強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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七十一話

 

 シドとアウロラの二人は『聖域』の中心に辿り着き、そして魔力の核のある扉を封じている鎖を斬るための聖剣をシドが抜いた。

 

 その時、シドは自分が操っているヴェノムの死体で捕獲したネルソンとレイ達で女神の試練の会場に出現した聖域の扉に入り、そうしてネルソンに答え合わせしつつ、聖域内の情報をマイが開発したカメラなどで入手をした。

 

 そうした情報収集を済ませるとネルソンの反撃をあしらいつつ、レイ達を撤退させたしヴェノムの死体は自分の魔力を送る事により、爆破させたのである。

 

 解放されたネルソンは戸惑いながらもシドとアウロラの存在に気づき、彼らのいる政域の中心にオリヴィエの記憶と共にやって来た。

 

 シドとアウロラの姿に驚きながらも聖域は魔力を吸収する性質を持っていて、当然ながら魔力の核に近い中心程、吸収力は強い。

 

 

 

 なのでシドを倒す事が出来ると考え、オリヴィエの記憶を使って殺させようとしたがあっさりと返り討ちにされた。

 

「ば……馬鹿な……魔力は使えない筈……な、ならばぁぁぁぁっ!!」

 

 ネルソンが腕を振ると辺り一面に光が溢れ、光が収まるとこの場を埋め尽くすほどの大量の数のオリヴィエの記憶が出現していた。

 

「くくく、一対一ならまぐれもあるのだろう。だが、これで一つの奇跡も無い。今度こそ死ぬが良いっ!!」

 

 ネルソンは高らかに笑い声を上げながら、シドに言った。

 

 

 

「元から奇跡なんてねぇよ……あるのは覆りようもない実力差だ。俺とお前達で言えば、俺が圧倒的に上なんだよ。良いだろう、ひとつ面白い物を見せてやる」

 

『っ!?』

 

 シドは『ディアボロス細胞』の力を完全開放すると共に体内で融合させているスライムも操り、黒獅子の仮面と全身鎧のそれへと変化させる。

 

 

 

 ディアボロスの力を解放したシドにネルソンもアウロラも驚愕した。

 

 

「あ、ああ……こんな……ディアボロスの力を何故……」

 

「何故も何も……強くなるために完全制御出来るようにしただけだ」

 

 ネルソンは恐怖さえしながら、シドに問いかけ、シドは簡潔に答える。

 

 

 

「奴を殺せ、オリヴィエぇぇぇぇぇっ!!」

 

 ネルソンはまるで縋る様にオリヴィエの大群をシドへと向かわせ……。

 

「ふっ!!」

 

 シドが聖剣を地面へと放り、そうして向かってくるオリヴィエに対して魔力を込めた拳撃を放てば衝撃波も同時に放たれ、オリヴィエの大群を一瞬で粉砕した。

 

 

 

「ま……待て……」

 

「安心しろ、殺しはしない。貴重な情報源、研究と実験材料として大事に使ってやるからよ」

 

 シドはそのまま、一瞬でネルソンへと迫り、顔を掴むと魔力を送り込んで意識を操り、眠らせたのであった……。

 

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