「それなりには楽しめたぜ」

 

 そうしてシドは超速で動き、剣閃にて幾つかの軌跡を描くと三英雄、そして最後にアウロラを切り裂き、アウロラは微笑みながら、消滅するのであった……。

 

 

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