強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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八十二話

 

 シド・カゲノーは来週から始まるミドガル王国にとっては一大行事である国内外の魔剣士による『ブシン祭』に備えて鍛錬をしていた。

 

 彼は学園枠の参加なので本戦からとなる。それだけ多く鍛錬出来る事になるのだが、そんなシドの応援となにより、ミドガル王国王都内にある魔剣士学園へと留学しているローズと会いに『オリアナ王国』より、国王にしてローズの父親であるラファエロがやってきた。

 

 そしてシドとローズを食事会に誘ってきたのでローズの婚約者であるシドはローズと共にラファエロが待つミドガル王国がオリアナ王国のために用意した施設へと向かった。

 

 しかして『ディアボロ教団』はとんでもない行動に出ていた。

 

 飲ませる事でその者を自分の意のままに操れる薬を『ディアボロス教団』は作っており、そしてそれをためらいなく、ラファエロに使っていたのだ。

 

 

 

 そしてシドは施設を訪れて直ぐにラファエロが『ディアボロス教団』に操られている事に気づいた。

 

 何で薬が使われていたか分かったのかというと薬を使うと一番、特徴に現れる甘い匂いが漂ってきたからだ。

 

 そう、飲ませる事で自分の意のままに操れるようになる薬のデメリットとして甘い匂いが漂うようになるというのがある。

 

 この薬は『テンプラー』の聖女としてディアボロス教団の傀儡になっていた時期のあるウィクトーリアにも使われていたので匂いにシドは覚えがあったのだ。

 

 様子を確認するとラファエロの目は焦点が定まっていなかったし、更には呂律すらまともに回っていなかった。

 

 それを行ったのはオリアナ王国の侯爵家次男で結構な立場になっているドエム・ケツハットであった。

 

 

 

 しかもそれぞれ、オリアナ王国において要職に就いている者達もドエムは抱き込んでいたし、何があっても対応できるように騎士たちを待機させていた。

 

 ラファエロを人質にローズとシドを意のままにしようとしていたのだ。

 

 だが、シドの力はドエムたちの想像をはるかに超えていた。

 

 

 

 シドはこの世界において超越した魔力による光を放ち、ドエム達に炸裂させると精神操作をしたのである。

 

 その後、シドはローズに『ディアボロス教団』の事と自分は『ディアボロス教団』と戦っている事も伝え……。

 

 

 

「ぅ……わ、私は……」

 

「お父様……良かった」

 

「ええ、本当に良かったです」

 

 シドは魔力による治療を行い、ラファエロの心身を薬によるダメージから完全復活させて意識を取り戻させたのである。

 

 

 

「……やはり、そういう事だったか……私も助けられてしまったな。本当に君は私にとって、ローズにとって、オリアナ王国にとっての恩人であり、英雄だ」

 

「俺はやるべき事をやっただけですよ」

 

 ラファエロは深い感謝をシドへと示す。彼は国王が故か『ディアボロス教団』についてある程度察していたのである。

 

「じゃあ、まずはお前達が何を企んでいたのかを聞こうか?」

 

「はい、答えさせていただきます」

 

 そうして彼の感謝を受け取りつつ、ひとまず精神操作した事で自分の意のままに喋るし、動くドエムへとラファエロにローズが一緒にいる中、質問を始めていくのであった……。

 

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