強さを窮めたくて   作:自堕落無力

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八十八話

 

 シドは『ブシン祭』の本戦一回戦に学生枠として挑み、対戦相手であるクイントンを倒して勝利した。そして、クレア達から声をかけられていたので王族やそれに近い大貴族だけが入る事を許され、利用できる特別席に向かった。

 

 その時になんと『ブシン祭』の初代優勝者であり、『武神』と呼ばれている百歳のエルフの剣聖でレイに良く似た容姿をベアトリクスと出会った。

 

 そして、ベアトリクスはレイを探しているのだと言った。彼女が言うにはレイは彼女の妹の娘であり、つまりはベアトリクスの姪になる。

 

 更に本名としては『遠き清流のキキョウ』だと知った。これらについてはレイと後で話す事にしつつ、とりあえずはベアトリクスとも話し合える状態にした。

 

 出来る事なら自分達の協力者にしたいからである。

 

 なので自分の組織が経営しているホテルを紹介しつつ、ホテルの支配人には上客としてもてなすようにという指示を書いた紙も渡した。

 

 やるべき事を終えるとシドは豪華な造りの扉前のスタッフの元へと歩き、クレアから渡されていた豪華な金箔付きのチケットを懐から出して扉を開けてもらい、中に入る。

 

 

 

『勝利おめでとう』

 

「ああ、どうもありがとう姉さん、アレクシア、アイリス、ローズ」

 

 中に入ると大貴族たちが軽く拍手をして出迎えられ、クレアにアレクシアとアイリスにローズが近づいてシドの勝利を笑顔で賞賛する。

 

 シドも笑顔を浮かべて応じた。

 

 そしてシドはクレア達に誘導されながら一つの席へと向かって、座った。

 

 すると使用人の一人がコーヒーを持ってきた。

 

 

 

「ありがとう……うん、美味しい」

 

「まあ、あんたのところのコーヒーだけどね」

 

「ミツゴシのコーヒーは本当に美味しいものね」

 

「わ、私は砂糖にミルクを入れないとどうにも……」

 

「どうしても苦みがありますから……仕方ないですよ」

 

 

 

 シドがコーヒーを飲む様子を見てクレアはシドがスポンサーになっているミツゴシの商品であるが故に苦笑を浮かべる。

 

 アレクシアはコーヒーを愛飲しているし、しかもブラックで飲めたりするのでシドと嗜好が合う事に笑みを浮かべた。

 

 アイリスはアレクシアと違い、コーヒーの苦みは苦手だ。なので砂糖とミルクを入れて飲んでいるのである。

 

 ローズはブラックで飲めるが、アイリスの気持ちも分かると言葉をかけた。

 

 

 

「アンネローゼ、彼女も中々ですね……さて、次は私ですから行ってきます」

 

「ああ、頑張れ」

 

「はい」

 

 

 

 アンネローゼの試合を見たアイリスは席から立ち上がり、試合場に向かおうとする。そんな彼女に応援の言葉をかければアイリスは嬉しそうな笑みを浮かべて頷くのであった……。

 

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