強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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七十二話

 

 『ディアボロス教団』はこの世界の闇に潜みながら、実質的に自分達の思うがままに世界を支配している強大な組織である。

 

 この『ディアボロス教団』を動かせるのは十二人の騎士であり、この騎士たちこそ『ディアボロス教団』の首脳陣だと言ってもいい。

 

 名を『ナイツ・オブ・ラウンズ』と言い、これに選ばれた騎士は世界の各地に封印されているディアボロスの肉体から得られる『ディアボロスの雫』を飲む事が出来る。

 

 『ディアボロスの雫』は一年に12滴しか作れず、しかも1年に一度摂取しないと効果を持続できないが摂取した者に莫大な力と不老を得る事が出来る強力なものだ。

 

 また、『ディアボロスの雫』を作る上でディアボロス教団で言う『覚醒者』になれる薬品も副産物として開発されたが……。

 

 そして、前にシドがベガルタ帝国で倒したセルゲイ・ゴーマンも『ナイツ・オブ・ラウンズ』であったが、聖域の中心にてシドとアウロラの前に現れたネルソンも又、『ナイツ・オブ・ラウンズ』の一人だ。

 

 

 

 セルゲイは十席であったが、ネルソンは十一席である。

 

 そして役割としては科学者であった。

 

 ディアボロス教団の首脳陣である事に学者である事から『ディアボロス教団』の内情を知っている貴重な情報源になる事や『ディアボロスの雫』の効果を研究するための貴重なサンプルになる。

 

 なのでシドは彼が聖域の機能を利用して襲わせてきたオリヴィエの記憶の大群を自身のディアボロス細胞を完全覚醒させて返り討ちにするとネルソンの意識を魔力によって奪い、そうして確保してみせた。

 

「シド……私の力をそこまで操れるのね」

 

「ああ、力は制御出来ないと意味無いからな。こいつにも言ったが……」

 

 アウロラの微笑に対し、シドは意識を失っているネルソンを指しながら答える。

 

 

 

「さて、邪魔も無くなったし用件を済ませよう」

 

 オリヴィエを倒す時に放った聖剣を拾うと扉を封じている鎖を切断し、そして扉を開けて中に入る。

 

 

 

「じゃあ、取り込ませてもらうぞ」

 

「それが目的だったのね……ふふ、まあ良いわ。貴方と一緒ならきっと楽しい時間が過ごせるでしょうし」

 

「その期待、必ず応えよう」

 

 

 

 扉の中――暗黒の空間に鎖で拘束された醜い左腕があった。アウロラにシドは言って、彼女の言葉に頷き、誓うと……左腕を拘束していた鎖が勝手に砕けたので全身鎧の一部をスライムのそれに戻しながら操り、左腕の方へと伸ばして掴むとそのまま、自分の体内へと取り込むために引き寄せる。

 

 

「良し、成功だな」

 

「(これからよろしくね、シド)」

 

 ディアボロスの左腕をスライムによって、体内に取り込んだシドは満足しながら頷くと脳内からアウロラが語り掛ける。シドは正に彼女と一心同体になったのだ。

 

「ああ、よろしくな。アウロラ」

 

 アウロラに対し、シドは応答したのだった……。

 

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