強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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八十五話

 

 ミドガル王国王都で現在、開催されている『ブシン祭』。

 

 観客たちが闘技場に集まって魔剣士達の戦いを見るのは予選の三回戦からである。そうして、本戦に挑むための資格を得るために勝たなければならない四回戦にて……。

 

「ふっ、いくぞ元ベガルタ七武剣のアンネローゼよ。俺は君に勝つ!!」

 

「出来るものならやってみなさい」

 

 アンネローゼの相手はゴルドー・キンメッキという整えた金髪に容姿は端整な男で煌びやかな鎧と装飾過多な両手剣の使い手である。

 

 実は彼は相手の実力を見抜く観察眼が長けており、数年前までいろんな国の武闘大会に参加しながら、自分より実力のある者に対しては棄権する事で戦いから逃げていた。

 

 そう、確実に勝てる相手とだけ戦い、優勝などをしてきたのだ。無論、敗北するのが嫌だからである。

 

 だが、そんな彼はやはり、数年前のある魔剣士との戦いで変わった。

 

 彼の観察眼では彼より弱かったのにいざ戦うと全然強かった。そして、そんな魔剣士との戦いで『敗北も強くなるための糧だ』と語り掛けられるなどして、純粋に魔剣士としての強さを求めるようになったのである。

 

 

 

 その魔剣士との戦いでは負けたが、彼はその魔剣士を師と認定したりもした。

 

 

 まあ、その魔剣士は変装したシドであるのだが……。

 

 ともかく、そんなゴルドーはアンネローゼに全力をぶつけるべく、挑んでいき……。

 

 

 

「てやああっ!!」

 

「中々、やるじゃない。でもっ!!」

 

 数度の剣舞の応酬を繰り広げ、ゴルドーの鋭い剣閃を捌きながら、アンネローゼはゴルドーの実力を賞賛しつつ、剣閃を繰り出す。

 

 

 

「うぐあああっ!!」

 

 それはゴルドーに炸裂し、そうして彼は倒れてアンネローゼに敗北したのであった。

 

 

 

「勝つのは私よ」

 

 アンネローゼはゴルドーへとそう告げ、審判からの勝利宣言を聞きながら闘技場の舞台を去っていくのであった。

 

 こうして、四回戦は終わり、来週より本戦の開始となる。

 

 

 

 それに観客も本戦に参加する魔剣士達も気合いを入れていく中で……。

 

「いよいよ、来週から本戦か……」

 

 今日も今日とて本戦に向けた鍛錬を『シャドウ・ガーディアン』の皆としているシドは呟く。

 

 

 

「貴方、今でも最強なのに……強さへの欲望がとんでもないわね」

 

「それがシドはんですから……ふふ、変わらない貴方が好きやわ」

 

 アウロラの呟きにユキメが微笑みながら言う。

 

 

 

「結果は見えているけど、それでも応援させてもらうわ」

 

「気合を入れて応援しますね」

 

「優勝を祝うための盛大な宴の準備もしておきます」

 

「ボス、頑張れなのですー」

 

「主の勇姿、たっぷり目に焼き付けさせてもらいます」

 

「主も戦いを楽しめる事、願っております」

 

「次の鍛錬用アーティファクトのためのデータ取りもしておくからね」

 

 レイにフミカとアイムにエレナとサラとリリムにマイたちもそれぞれ、シドに声をかけていく。

 

 

 

「ああ、精一杯戦ってくるよ。愛してるぞ、皆」

 

『私達も』

 

 そうして、シドはアウロラにユキメとレイ達と心身共に愛と快楽を与え合う事で満たし合うのであった……。

 

 

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