シド・カゲノーが『聖地リンドブルム』にて『女神の試練』に挑み、対戦相手として立ちはだかったアウロラにフレイヤ、オリヴィエ、リリの四人を倒すと『聖域』に繋がる扉が現れた。
それは一つだけでなく、シドの近くにも彼を誘うように出現したのでシドはその扉を通ってみる。すると……。
「本体と言って良いかは分からないが、お前の実情はそういう感じだったか……そりゃ本気は出せないよな」
「ええ……ごめんなさいね……っと、ありがとう」
「どういたしまして」
シドが扉の中へと入れば、次にその視界で捉えたのは石造りの部屋であり、殺風景な部屋。
アウロラが四肢を壁にはりつけにされていたのでシドは会話をしつつ、鞘から瞬時に剣を引き抜き、はりつけにしていた拘束具を切り裂いて解放した。
「改めて自己紹介しよう、俺はシド・カゲノーだ」
「私はアウロラよ……私は実力を制限されているとはいえ、あの子達も含めて倒されるなんて驚かされたわ。でも楽しかった」
それぞれ自己紹介しつつ、握手を交わした。
「俺もだよ。願わくば全員と本気で戦いたかったけどな」
「そうなったら、あの舞台は少なくとも持たなかったでしょうね」
「だな」
二人で苦笑を浮かべ合った。
「それにしても千年ぶりの自由だわ」
「そんなに捕らわれていたのか」
「適当に言っただけよ。覚えていないし、数えてもいないから……大体、それぐらい」
アウロラは一度、両手を上に伸ばし、コリをほぐすような動きをするとシドと会話しながら、ローブの乱れを整え、艶やかな黒髪を右耳に掛ける。
「さて、一緒に戦った縁だし、この『聖域』でデートでもするかアウロラ?」
「ふふ、そんな楽しいところじゃないわよ。『聖域』は記憶の牢獄でしかも魔力を練ると聖域の核に吸い取られるんだもの」
アウロラへと軽く言うシドに対し、苦笑しながら彼女は一番厄介な点を説明してみせた。
「もうそれについては対策を編み出している。問題無く、俺は魔力を使えるんだ」
シドはアウロラに告げながら、軽く魔力を漂わせてみせた。
「……シド、貴方は私より怪物じゃないかしら?」
「魅力的な男だと言ってほしいけどな……ともかく、デートの相手としては問題無いと思うんだが?」
「勿論、問題無いわ。私は魔力が使えないよただのか弱い乙女よ。だから、しっかり守ってね……一度、ナイト様に守られてみたかったの」
「その願い、選ばれたナイトとして、しっかり叶えさせてもらいましょうお嬢様」
「よろしくお願いするわ、シド」
そうして、アウロラはシドの左腕に自分の腕を絡めるようにすると二人で歩き出したのであった……。