強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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七十話

 

 聖地リンドブルムの『聖域』内をシドはアウロラと共に探索していた。そうして、次に辿り着いたところは遺跡のような場所であり、天井は高く、魔法の光が周囲を照らしていた。

 

 

 

「此処が中心よ」

 

 アウロラによるとどうやら、此処が魔力の核がある場所のようだ。

 

 

 

「そして、ディアボロスの左腕が封印されているんだろう?」

 

「っ、知っていたのね……」

 

「俺はディアボロス教団を滅ぼすために行動しているからな。今までしっかりと調べてきたんだ」

 

 シドの問いにアウロラは微笑を浮かべ、肯定するような事を言い、シドは自分の目的を告げた。

 

 

 

「つまり、今のお前はディアボロスの左腕に宿った残留思念とか、そういう感じか」

 

「まあ、大体そんな感じね……本当に長い間、此処に封印されてしかも変な奴らに利用されてきたわ。もう嫌になってきたの……貴女なら私を解放してくれそうだから」

 

「なら、俺と一緒に来いよ。方法はちゃんとあるから、信じろ」

 

「……ふふ、そういう事なら信じるわ。よろしくねシド」

 

「任せろ」

 

 そうしてシドとアウロラはどす黒い血の跡がこびりつき、前面に古代文字がびっしりと刻まれており、人の胴体より太い鎖が何重にも巻き付いている巨大な扉の前まで来る。

 

 

 

「如何にもこれって感じだな」

 

「これね」

 

 扉の脇の台座に鎖を破壊するためだろう豪華な装飾が施された剣が突き刺さっていた。

 

「(本来なら、オリヴィエの末裔であるレイとかしか抜けないんだろうが……)」

 

 シドの身体には『シャドウガーディアン』の者達が持つディアボロス細胞と血が取り込まれている。なので……。

 

「よっと……」

 

 レイの血とディアボロス細胞を取り込んでいるシドは剣をあっさりと台座から引き抜いてみせた。

 

 

 

「おっと、客人が来たようだな」

 

「え?」

 

 そうしてシドが告げたように二人の人物がこの場に現れた。

 

 一人はネルソンであり、もう一人はオリヴィエの記憶である。

 

 シドとは別にシドはヴェノムの死体を操ってネルソンを捕らえ、レイ達と共にこの聖域に侵入していた。

 

 レイ達はネルソンに質問しながら、答え合わせしつつ、色々とその中の聖域内の物をマイが開発したカメラなどで撮影するなどして入手していた。

 

 ある程度のところで聖域の魔力を吸収する仕掛けを発動しながら、ネルソンは戦闘を仕掛けてきたのを軽く撃退しつつ、追い詰められたネルソンがオリヴィエの記憶を出したところで適当にヴェノムの死体を犠牲にしつつ、目的を果たしたのでレイ達は聖域から去らせたのである。

 

 こうしてネルソンは魔力の核に近づいたシド達の存在を知り、オリヴィエの記憶と共にやって来た。

 

「き、貴様はし、シド・カゲノー。な、何故聖剣を……それにアウロラと一緒に……本当に貴様は何者なのだ……」

 

「お前達、『ディアボロス教団』を滅ぼす者だよ」

 

「ほう……ならば、やってしまえオリヴィエっ!!」

 

 ネルソンがオリヴィエに指示をするとオリヴィエはシドへと向かっていく。この魔力の核がある場所では特に魔力の吸収が強力となっている。

 

 だからこそ、シドは魔力を使えない。だからこそ、楽に殺せると思っていたネルソンだったが……。

 

 

 

「やれねぇよ」

 

 オリヴィエがシドへと一瞬で間合いを詰め、剣を振り下ろす刹那――シドはオリヴィエより早く、彼女の胸を刺突で貫いていた。

 

 

 

 そして抉る様にして引き抜くと血を吐きながら、背中から倒れて消滅したのだった……。

 

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